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機構から 野菜情報 2021年11月号

野菜の日に「国際果実野菜年2021オンラインセミナー」を開催しました~新型コロナ禍の野菜消費と健康~

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野菜業務部
 令和3年8月31日の野菜の日に「国際果実野菜年2021」のオフィシャルサポーター事業の一環として、「新型コロナ禍の野菜消費と健康」をテーマにalicオンラインセミナーを開催しました。女子栄養大学 上西一弘 教授と武庫川女子大学 松井徳光 教授に講演いただき、約130名の皆様に参加いただきました。野菜の栄養価や働きを知って健康な生活を維持しましょう。

1 女子栄養大学 上西一弘 教授の講演要旨(「野菜が持つ栄養素と健康について」)

・野菜は、「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」「ファイトケミカル」「水」の重要な供給源
・「日本食品標準成分表」で野菜の栄養成分、ゆでる、炒めるなど調理方法や旬による変化を知ろう。野菜はゆでたり炒めたりすることでたくさん食べることができる
・ほうれん草の例:(1)ゆでてもそれほど減らない栄養成分はビタミンA、ビタミンK、カルシウム、(2)ゆでると減る栄養成分はビタミンC、葉酸、カリウム、マグネシウム、(3)冬採りほうれん草のビタミンCの含有量は夏採りの3倍
・ビタミンやミネラルなどを多く含む野菜:モロヘイヤ、赤ピーマン、ほうれん草、芽キャベツ、ブロッコリーなど
・野菜のファイトケミカル:(1)アントシアニン(なす)抗酸化作用や眼精疲労の回復効果、(2)ケルセチン(たまねぎ)、リコピン(トマト)抗酸化作用、(3)カプサイシン(とうがらし)食欲増進・脂質代謝促進効果、(4)キャベジン(ビタミンU)(キャベツ)胃酸分泌抑制作用
・野菜の摂取量目標は1人1日当たり350グラムで約70グラム不足。全世代で100グラム多く野菜を摂って健康な生活を維持しましょう





 

 

2 武庫川女子大学 松井徳光 教授の講演要旨(「野菜摂取量の改善が日本人の健康長寿を実現する!」)

・日本人の平均寿命は大正・昭和初期の男性45歳、女性47歳から現在の男性79歳、女性86歳に伸びたが、米食中心の食生活から肉・魚・油脂・乳製品・野菜の摂取量が増え、タンパク質・脂肪・炭水化物のバランスのとれた食生活に改善したことが要因
・健康な体づくりには、「五大栄養素」(糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)「非栄養素」(食物繊維、機能性成分、水、酸素)を過不足なく摂取することが大切
・老年病(脳卒中、高血圧、虚血性心疾患など)の予防には、血管の老化を予防するため、「五大栄養素をバランスよく摂る」「抗酸化作用のある食品を摂ること」が大切
・野菜には機能成分である多種多様な「抗酸化物質」が含まれている(カロテン(人参、ほうれん草)、ビタミンC(赤・黄ピーマン、ブロッコリー)、ポリフェノール(たまねぎ)など)
・「漬物はビタミンの王様」(生野菜の微生物発酵でビタミン類が大幅に増加)
・「キムチ」は、「良質の栄養素(ビタミン、ミネラル)が豊富」で、「生きた乳酸菌で整腸作用・便秘予防・大腸がん予防効果」「カプサイシンでダイエット効果」「抗酸化作用で皮膚などの老化予防」が期待できる
・野菜不足が続くと、「腸内環境が悪化」「肌が荒れやすくなる」「疲れやすくなる」「免疫力が低下する」「生活習慣病になる」リスク
・野菜を多く摂取すればより多くの栄養素・機能成分を吸収でき、健康な体が維持され、疾病予防ができ、日本人の健康長寿を実現できる。積極的に野菜を食べましょう