8月27日、農林水産省主催による「国際果実野菜年2021」WEBシンポジウム(テーマ:「もっと果物と野菜を!~健康的な食生活と行動変容を考える~」)が開催されました。生産者、消費者、実需者など約200名の方がオンラインで参加しました。
(1) 基調講演
演題:「健康で持続可能な食生活の実現に向けて:エビデンスに基づく提案」
講師:女子栄養大学 栄養学部 准教授 兼 NPO法人青果物健康推進協会 理事 林 芙美氏
【要旨】
・野菜摂取目標量350g/日を早く達成すると心血管疾患、がん、糖尿病性腎症などの疾病負担を 大きく減らせる
・野菜・果実を多く食べると循環器疾患のリスクが低下し、ストレスも少ない
・植物由来の食物中心の食事パターンは、環境負荷が小さく持続可能な地球にとって健康な食事であり、よりよい食 習慣を促すために人々に自由な選択の余地を確保しながら望ましい意思決定に導く「ナッジ」(Nudge)という手法が有効
(2) パネルディスカッション
議 題:「健康的な食生活と行動変容を考える~もっと果物と野菜を!~」
登壇者:女子栄養大学 林氏、デリカフーズ(株) 有井氏、日本園芸農業協同組合連合会 押田氏、
(独)農畜産業 振興機構 野津山氏、(株)ダイエー 宮川氏、カゴメ(株)宮地氏
【要旨】
・コロナ禍で消費者の「健康志向」「簡便化志向」「経済性志向」が高まっており、原体購入からカット野菜や冷 凍野菜へのシフトがさらに進展
・コロナ禍で小売店舗では「まとめ買い」「来店頻度・買回り店舗減少」「計画的に短時間で済ませる買い物」の変化がみられ、ネットスーパーの利用拡大・大容量での対応を推進
・「野菜をとろうキャンペーン」を始動し、広告・SNS・店頭で野菜の魅力・レシピ等の発信、野菜摂取量推定機「ベジチェック」、野菜健康セミナー、ベジ選手権等を展開
・野菜摂取促進のため、子供達への食育体験プログラム、野菜摂取量見える化「ベジメータ」、野菜350gを実感!健康啓発イベント等を展開
・コロナ禍で消費者の健康・簡便化・経済性志向に対応した野菜・果実の栄養価、魅力、健康維持・疾病予防の働き等の情報発信、商品づくり、食べ方の提案、販売戦略等が重要
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