[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

機構から(野菜情報 2015年8月号)


平成26年度指定野菜価格安定対策事業における 価格差補給交付金等の交付状況について

野菜業務部交付業務課


1 はじめに

 野菜は、国民の食生活に欠くことのできない食品ですが、天候により豊作、不作の差が大きい上に、日持ちしないものが多いため、価格が短期間に大きく変動するという特性を有しています。このため、当機構では、キャベツ、トマトなど消費量が多く重要な野菜14品目を対象として指定野菜価格安定事業を実施しています。この事業は、あらかじめ国、道府県、生産者が資金を積み立てておき、これら野菜の市場価格が低落した場合に、生産者が次年度以降も安定した生産を継続できるよう、生産者に低落の幅に応じた価格差補給金を交付するものです。

 この度、平成26年度事業の対象野菜の出荷期間が終了しましたので、当該年度における価格差補給交付金の交付状況について報告します。

2 気象概況と東京都中央卸売市場における価格の状況

 平成26年度は、26年2月の関東甲信地方での大雪被害の影響、夏季の台風による豪雨、西日本の冷夏など、気象災害や天候が不安定であったこともあり、野菜の価格は全般的におおむね平年より上回って推移しました。

 春野菜は、冬季の大雪により、一部の主要産地でパイプハウスの倒壊などの大きな被害が発生したため、価格は、トマト、きゅうりなど施設野菜を中心に平年を上回って推移しました。4月、5月は概ね天候に恵まれたため、生育は順調に回復し、キャベツ、レタスなど葉物野菜を中心に価格はやや平年を下回って推移しましたが、トマト、きゅうりなど一部の果菜類では、被害を受けたハウスの復旧の遅れなどもあり、価格は平年を上回って推移しました。

 夏秋野菜は、梅雨期には大きな災害もなく順調に出荷されたため、6月から7月は、キャベツ、はくさい、レタスなどの露地野菜を中心に価格は平年を下回って推移しました。しかし、7月から8月には、2つの台風が立て続けに上陸し各地で大雨となりました。特に、西日本では、8月に日照時間の最少記録と月降水量の最多記録を更新するなど冷夏となりました。そのため野菜の出荷量が減少したので、野菜の価格は上昇し、この高値は10月上旬まで継続しました。

 秋冬野菜は、10月中旬以降、天候に恵まれたため、葉物類を中心に価格は平年を下回って推移したものの、果菜類は、東日本では依然、冬季のハウス倒壊の影響が残り、また、西日本では夏季の台風などの影響による生育の遅れにより出荷にも遅れがみられたため、その後も価格は平年を上回って推移しました。

3 価格差補給交付金の交付状況

 このように、野菜の価格が全般的に平年を上回って推移したため、平成26年度事業の価格差補給交付金の交付額は前年に引き続き低水準となり、88億7825万円(対前年比114.3%)、交付率(=交付額/資金造成額)は、8.3%と見込まれます(図1)。

 交付額をみると、にんじんが22億4256万円で最も多く、次いでレタス21億3264万円、キャベツ11億2474万円、はくさい8億4635万円、だいこん8億1296万円となっており、この上位5品目で交付額の約8割を占めています(図2、表1)。

 にんじんの交付額が多かった要因としては、26年度は、全般的には野菜価格が高水準で推移する中、春先の主産地である徳島県が順調に出荷され、それに続く夏季の主産地である千葉県、秋の主産地である北海道でも順調な出荷となり、価格が1年を通して低水準で推移したためです。また同様に、交付額が多かったレタスを見ると、春先の主産地である茨城県および静岡県では、冬季における雪の被害も少なく出荷が順調に進み、夏季の主産地である長野県でも一部で降雨などの影響はあったものの順調な出荷となり、価格は春先から秋まで平年をやや下回って推移しました。はくさいは、秋冬期の主産地である茨城県で一部多雨がみられたものの例年をやや上回る出荷であったため、価格は平年を下回って推移しました。

 また、交付率を品目別・出荷時期別(種別別)で見ると、冬にんじんの32.4%を筆頭に、次いで秋冬はくさいの31.0%、春夏にんじんの30.8%、春だいこんの30.0%の順となっています(表1)。

 このように26年度事業では、おおむね天候が良好に推移した品目や産地リレーが順調に行われた品目を中心に生産・出荷量が増加し、価格が平年を下回ったために交付金が支払われました。

 道府県別にみると、茨城県11億6093万円(夏秋レタス、秋冬はくさいなど)、長野県9億911万円(夏秋レタス、春レタスなど)、長崎県7億9847万円(春夏にんじん、春だいこんなど)、千葉県7億3546万円(冬にんじん、冬キャベツなど)、徳島県6億7383万円(春夏にんじん、夏秋なす等)の順となっています。この上位5県で交付金交付額の約5割を占めています(図3、表2)。

 以上、平成26年度指定野菜価格安定事業における価格差補給交付金の交付状況について紹介しましたが、この生産者への価格差補給金の交付により、野菜の安定的な生産が確保され、ひいては、消費者に対して国産野菜の安定的な供給が確保されています。機構では、今後とも、速やかな価格差補給金の交付など、本事業の的確な実施を図っていきます。



元のページへ戻る


このページのトップへ