野菜需給部需給推進課
藤島委員から、春野菜の需給・価格の見通しについて、3月14日に開催された野菜需給・価格情報委員会での取りまとめをもとに説明があった。概要は以下の通り。
春キャベツの価格は、4月の出荷が潤沢と見込まれることから、5月までは前年を下回り、6月は前年並みの見込み。
春だいこんの価格は、低温等の影響から生育が遅れていたものの、気温の上昇とともに順調な出荷が見込まれることから、4月は前年を下回り、5月は前年並みの見込み。6月は、一部の産地のは種作業が遅れれば、前年を上回る見込み。
たまねぎの価格は、生育が良好で順調な出荷が見込まれることから、前年を下回る見込み。
春夏にんじんの価格は、4月は、生育が良好で順調な出荷が見込まれることから、前年を下回り、5月は、出荷が減少すると見込まれることから、前年を上回り、6月および7月は、前年並みの見込み。
春はくさいの価格は、消費が減少する時期となる中で順調な出荷が見込まれることから、期間を通して前年を下回る見込み。
春レタスの価格は、一部の産地で定植の遅れや低温の影響から生育の遅れが見られるものの、作付面積も増加し順調な出荷が見込まれることから、期間を通して前年を下回る見込み。
・野菜の価格が高かったことから、安定して伸びている。ごみも出ず、無駄のないのが好まれる。
・単品系よりもミックス系の伸びが大きい。
・客層としては年配の方や、若い夫婦の購入が多い傾向。
・野菜の価格高騰があるたびに、カット野菜を購入して、使い勝手のいいことに気付き、新たなユーザーが増えているのではないか。
・ドレッシングや具材等を工夫し、シニア向けの商品を開発することでまだまだ販売は伸ばせるのではないか。
・業務向けのカット野菜は確実に伸びている。
・円安傾向にあることから、輸入野菜の価格が確実に上がる。国内産の需要が伸びる可能性があり、産地づくりのチャンスである。
・外食産業では、これまで価格(低価格)を重視する傾向にあったが、景気回復もあり、おいしさ(品質等)を求める方向に変わる傾向がみられる。
・けんちん汁やカレーの具といった下ゆでした野菜の販売が伸びている。
・地域のブランド野菜を若い女性を中心に購入する人が増えている。また、ハーブ等が外食産業で注目されている。
・青ねぎを使ううどんチェーン店が西から東へと出店が増え、加工・業務向けの青ねぎの需要が伸びている。
・トマトは、暖かくなってくると酸味が増しておいしくなるため、さまざまな品種を提案していきたい。
・春先の輸入ものの商談も始めているが、値段が上がっている。あまり高い場合には、輸入ものを減らすことも視野に入れている。
・たまねぎは、中国での生産減に加え、円安傾向にあることから、輸入価格が高くなってきている。ただし、価格が高くなったことを踏まえ、生産増になる可能性もあり、動向を注視する必要がある。
(1)協議会会員の「野菜消費拡大に向けた平成25年度の取組計画」について確認した。
(2)協議会の取り組みとして、野菜シンポジウムを8月31日の「野菜の日」前後に開催することを決定した。
今回は、野菜の摂取量が引き続き減少する中、家庭内での消費を増加させることを目的に、若い主婦層に影響力・発信力のある職業、団体の会員等を対象に、野菜の機能性の紹介や調理による栄養成分の摂取量の違いをテーマとして開催することとし、今後、具体的内容を検討することとなった。
(3)一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会の入谷事務局長から、「野菜・果物を取り巻く生活者の3万人調査」の結果報告および同団体が取り組む「5 A DAY ポーション・インジケーター」の紹介があった。概要は以下の通り。
同団体の調査によると、国が推奨する野菜・果物の適量(1日5皿以上の野菜と200グラム以上の果物)を摂取している20歳代以上の人の割合は約4%であった。野菜・果物を食べない理由は、「自身が食べている量は適量である(実際は適量を摂取していない)」という“誤認”が半数を占めた。同団体は、消費者の野菜・果物の摂取量の正しい認知の普及推進を目差し「5 A DAY ポーション・インジケーター」を開発した。このマークは、カット野菜・フルーツ、惣菜および弁当の製品1パック(個)に含まれる野菜や果物の量の目安を示すマークで、一般消費者への商品を通じた野菜や果物の摂取の促進を目的としている。
農林水産省より、3月15日に公表された「平成29年度の指定野菜の需要及び供給見通し」および「需要の変化に対応した野菜の生産・流通方針」について説明があった。
(独)農畜産業振興機構春日野菜需給部長より、カット野菜に関し、製造業者と消費者に対して行った調査の結果について説明があった。概要は以下の通り。
カット野菜の製造においては、キャベツを一番多く原料として使用している。輸入原料は2割弱であるが、過半がたまねぎ。原料の歩留まりは平均すると7割となっている。
外食業者や中食業者に5割、小売業者に4割を販売しており、2/3の製造業者が製造を拡大する意向である。
一方、カット野菜の消費については、例えば簡便野菜で見ると、1カ月に1回以上購入する者は5割にのぼり、高齢者も積極的に購入している。購入単価は、200円未満が3/4となっている。カット野菜を購入する理由では、調理時間の節約が一番となっている。
今回、カット野菜の市場規模の推計も行ったが、原料段階で600億円、製造段階で1,330億円、消費者への販売段階で1,900億円と推計した。
なお、配布資料等は当機構のホームページ
(http://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000058.html)に掲載していますので、ご参照ください。