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機構から (野菜情報 2012年12月号)


平成24年度第2回野菜需給協議会の概要

野菜需給部需給推進課


 生産者、流通業者、消費者等、野菜の関係者が一堂に会する「平成24年度第2回野菜需給協議会」が開催され(11月12日(月)13:30~15:35、(独)農畜産業振興機構会議室)、秋冬野菜の需給・価格の見通し(秋冬野菜は、順調な出荷により、価格は概ね前年を下回って推移する見込み)等について報告・協議が行われました。

1. 平成24年産秋冬野菜の需給・価格の見通しについて

(1)事務局から、秋冬野菜の需給・価格の見通しについて、11月6日に開催された野菜需給・価格情報委員会での取りまとめをもとに説明。概要は以下のとおり。

(冬キャベツ)

 冬キャベツの価格は、順調な出荷が見込まれることから、前年を下回って推移する見込み。
 なお、加工・業務用については、年内は価格が安いので、国産が主体となって利用されるものの、年明け以降は中国産及び韓国産が出回る見込み。

(秋冬だいこん)

 秋冬だいこんの価格は、一部の産地に干ばつや台風の影響があったものの、大きな被害はなく、順調な出荷が見込まれることから、概ね前年を下回って推移する見込み。なお、気温が低いと肥大が進まず、歩留まりが悪くなることに加え、消費も伸びることから、価格が上昇する可能性もある。

(たまねぎ)

 たまねぎの価格は、北海道が前年を上回る出荷が見込まれることから、前年を下回って推移する見込み。
 なお、加工・業務用においては、国産たまねぎの生育状況にかかわらず、輸入剥きたまねぎの需要は根強い。皮付きたまねぎは、中国産が不作であったことから、内外価格差は小さくなっている。

(冬にんじん)

 冬にんじんの価格は、一部の産地で豪雨や台風の影響があったものの、順調な出荷が見込まれることから、前年を下回って推移する見込み。
 なお、家計消費用はM~Lサイズ、加工・業務用は2L~3Lサイズが好まれることから、今後、それぞれの需要に見合った生産を行う必要がある。

(秋冬はくさい)

 秋冬はくさいの価格は、11月から12月にかけては、昨年は気温が高く安価であったことから、前年を上回ると見込まれるが、1月以降は、概ね前年を下回って推移する見込み。
 なお、O-157による食中毒の影響により、漬物需要が減少しており、今後も尾を引く可能性がある。

(冬レタス)

 冬レタスの価格は、一部の産地で干ばつや台風の影響があったものの、順調な出荷が見込まれることから、概ね前年を下回って推移する見込み。ただし、天候に大きく左右される品目のため、天候次第では、価格が変動する可能性もある。

(その他秋冬野菜全体の消費の動向等)

<冬場の状況による影響(暖冬傾向になった場合の影響等)>

・暖冬になると、野菜が採れすぎて価格が下がる恐れがある。

・暖冬になると、だいこんやはくさいといった商品が売れなくなる一方で、きゅうりやトマト等のサラダ商材が売れるようになる。鍋物的な素材が売れなくなるため、他のメニューを提案していきたい。

<カット野菜や冷凍野菜の動向>

・カット野菜は、順調に伸びている。これまでは野菜の価格の高騰時に売れていたが、安くなっても売れている。消費者が利便性に着目して使うようになったのでないか。

・外食では、厨房の人数が減り、調理技術が低下してきており、カット野菜のニーズが高まっている。

・単なるカット野菜から、例えばシーザーサラダ用のカット野菜等、用途ごとにバリエーションを増やすことにより、需要がさらに伸びる可能性がある。

・冷凍野菜は、例えば九州の国産野菜の工場では、冷凍オクラの品質が非常に良く、また、冷凍ほうれんそうは内外価格差が、これまでの5倍から2倍へと小さくなっている。国産の冷凍野菜を国としても推進すべきである。

<主要6品目以外の野菜で、販売戦略として特に注目している品目の動向>

・機能性が話題となったトマトは、そもそも売上がトップの商品である。これまではサラダ等生食での食べ方が中心であるが、トマト鍋等加熱調理での食べ方も登場しており、今後も期待している。

・こだわり野菜として、西洋野菜やミニ野菜に取り組む農家が増えており、直売所等において人気が出てきている。

・甘いピーマン等、今までと違った品目を取り扱ったところ、売り上げが伸びた。

・西日本で使われていた青ねぎが、関東でもうどんのチェーン店等で普及してきている。

・温野菜に期待しており、今後強化していきたい。

<野菜の需要喚起・消費拡大のアイデア等>

・消費者や納品先に、一手間加えておいしく食べる工夫や、野菜の栄養等、消費者等が知らない情報を伝えることが重要であると考えている。

・野菜の消費を拡大するため、朝食で利用できるグリーンスムージーによるメニュー提案を行うことを検討していきたいが、効能をどうしたらうまく表示できるかが課題である。

・国産ブランドを使いたいと考えている人は多いので、直売所等を中心に、旬の野菜を食べるといった行動につながるような活動を進めたい。

<今後の産地のあり方>

・加工・業務用需要は野菜生産を考える上で欠かせないものとなっており、専用の産地を育成する必要がある。

・家計消費用の野菜の生産を維持していくためには、適正生産量を十分に踏まえた生産体制を構築する必要がある。

(2)会員から、以下のような発言があった。

①野菜の味が良くなったと感じているが、カット野菜のメニュー提案もそのおいしさを活かしてほしい。また、冷凍野菜は便利であり、夏に冷凍ほうれんそうを使うなど、活用することが重要。

②福島産野菜については、まだ、逆風が吹いているが、生産者は、良い品質のものを生産している。

③高齢化の進展で野菜の作付面積が減っているということについて、心配している。

2. 野菜の需要動向について

 全日本漬物協同組合連合会から、北海道の集団食中毒に対する漬物業界の対応について、また、社団法人日本惣菜協会から、惣菜市場の動向について説明があった。概要は以下のとおり。

(全日本漬物協同組合連合会)

 北海道は全漬連の会員ではないが、北海道で発生したはくさいの浅漬けを原因とする集団食中毒で死者が出たことを重く受け止め、漬物業界として様々な取組を行った。
 具体的には、「全漬連所属会員の各企業へ浅漬及びキムチの製造・衛生管理マニュアルの増刷版を発送」「浅漬キムチ、品質管理、原料総合対策委員会合同会議を開催」「衛生管理講習会を開催」「全漬連青年部会第31回全国大会で、漬物消費拡大、衛生管理の徹底等を内容とする宣言を採決」等である。

(社団法人日本惣菜協会)

 食生活は、外食・中食(惣菜)・内食の3つで構成されている。外食産業総合調査研究センターによると、平成22年の全国の食料・飲料支出の総額は、平成13年に比べ7兆円程度縮小している。人口減少、高齢化、デフレ化等から、食市場のトータルの拡大は見込めないが、内食と外食が減少している中で、中食だけが伸びている。
 中食が伸びている要因は、高齢化の進展、有職主婦の増加、単身世帯の増加等、食の外部化を必要とする社会基盤が広がっていることが大きいと考えられる。

3. 野菜の消費拡大活動等について

(1)事務局から、8月31日に実施した「野菜シンポジウム」の概要について報告があり、また、会員から、今後の消費拡大の取組について報告があった。

(2)会員から、消費拡大の目標があるのか、また、ターゲット層はあるのか、との質問があり、健康日本21の350g/人・日を目標に置いている、シンポジウムは、消費量の特に少ない若年層の消費拡大を目指して実施したとの回答があった。

なお、配布資料等は当機構のホームページ
http://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000058.html)に掲載していますので、
ご参照ください。


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