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第10回 野菜需給協議会の概要について

野菜需給部需給推進課


 独立行政法人農畜産業振興機構は、平成22年7月14日に第10回野菜需給協議会(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催した。

 本協議会では、直近の春野菜の需給や価格の実情に関する報告の後、今後出荷が本格化する夏秋野菜の需給や価格の見通しなどの情報の提供と意見交換、さらに、全農および全農長野県本部より、主な産地の状況についての紹介および長野県において7月12日から実施された緊急需給調整に対する状況説明があった。
 
 主な議事の概要は以下のとおり。

(1)22年産春野菜の需給・価格の状況

 「春キャベツ」の入荷量については、4月の天候不順などの影響で大幅に入荷減となったが、5月の好天により生育が回復したことにより、全体としては前年をわずかに下回った。価格は、天候不順の影響により前年をかなり上回った。
 「たまねぎ」の入荷量については、4月は昨年の北海道の貯蔵物が不作であったこと、佐賀県産を中心に低温の影響を受けたこともあり、かなり入荷減になった。その後天候の回復により順調になったが、全体としては前年をやや下回った。価格は、天候不順や小玉傾向の影響により、前年をかなり上回った。

(2)この春の気象及び今後の見通し

 今年は1月から全国的に気温の変動が大きくなった。春全体でいうと、北日本はやや低温気味、東日本と西日本も平年をやや下回った。ただ6月からはほとんど高温であった。この寒暖の差は北極振動が原因である。
 今年の春は降水量が多く、日照時間は少ないという状況であった。これは、負の北極振動による強い寒気と、エルニーニョ現象の影響による強い暖気の間に発生する前線や低気圧によるものである。今年の春の日本列島は、前線や低気圧が通過することが多かった。現在、負の北極振動とエルニーニョ現象は終息に向かっている。
   今年8月がかなり低温になったとしても、6月から8月が平均して冷夏になるということはない。だが、北日本にやませなどをもたらすオホーツク海高気圧が懸念される。8月は低温の可能性は残されている。それと同時にエルニーニョ現象の反対であるラニーニャ現象の発生の可能性が強く、9月は残暑が厳しくなりそうである。
  ラニーニャ現象発生の年の秋の特徴としては、平均気温が沖縄・奄美で高く、北日本と東日本の太平洋側、そして西日本では降水量が少ない傾向にある。また日照時間は、北日本の日本海側、西日本と沖縄・奄美で少ない傾向にある。

(3)22年産夏秋野菜の需給・価格の見通し

 藤島委員から、資料2-2「22年産夏秋野菜の需給・価格の見通し(概要)」により、今後の見通しのまとめを以下のとおり説明。
 「夏秋キャベツ」については、作付面積は全般的に微増傾向。生育も遅れていたが、回復傾向。出荷に雨などの影響が出る可能性はある。今後の出回り量は前年を上回っていくと考える。価格は低めで推移する。
   「たまねぎ」については、作付面積はほぼ前年並。生育は若干遅れ気味であったが、回復傾向。出荷量と価格については平年並に推移するであろう。
   「夏だいこん」については、作付面積は微増であり、生育は遅れていたが回復傾向にある。出荷も平年並。価格も若干下回ると見ている。特に夏だいこんについては、最近連作障害の傾向があるため、価格低下も起きてくる可能性もある。
 「秋にんじん」については、作付面積は前年並、生育も遅れていたが回復傾向にある。お盆明けには出荷量が増える。ただし、需要面については加工用の需要が増加傾向にあると見ているので、7月から8月にかけての価格は堅調に推移していく。
 「夏はくさい」については、今のところ漬け物需要が中心であると見ているが、そこへの出荷は前年並であろう。ただし、漬け物需要が減っている傾向があることから、価格が下回ってくる可能性は高い。いずれにしても、需給関係の計画性を高めておく必要がある。
 「夏秋レタス」については、作付面積は前年並に推移、生育状況も回復傾向にある。価格においては、8月は若干前年を下回る可能性があると見ているが、9月以降は前年を上回る可能性が高まる。
 これらの今後の見通しは、あくまでも気象条件などにあまり大きな変化はないということを前提にしている。

(4)最近の野菜の需給・価格の見通し

   「ほうれんそう」については、冬の旬の食材のため、夏は高くなる傾向にある。
 岩手の産地に聞いたところ、7月の雨により生育が遅れているということだった。また夏場はは種から1カ月程度で収穫出来るので、今後の天候次第である。
「ねぎ」については前年と大きな違いはない。
 茨城の産地では、気温も少し高めであり、雨が少なかった。夏場のねぎは露地栽培のものになり、4月の冷え込みによる生育遅れは回復している。
 出荷が遅れている原因として、雨が降るとほ場に入れなくなり、収穫が遅れているためではないかと見ている。梅雨明け以降は、出荷量自体は平年並になるのではないかと思われる。

(5)野菜の消費拡大等について

 野菜の消費拡大に関する各団体の取り組みについて報告の後、事務局より、協議会会員の情報共有および消費者への情報提供を目的に野菜需給協議会ホームページの新設を提案し、了承された。今後、できるだけ多くの消費者に見てもらえる身近で鮮度のいい情報提供をするとともに、野菜を知って食べることで消費拡大につがなるような内容の充実を図っていくこととしている。
 また、協議会会員・機構役職員を対象とした野菜セミナーについては、22年度第1回セミナー(平成22年4月27日)で「野菜の機能性(抗酸化力等)に関する研究について」をテーマに東京デリカフーズ株式会社経営企画室長有井雅幸氏による講演が実施された旨報告があった。
 今後、平成22年7月28日(水)に第2回セミナーの開催を予定しており、「植物工場の野菜~生産・流通・販売~」をテーマに(財)社会開発研究センター理事高辻正基氏および(株)九州屋住田野菜工房顧問阿部恒夫氏による講演が農畜産業振興機構で実施されることとなっている。
 さらに、今後の需給協議会の新たな展開として、協議会会員が直接野菜の産地に赴いて現地農協などと直接意見交換を行うことで、会員の野菜生産の実態についての理解の醸成を行うための現地協議会を開催する旨事務局より案内がなされた。
 平成22年9月2日(木)に、長野県南佐久地方で早朝からのレタス収穫、集荷場の見学や、現地農協などとの意見交換を予定している。

 次回の開催については秋冬野菜を対象に11月頃を予定。

 なお、配付資料および議事概要は当機構のホームページ(http://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000039.html)に掲載しておりますのでご参照ください。


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