野菜需給部 需給推進課
平成22年4月27日に東京デリカフーズ株式会社経営企画室長の有井雅幸氏をお招きし
て野菜セミナーを開催しました。
今回から「野菜需給協議会」の会員の皆様にもご参加いただくこととなり、皆さん真
剣に講義に耳を傾けていらっしゃいました。
講義の概要は以下のとおりです。
セミナーの様子
消費者が生鮮食品購入時に知りたい内容として、収穫した日付、利用した薬剤などと続く中で、栄養など健康に関わる情報やおいしさに直接関わる情報が挙げられています。
東京デリカフーズ株式会社は中間事業者として野菜流通に携わる中で、外観などの「規格」ではなく「野菜の中身評価」をすることで新たな需要拡大を目指しています。
野菜の中身評価として「栄養素」「嗜好性(おいしさ)」「生体調節機能」に注目し研究を進めていますが、今回は特に「生体調整機能」に着目し、科学的根拠を中心に研究内容を発表していただきました。
活性酸素はたばこ、アルコール、ストレスや紫外線によって増え、老化、日焼け、疾病を引き起こす原因と言われています。
米国ではORAC値(活性酸素吸収能力)を食品に表示しており、商品選びの指標としています。日本では、まだ、実現していませんが、AOU研究会(Antioxidant Unit研究会:食品の抗酸化力に対する統一した指標に関する研究の推進を目的としている)で抗酸化力に関する統一指標が検討されているとの報告がありました。
そのほか、土壌や季節によって野菜の成分が変化すること、旬の野菜は抗酸化力が高いこと、また、野菜の「中身評価」を商品に表示している海外の事例など、農業から食、健康まで幅広い内容に多くの参加者からご意見、ご質問をいただき、白熱した内容となりました。
また、「1日の野菜摂取量目標の350g」については、調理方法や野菜の重さによって異なるのでわかりにくいという意見や野菜工場について知りたいといったご意見が寄せられ、今後のセミナー運営に活用していきたいと思います。
○ 当日の資料につきましては、農畜産業振興機構のホームページに掲載いたしましたので下記URLをご参照下さい。
< URL > http://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000047.html
有井氏の講演の様子
東京デリカフーズ株式会社 経営企画室長 薬学博士
東京理科大学大学院卒(薬学博士)、財団法人癌研究会癌研究所(特別研究員)
キッコーマン株式会社(機能性食品グループ長)を経て、現職。
日本健康・栄養食品協会評議員、健康と食品懇話会副会長、食品安全委員会や厚生労働省のリスクコミュニケーションパネリスト等を歴任。
野菜ソムリエ、食生活アドバイザー。
生鮮食品での栄養/機能表示の具現化(保健機能食品等)や、調理科学を駆使した「食の美味しさと健康」を活かした企業経営を目指す。