最近の野菜価格の急騰を踏まえ、独立行政法人農畜産業振興機構は、平成22年4月16日に「野菜需給協議会幹事会」を開催しました。概要は次のとおりです。
【平成22年春野菜の需給・価格の動向】
2月以降の全国的な日照不足に加え、激しい気温の変動などにより、野菜の生育に大きな影響が生じている。これに伴い、一部の品目では平年の1.5倍近い水準となるなど、全般的に野菜の価格が高めで推移している。
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野菜価格は全般的に高値で推移しており、4月上旬は「キャベツ」の価格が対前年比102%、入荷量は同96.1%。「ねぎ」の価格が対前年比170.7%、入荷量は同94.5%。「たまねぎ」の価格が対前年比143.6%、入荷量は同92.9%。「レタス」の価格が対前年比115.4%、入荷量は同98.2%。そのほかにも「ほうれんそう」「なす」「ピーマン」「ばれいしょ」など野菜価格が前年と比べ上昇している。
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4月の野菜価格上昇の背景として、「日照不足」「気温の変動」が挙げられる。今後も低温が続けば、生育が遅れて、引き続き高値基調で推移する可能性がある。
今後天候が回復すれば、5月の中旬~下旬には、昨年並みに回復するのではないかと考えられる。
【農林水産省の対策の状況】
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気象庁の発表によれば、4月中旬以降も低温が続くことが予想されている。農林水産省は、4月13日付けで各都道府県に対して「寒害に伴う野菜等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」を発出し、被覆資材などによる地温の上昇、カーテンなどによる保温対策などの対応を求めたところである。
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本幹事会でのご意見を踏まえ、早急に対策を実施する。
【会議で出された主な意見】
・各幹事からは、
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寒いときは生産が遅れる一方、消費が伸びる傾向にあるので対策を迅速に講ずるべき。
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出荷や価格の見通しに関する情報を出していくことが価格の安定につながるのではないか。
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このような状況下で安売りの例が一部に見られるがその背後では誰かが苦労しているのではないか、このような情報も欲しい。
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早取りや規格外野菜の出荷を生産者にお願いしたい。
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販売者には販売方法の多様化をお願いしたい。
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行政には農家の支援や需給情報をきめ細かく提供願いたい。
・生産者団体からは
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今回の意見を踏まえ、安定供給に努めていきたいが、生産者も努力していることをご
理解願いたい。
などの意見があった。
(会議の様子)