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第9回 野菜需給協議会の概要について

野菜需給部 需給推進課



 独立行政法人農畜産業振興機構は、平成22年3月18日に第9回野菜需給協議会(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催した。
 本協議会では、直近の秋冬野菜の需給や価格の実情に関する報告の後、今後出荷が本格化する春野菜の需給や価格の見通しなどの情報の提供と意見交換、さらに、全国農業協同組合連合会および全国農業協同組合連合会千葉県本部より、主な産地の作柄状況などについて報告が行われた。
 事務局より、当協議会の今後の運営に関して、議論の軸足を野菜の消費拡大に移す旨の提案がなされ、委員からは、野菜消費の減退や若年層における摂取不足などの状況をふまえ、消費の底上げが必要との意見もあり了承された。
 また、消費拡大に関連する情報提供の一環として、東京デリカフーズ株式会社経営企画室長の有井氏より、「野菜の機能性(抗酸化作用)」に関する研究結果の紹介が行われ、今後も食べ方の提案など、野菜の消費拡大につながる情報提供に努める旨の説明が行われた。
 議事の概要は以下のとおり。

【21年産秋冬野菜の状況について】

 冬キャベツの入荷量は、年内は前年に比べて約2割増となった。年明け後、低温、干ばつ並びに昨年秋の台風18号の影響による褐変、小玉化により一転して入荷減となったが、全体としては前年を上回った。価格は、潤沢な入荷が長期間続いたことから全体として前年を大きく下回った。
 秋冬だいこんの入荷量は、年内は変動があったものの、全体としては前年並となった。
 価格については、年内は前年を約2割から6割も下回って推移したものの、年末年始の寒波の影響により、回復傾向となったが、全体としては前年を下回った。
 秋冬はくさいの入荷量は、年内は前年並みであったが、年明け以降、1月は低温の影響による小玉化から入荷は減少したが、2月に入ってからは収穫が進んだ結果、全体として前年並となった。価格は前年の約5割の水準を示すなど、期間を通じて低迷し、全体として前年を大きく下回った。
 たまねぎの入荷量は、期間を通じてほぼ前年を下回り、価格は、特に12月中旬以降は前年に比べて約6割から7割も高くなるなど、全体として前年を大きく上回った。
【この冬の気象および今後の見通し】
 今冬の平均気温は高めであったが、気温の変動が大きく、東日本の日本海側を中心に大雪となり、北日本では日照時間が少なかった。寒波と気温高を繰り返すなど、気温の変動が非常に大きかった点が異常であった。
 これは、20年ほど前に発見された北極振動によるものだが、この振動の周期が一定でない上に発生の仕組みがわかっておらず、気象庁の異常気象分析委員会で成層圏の気温が影響しているのではないかという見解が出されたが、その解明が今後の課題である。
 今後は「北冷西暑」、つまり北日本は気温が低く、西日本、南西諸島で気温が高いと予測される。

【22年産春野菜の需給・価格の見通しについて】

 春キャベツの作付面積は、愛知県産を中心に増えており、前年を上回る見込みである。価格は、4月は平年並みを維持するものの、5、6月は前年を下回ることが見込まれる。
 たまねぎは、北海道産の不作に伴い価格が高水準で推移したが、4月以降弱まるものとみられ、府県産は平年並みの出荷量を維持することを見込んでいる。

○全体の生産動向(全国農業協同組合連合会)

 春キャベツについては生育順調で前年を上回る。主力の神奈川県産と千葉県産は、4月20日から出荷が本格化する見通し。たまねぎについては、北海道産の貯蔵ものは少ないが、佐賀県産、兵庫県産の即売ものは順調である。特に佐賀県産は、肥大が良好で大玉傾向である。量的には前年を上回るのではないか。
 春だいこんは、関東産が生育順調で前年並み。春夏にんじんは徳島県産の肥大が進んでいるので前年ほど多くはないが、若干増える見通し。春はくさいも生育順調。春レタスは茨城県産、兵庫県産の生育は順調で予測通りの出荷を見込んでいる。

【全農千葉県本部による産地(銚子市周辺)の近況】

 当地域は海洋性気候を活用したキャベツ、だいこん、メロンの作付が多い地域である。農地面積の約8割が畑で、産出額もキャベツ、だいこんで農業生産額の半分を占める。作付面積はキャベツで東京ドームの370個分、だいこんで200個分にもなる。
 露地での作業が多く、天候によっては思うように収穫作業が進まず出荷をしたくても数量がまとまらないということもある。
 兼業農家数が平成7年比では減少している一方、専業農家中心に耕地面積は増えてはいる。販売が厳しい中で生産コストの上昇が重くのしかかっており、経営の安定が産地の課題である。今後は量販店などでのPRを通して消費拡大に心がけていこうと思っている。食べ方などについても色々なご意見をいただいて、産地の維持、消費拡大、また、安定供給に努めてまいりたいとの意向であった。

【野菜の消費拡大に向けた今後の協議会の取組方向】

 当協議会は、設立趣旨に基づき「国民に対する野菜の需給情報の周知」並びに「消費拡大の促進」を中心的なテーマとしているが、これまでは「野菜の需給情報を関係者が共有することの重要性」に鑑み「国民に対する野菜の需給情報の周知」に相当の重点を置いてきた。
 一方で、「消費拡大の促進」については、協議会としての機能を十分に活用するには至っていなかったことから、当協議会が有する機能や現在の消費拡大をめぐる状況を踏まえて、今後の協議会の取り組みの軸足を野菜の消費拡大に移したいとの説明を行い、委員から了承された。

【野菜の機能性(抗酸化作用)について】

 生鮮食品を購入する際に消費者が欲しい情報としては、栄養に関する情報、美味しさに関わる情報という調査結果が出ている。デリカフーズ株式会社では、野菜の機能性を大きく「抗酸化力」「免疫力」「解毒力」「酵素力」の4つに分けて研究を行っている。
 野菜を摂取する際に、旬のものを摂取するのがいいのか、生で食べた方がいいのか、調理した方がいいのか、生産、流通、保存方法はどうあるべきなのか、ほかの食品との食べ合わせはどう考えたらよいのか、実際の食生活はどうあるべきなのか、などさまざまな要因が関係してくる。そのような事情をふまえ、10年ほど前から栄養素の指標としてビタミンC、機能性として抗酸化力、美味しさの指標として糖度を基準として調査を行いデータを蓄積しているが、やはり旬の野菜の抗酸化力や美味しさ、栄養素が優れているとの説明があった。
 次回の開催については夏秋野菜を対象に7月頃を予定。

 なお、配付資料および議事概要は当機構のホームページ(http://www. alic. go. jp/operation/vegetable/stability-supplydemand.html)に掲載していますのでご参照ください。


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