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第8回 野菜需給協議会の概要について

野菜需給部 需給推進課



 独立行政法人農畜産業振興機構は、平成21年11月9日に第8回野菜需給協議会(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催いたしました。

 本協議会では、はじめに、本年の夏秋野菜の需給や価格の状況に関する報告の後、今後出荷が本格的に始まる秋冬野菜の需給や価格の見通しなどの情報の提示と意見の交換が行われました。続いて各団体から、それぞれが取り組んでいる野菜の消費拡大に関する活動について紹介があり、最後に座長から、この会議を通じて共有したさまざまな情報を、組織の内外に対して幅広く発信していくことや、一層の消費拡大への取り組みの促進が図られるよう呼びかけがありました。

 概要は次のとおりです。

【21年産夏秋野菜の状況について】

 事務局から、前回の協議会で報告した21年産夏秋野菜(夏秋キャベツ・夏秋レタス)の需給・価格の見通しと実績の比較を行った結果の要因についての説明が行われた。

 併せて7月21日に、はくさいなどの価格低落を受けて、野菜需給協議会幹事会が開催され、緊急需給調整が実施された経過、また8月11日には一転して、たまねぎなどの価格の高騰を受けて再び幹事会が開催され、その場で出荷促進の要請が農林水産省から出荷団体に対して手交された経過、並びに、要請に基づき出荷団体が実施した対策の結果が報告されました。


【今年の夏の異常気象について】

 さらに、この夏の野菜価格の乱高下をもたらした異常気象の要因について、株式会社ウェザーマップから、今年の7月から8月にかけて、北日本を中心に日照不足であったことや、沖縄を除いて全般的に多雨傾向となった背景には、この夏急に発生したエルニーニョ現象が大きく関係している、また、2010年1月にかけても高温傾向にあることなどの説明がありました。

【21年産秋冬野菜の需給・価格の見通しについて】

 事務局から、第5回野菜需給・価格情報委員会(10月29日開催)の報告に基づき、冬キャベツ・秋冬だいこん・秋冬はくさい・たまねぎの需給・価格の見通し、併せて冬レタス・秋冬にんじんの需給・価格の動向が以下のとおり報告されました。

 たまねぎは夏場の天候不順により、生育不良であり、出荷は大きく前年を下回る見込み。

 そのほかの野菜については、年内は生育が順調であるため、出荷は前年並又は前年を上回る見込み。年明け以降のキャベツ・だいこん・はくさいは、台風18号の影響により、不作であった前年並の出荷になる懸念があるが、にんじん、レタスについては生育順調であり、前年を超える出荷が見込まれるとの報告となりました。

 続いて、秋冬野菜の主産地の生産出荷団体(JA全農本所、ホクレン、JA全農いばらき、JA全農ちば、JAあいち経済連、JA香川県)より、代表的な産地の生育・出荷の見通しについて、詳細な説明が行われました。

 また、小売団体より、小売業界の現況として、景気悪化の中ですべてのカテゴリーで販売不振が続いている中、野菜は食品部門においても、比較的堅調であるとの説明がありました。さらに、「お客様の懐は、必要な物を、必要な時に、必要なだけ」という傾向が強くなっている旨報告がありました。

【当面の野菜関係の取組について】

 関係会員団体が予定している、野菜の消費拡大に向けた当面の取り組みなどについて、それぞれの団体から説明がありました。主な取り組み内容は以下のとおりです。

(全農)

○ 5月5日の子供を対象とした「JA全農チビリンピック2009」会場においての試食宣伝、8月2日の「キャベツの無償配布」、8月29日に開催したららぽーとTOKYO BAYをはじめとする「やさいの日」の全国一斉取り組みなどファミリー層向けの活動を行った。

 今後の予定としては、小学校の出前出張に対する協力や大学生向けの特別授業として、筑波大学においてセミナーを企画している。

 また、学食での鍋メニューの提供や実習なども計画している(東京農業大学ほか)。

(日本栄養士会)

○ 野菜の日である8月31日に開催した「野菜を食べよう-メタボ撲滅-シンポジウム」には、台風が首都圏を直撃したにもかかわらず、多数の来場があった。服部栄養専門学校理事長服部幸應氏による「私の健康づくりと野菜」をテーマにした講演と日本栄養士会会長中村丁次氏、国立がんセンター予防研究部長津金昌一郎氏、大妻女子大学教授池上幸江氏、秦野市こども健康部健康づくり課管理栄養士深川やよい氏による「野菜の機能性と生活習慣病予防」についてのシンポジウムを開催した。

 来場者のアンケート結果では、サプリメントの過剰摂取に気をつけ、野菜をもっと食べていきたいという感想が寄せられ、今後も参加者の意識改革に役に立つ情報提供をしていきたいと考えている。

(青果物健康推進協会)

○ 農水省の「鍋ほかプロジェクト2009」に協力し、首都圏の大学生に鍋料理を通じた野菜の摂取をPRするとともに、小学校での授業を通して食育を普及している。

 今後は、企業の健康管理部門と協力し、野菜摂取に積極的に取り組む企業などを事例に研修会を予定している。

 野菜の産地廃棄を減らす目的で「Emergency Vegetables Support Team」を発足させ、2年以内に1000人規模までメンバーを増やし、供給過剰時のレシピの提案などをwebにより情報発信していく計画である。

(ファイブ・ア・デイ協会)

○ 量販店を中心として87企業にご協力いただき、小学生を対象に食育体験学習を総合学習の授業の中で行っている。併せて、ご家庭の野菜摂取がどうなっているのかを調査しており、3月には結果報告ができる予定。

 企業7社の従業員食堂において、給食事業者と連携して健康相談デーを実施している。男性の多い企業、女性が多い職場など属性別に分析して調査を実施中。

(農林水産省)

○ 農林水産省では、本年10月から翌年3月にかけて「鍋ほか推進プロジェクト2009」を実施中。鍋料理は一人当たり200から250グラムの野菜を消費できるという調査結果も出ており効果的に野菜を摂取できるメニュー。

 今年度は、参加企業に協力いただき「鍋ほかソング」も作成。

 農林水産省のHPから自由にダウンロードできるので売り場などで流していただき、統一マークとともに販売促進活動に利用してほしい。

 次回の野菜需給協議会の開催は、春野菜を対象に3月頃を予定しております。

 なお、配付資料および議事概要は当機構のホームページ(http://www.alic.go.jp/operation/vegetable/stability-supply-demand.html
に掲載しておりますのでご覧下さい。


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