[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

機構から


平成21年度第2回加工・業務用野菜産地と実需者との交流会(10月8日大阪開催)の概要について

野菜業務部 契約取引推進課



 本年10月8日に「平成21年度第2回加工・業務用野菜産地と実需者との交流会」をマイドームおおさか(大阪市)にて開催した。

1 交流会の概要

 今年度2回目の交流会は、台風18号の影響を受けて6団体が参加を見合わせたものの、生産者団体12団体、農業生産法人11団体、種苗会社11団体、流通業者5団体、野菜ビジネス協議会8団体および行政機関4団体の計51団体からの出展が行われた。

 また、本交流会から、青果物のカット事業者や流通事業者などを会員とする「野菜ビジネス協議会」と共催することとした。

 台風通過直後の悪天候にも関わらず400名を超える来場者があり、野菜産地および実需者による活発な情報交換が行われた。

 交流会の開催に当たり、当機構の木下理事長から「本年は、生育期の天候不良から8月に入りたまねぎ、にんじんなどを中心に価格が上昇したことから生鮮野菜の輸入が増加している。また、経済情勢の悪化で消費者の低価格指向が一段と強まり、再び価格の安い輸入野菜の需要が増加する気配もある。しかし、今後とも国産の加工・業務用野菜への積極的な取り組みが重要である」とのあいさつが行われた。

 また、近畿農政局生産経営流通部の藤沢次長からは、「農林水産省では、食料自給率を高めるため、加工・業務用需要に対応した生産体制の確立を重要な課題として位置づけ、本年度から国産原材料による加工・業務用需要への対応指針を策定し、生産体制の整備、安定的なサプライチェーンの構築支援など取り組んでおり、国産の原材料供給力を拡大し、活用の途を広げることが重要である。」とのあいさつをいただいた。





2 出展者の展示内容

 ① 生産者団体

 各ブースで、多くの加工・業務用向け野菜の現物、実際出荷する際の荷姿による展示が行われ、実需者に対して、担当者から栽培方法、規格、出荷時期などを丁寧に説明する様子が随所で見られた。

 JA全農福島県本部のブースでは、取扱品目、生育ステージ、出荷規格などが一目で分かる一覧表を提示しながら、実需者と商談する姿が見られた。同県本部の担当者によると「県内3カ所にパッケージ施設があり、実需者からの要望に応じた商品を生産している。さらに、農商工連携による地場野菜の加工品の開発・販売に乗りだすなど、加工・業務用向け野菜の生産を拡大していく」とのことであった。

 ② 農業生産法人

 夏場に出荷可能なほうれんそう、電子レンジで簡単に調理できるさつまいも、加熱すると甘み・旨みが増すトマト、オレンジや紫のミニトマトなど、特徴のある野菜が展示されていた。また、その野菜の調理方法などを熱心に聞き入る実需者の姿が見られた。

 ③ 流通業者

 今回の交流会では、実需者が求めるニーズと出荷時期、地域、価格などのマッチングに取り組む中間流通業者が多く出展された。

 中間事業者がコーディネイトすることで九州から北海道までの産地リレーにより周年供給体制が可能になった事例やこだわりをもって生産した野菜を包むパッケージに工夫をこらした商品の紹介などが見られた。

 今後、これまでの産地間競争から産地間連携へと意識を変化させることが重要で、そのことにより安定的に実需者ニーズにも対応した野菜の供給ができると考えられる。

 また、当機構の補助事業「野菜原価提示型販売・取引手法導入実証事業」を実施している中九州青果株式会社では、くまもととくさんクラブが生産する野菜について、商品の生産・流通原価を提示した商談を行っていた。

 ④ 野菜(植物)工場

 今回の交流会より、レタスなど葉物を中心に生産する野菜(植物)工場3社が新たに出展された。実需者に対して、生産する野菜の特徴などについて熱心に説明されていた。

 ⑤ 種苗会社

 各社のブースでは、加工に適した品種や歩留まりのよい品種など多くの野菜が展示されていた。

 中では、果肉部分が通常の生食用より多いトマトや市販の2倍もある20センチを超えるジャンボピーマン、500グラムを超える寸胴の大型にんじんなどが見られた。

 ⑥ 中間事業者

 本交流会から共催した「野菜ビジネス協議会」のコーナーでは会員7社が出展をした。各社、それぞれにパック詰めをした色とりどりの商品を紹介していた。

 中間事業者が参加したことで、これまでの外食・中食業者等の実需者との交流だけでなく、生産サイドの方々も野菜のカットを行う中間事業者である協議会会員と相互で情報交換を行うなど、活発なやりとりが見られた。また、参加された会員の方から、多くの生産者と情報の共有ができたと、好評をいただいた。



3 来場者の声(来場者アンケートより)

 来場者アンケートの結果では、「役に立った」との回答が95.5%と高い評価をいただいた。

 具体的なご意見としては、「地域の伝統野菜や新しい野菜を知ることが出来た」「新しい取引先が見つかった」「生産者だけでなくカット業者などにも出会えた」「産地リレーの情報と現地の情報が入手できた」「JA関係者などと直接情報交換ができた」などであった。

 また、「今後、出展者に提案して欲しい商品」という問いには、「業務用として契約できる商材」「生鮮カットサラダや蒸し野菜用素材」「伝統野菜、地場野菜」「料理に合わせた商品の提案」「野菜は季節性があるため、交流会時期に展示する商品以外の商品も知りたい」などのご意見をいただいた。

 なお、アンケート結果の概要は、当機構のホームページに掲載している。
 http://www.alic.go.jp/content/000011401.pdf

4 今後の開催について

 国内で消費される野菜の55%が加工・業務用であり、すでに家庭用消費を上回っており、このうち3分の1を輸入に依存している。このため、国内産地の加工・業務用需要対応を強化するとともに、生産者、中間事業者、食品製造事業者などが一体となり、生産から消費までの一貫体制を築いていく必要がある。この交流会が今後ともその一助となれば幸いである。

 当機構としては、今後とも、出展者、来場者双方のご意見を踏まえ、加工・業務用需要に安全・安心な国産野菜の利用の促進を図ることを目的に、継続的に生産者と食品メーカー、外食産業、流通業者など実需者との交流・商談の場としての交流会を開催する予定である。

「平成21年度第4回加工・業務用野菜産地と実需者との交流会」の予定

開催日時:平成22年1月29日(金)
開催場所:名古屋市熱田区熱田西町1番1号「名古屋国際会議場」

〈問い合わせ先〉
独立行政法人農畜産業振興機構 野菜業務部 契約取引推進課 前川、川口、前田
TEL:03-3583-9817、FAX:03-3583-9484
http://www.alic.go.jp/operation/vegetable/stability-exchange.html

(参考)
第2回加工・業務用野菜産地と実需者との交流会出展者一覧 (順不同)

【JA全農/農協】
 JA全農福島、JA全農ぐんま、JA全農長野、JA遠州中央、JA全農いしかわ、JA全農兵庫、JA和歌山県農、JA全農えひめ、高知県園芸農業協同組合連合会、JAさが、JA全農おおいた、JA宮崎経済連

【生産法人】
 (株)昭和村農園、ミスズ産業、(農)忍の里、(株)スプレッド、こと京都(株)、(株)ニューふぁ~む21、(有)しものファーム、(株)みらくるグリーン、日亜物産(株)、西地食品(有)、(有)遠赤有機農園

【流通業者】
 大阪中央青果(株)、東果大阪(株)、田辺中央青果(株)、(株)クロスエイジ、中九州青果(株)・くまもと とくさん クラブ

【種苗会社】
 (株)渡辺採種場、トキタ種苗(株)、雪印種苗(株)、みかど協和(株)、日本デルモンテ(株)、パイオニア エコサイエンス(株)、(株)サカタのタネ、タキイ種苗(株)、丸種(株)、(株)大和農園種苗販売部、ナント種苗(株)

【行政・試験研究機関】
 いしかわ戦略作物プロジェクト、FOOD ACTION NIPPON推進本部事務局、近畿農政局、農畜産業振興機構

【野菜ビジネス協議会】
 野菜ビジネス協議会、(株)アイスクウェア、MCプロデュース(株)、サンポー食品(株)(桂工場)、(株)三晃、(株)誠孝、(株)清浄野菜普及研究所、大阪デリカフーズ(株)


元のページへ戻る


このページのトップへ