野菜需給部 需給推進課
最近の野菜価格の上昇を踏まえ、平成21年8月11日に独立行政法人農畜産業振興機構にて「野菜需給協議会幹事会」を開催しました。概要は次のとおりです。
○ 冒頭、農林水産省から全国農業協同組合連合会に対して、野菜の供給確保についての協力を要請する文書が手交された。
○ 東京都中央卸売市場のデータをみると、7月以降、野菜の入荷量は減少し、野菜価格が全般的に上昇している。
価格高が顕著な野菜では、「ばれいしょ」の価格が対前年比139%、入荷量は同95%。「たまねぎ」の価格が対前年比147%、入荷量は同88%。そのほかにも「きゅうり」「トマト」「なす」「ピーマン」といった果菜類で同様に入荷量が減少し、前年と比べ価格は上昇している。
○ 7月の入荷量減少の背景として「日照不足」「多雨」が挙げられる。この時期、野菜産地は西日本・関東平野部から、東北・北海道および関東高冷地に移動するが、天候不順により関東産の出荷に影響が出たほか、東北・北海道など後続産地の生育遅れにより、7月の出荷量が例年より減少し、全体的に供給不足となっている。
○ 今後の見通しについては、9月以降「ばれいしょ」「たまねぎ」などは北海道産が、「きゅうり」「トマト」などは関東産の出荷が本格化するが、生育・収穫の見込みは8月後半の天候次第。
○ 農林水産省より、野菜の供給確保に向けた取り組みの状況について説明が行われた。併せて「日照不足」「多雨」「低温」など天候不順の被害を最小限に抑えるための予防対策を進めている旨の説明も行われた。
○ その他の議題として、全国農業協同組合連合会より、7月下旬に実施したはくさいの緊急出荷調整の実施状況について報告が行われた。
○ 供給確保の具体的な方策として「通常出荷されない野菜(曲がったきゅうり、小玉のキャベツなど)の出荷促進」を助成する事業に対し、委員から「通常出荷されない野菜は、生産量のどの程度の割合になるか」との質問がされた。
この質問に対し別の委員からは「統計上、生産量と出荷量の乖離は約10~15%くらいあり、おそらくこの幅の中に“通常出荷されない野菜”が含まれるだろう。ただし、品目・時期・作柄によって大きく変動する」との回答があった。