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平成21年度第1回「加工・業務用野菜産地と実需者との交流会」(東京)の概要について

野菜業務部 契約取引推進課



◆ はじめに

 「加工・業務用野菜産地と実需者との交流会」を平成21年7月2日に東京都立産業貿易センターで開催した。

 平成18年度から開始し今年で4年目となる本年度の交流会は「ニッポンの食を担う国産野菜」をテーマに、食料自給率向上に向けた国民運動「FOOD ACTION NIPPON」と連携を図り、国産野菜の魅力と産地情報を実需者に提供することを通じて野菜産地と実需者の新たな契約取引の実現を目指して開催した。

 今年度第1回目の開催となった本交流会は、出荷団体、農業生産法人、種苗会社、流通業者および行政研究機関などから59団体が出展し、雨天にも関わらず来場者数は600名を超え、マッチングセミナーでは立見が出るなど盛況を呈した。

 交流会の開催にあたり、当機構の木下理事長から「昨年は輸入食品の安全性に関し、実需者の方々の国産野菜のニーズが高まった。その一方で、最近の経済環境の悪化に伴い消費者の低価格志向が高まり、4月の生鮮野菜の輸入数量は前年同月比で32カ月ぶりに増加に転じ、5月も増加傾向となった。国産野菜をめぐる状況が変化する中で、さらなる加工・業務用野菜への取り組みが必要になる」とのあいさつが行われた。

 また、農林水産省生産局生産流通振興課の菱沼流通加工対策室長からは「農林水産省では、今後の野菜政策を検討する上で加工・業務用需要に対応した生産体制の確立を重要な課題として位置づけ、平成21年度から国産原材料供給力強化対策事業を予算化させ、産地から実需者までの一貫した供給連鎖の構築について推進し、今後とも積極的に加工・業務用野菜の生産拡大の推進に取り組んでいきたい」とのあいさつがあった。

1 交流会の概要

 今回は58団体の出展があったが、特に農業生産法人が積極的に出展していることが近年の傾向である。

 種苗会社のブースでは、近年需要が高まりつつあるミニ野菜として、手のひらサイズのはくさいや長さ10センチ程度のきゅうりなどに注目が集まった。また、生で皮ごと食べられる黄色いかぼちゃコリンキーや炒め物に向いた細長いなす、果皮が白いきゅうりなど新顔野菜も紹介された。

 生産者団体のブースでは業務用野菜が展示され、栽培方法、規格、出荷時期などについて来場者と商談する姿が見られた。近年、需要が高まっている夏場のいちごやカラフルなピーマン、レストランで人気のトレビス、熟しても赤くならないトマトなど特色のある野菜の展示に来場者も注目していた。

 また、各ブースの試食コーナーでは工夫をこらしたメニューが並び、調理方法などを聞き入る姿も見られた。

 出展者によるショートプレゼンテーションでは16団体がパワーポイントや野菜を持ちよりPRを行った。食の安全・安心からトレーサビリティーへの取り組みやGAPの導入などが紹介され、特に若い生産者の意気込みや新たな取り組みの提言に注目が集まった。



ミニ野菜

業務用野菜


積極的にPRする出展者



赤くならないトマト

袋づめされた3色のカラーピーマン

2 マッチングセミナー

 今回のマッチングセミナーでは、外食産業研究の中心人物として活躍され、現在は宮城大学食産業学部准教授の堀田宗徳氏とフードアクションニッポン応援団で雑穀・野菜料理研究家として活躍中の王理恵氏を招きセミナーを開催した。

 堀田氏は「成熟期の外食産業における国産野菜戦略」と題し、食全体のなかで外食・中食が大きなウェイトを占めている中、健康志向から野菜の需要が増えている現状について解説があった。また、外食の国産野菜戦略として、健康をイメージするサラダや野菜を使用したメニューの開発や、「地産地消」メニューとして、全国同一ではなく地方の特産品野菜を実需者に情報提供してはどうかとの提言があった。

 王氏からは、ご家族の闘病生活を通して「食」の重要性に気づいたというご自身のエピソードも交えながら、健康と野菜の関係を中心に「野菜の魅力」について話しがあった。また、フードアクションニッポンのブースでは王氏自身のレシピによるトマトベースのドレッシングと(株)サラダクラブ提供のカット野菜を使用した野菜サラダおよび雑穀サラダが振る舞われ多くの来場者が集まった。(マッチングセミナーの講演録については、当機構のホームページ掲載。)



消費者ニーズを踏まえた
外食・中食戦略を提言

「食」の重要性について
体験談を交えて語る




FOOD ACTION NIPPON応援団の王理恵氏

3 出展者および来場者の声

①出展者の声

  • この交流会で他県の産地と情報交換することができ、産地間のつながりを作ることができた。
  • 何度か出展しているが、このところ商談がまとまるようになってきた。継続することに意味があるのだと今回特に感じた。

 などのご意見をいただいた。

②来場者アンケートより

 来場者アンケートでは「役に立った」との回答は93.3パーセントで、特にマッチングセミナーや種苗会社の新顔野菜、産地による加工品の取り組みなどの情報への評価が高かった。また、JA関係者などと直接情報交換ができた、新たな取引ルートが確立できたなどのご意見もいただいた。

 また、今後交流会で取り組んで欲しいテーマとしては、①伝統野菜と新顔野菜の紹介②加工野菜(カット、冷凍、乾燥)③野菜の栄養について④業務用レタスやスライス用トマトについての情報提供などを望む声があったほか、実需者がどのような野菜(商品・時期・価格など)を求めているかを知りたいという産地側からの意見もあった。

◆ さいごに

 出展者および来場者双方の意見を踏まえ、今後とも輸入野菜が多く使われている加工・業務用野菜に安全・安心な国産野菜の利用の促進を目指し、継続的に生産者と食品メーカー、外食産業、流通業者など実需者との交流・商談の場としての交流会を開催する予定である。

平成21年度 加工・業務用野菜産地と実需者との交流会 第2回大阪会場
日時:平成21年10月8日(木) 場所:マイドームおおさか1階
第3回東京会場
日時:平成21年11月17日(火) 場所:東京都立産業貿易センター浜松町館4階
(第3回交流会は、JFバイヤーズ商談会2009と同時開催)
第4回名古屋会場
日時:平成22年1月29日(金)場所:名古屋国際会議場


〈交流会に関する問い合わせ先〉
野菜業務部 契約取引推進課
(前川・川口・吉田)
TEL 03-3583-9818
FAX 03-3583-9484


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