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機構から


野菜需給協議会の概要について

野菜需給部 需給推進課



 独立行政法人農畜産業振興機構(以下「機構」)は、3月16日に「第6回野菜需給協議会」(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催いたしました。

 機構が事務局となって3回目の開催となる今回の野菜需給協議会では、はじめに秋冬ものを中心とした20年産野菜の需給・価格をめぐる概況と今後出荷が本格化する21年産春野菜の需給・価格の見通しの報告が行われました。続いて、話題提供として「別冊すてきな奥さん」(株式会社主婦と生活社)編集長の西片尚樹氏から、20代~30代を中心とした主婦の野菜に関する関心事項の紹介が行われ、関係団体からは、野菜をめぐる最近の動きについて報告が行われ、最後に出席者による意見交換が行われました。概要は次のとおりです。

【20年産野菜の概況について】

 事務局から、20年産野菜の需給・価格をめぐる概況について、20年度は夏場に価格が低迷したことにより、二度の緊急需給調整(8月のだいこん、9月のキャベツ)を実施したこと、その際「野菜需給協議会幹事会」を開催して会員から各方面へ野菜の消費拡大への取り組みを働きかけたことなどの報告が行われた。続いて20年産秋冬野菜(冬キャベツ、秋冬だいこんおよび秋冬はくさい)の需給・価格の見通しと実績の比較を行い、結果の要因について説明を行った。


【21年産春野菜の需給・価格の見通しについて】

 事務局から、2月27日に開催した「第3回野菜需給・価格情報委員会」の議論を踏まえ、春野菜(春キャベツ、たまねぎ)の需給・価格の見通しについて、「生育は順調であるが消費全体の低迷により安値基調の見通し」との説明を行い、併せて同委員会における主な意見を紹介した。続いて春野菜の主産地の生産出荷団体(全農本部、全農千葉県本部、全農徳島県本部、佐賀県農協)から、21年産春野菜の生育状況について「生育は概ね順調で出荷量は平年並か平年をやや上回る見込み」との報告が行われた。

【最近の野菜の生産・流通・消費をめぐる動きについて】

 また、話題提供として、株式会社主婦と生活社編集長の西片尚樹氏から、20代、30代の主婦を対象とした情報誌を編集している立場から、最近の主婦の野菜に関する購買の傾向として、以下のような主婦の関心事項の紹介が行われた。

  • 主婦の間では、食へのこだわりや健康志向から、野菜に対する関心が高い。
  • 旬の野菜や伝統的な食のスタイルを取り入れやすい和食がブームとなっている。
  • 不景気の影響で「うち食」(家庭で食べる食事のこと)の傾向が高まり、主婦にとって「安心・安全」に加えて「節約・使いきり」も大きなテーマとなっている。

 その後、意見交換の場で、各委員から最近の野菜の生産・流通・消費をめぐる動きについて意見交換が行われ活発な議論が交わされた。主な意見は以下のとおり。

  • 最近の消費動向調査によると、食料品についても経済性重視の傾向にあり、低価格化や節約が野菜の販売に及ぼす影響を懸念している。
  • 春キャベツはやわらかくて一年のうちでも特に美味しい時期のキャベツであるなど、春キャベツや春のたまねぎなどの春ものに特化したレシピを考えてほしい。
  • 消費者は安いものに走り、生産者のことを考えていないと言われがちだが、書店で野菜に関する実用書が売れているのは、消費者が野菜に関心がある証しである。
  • 大家族が少なく、一人世帯あるいは二人世帯の多い昨今では、使いきりの観点からも2分の1や3分の1カットの野菜など、使いきれる量で買える方が便利で、廃棄を出さないという意味でも良いのではないか。
  • 2分の1、3分の1カットという売り方のメリットも分かるが、生産者サイドとしては、自信を持って作った野菜を消費者にたくさん食べて欲しい。
  • 今週から、春キャベツのキャンペーンをスタートさせるが、産地を取材し、産地を思い浮かべながら食べてもらえるような仕掛けを考えている。
  • 冷凍食品向けに国産野菜の需要が拡大する動きも一部にはあるが、コスト面の問題から、中国における品質管理体制をしっかりさせて中国産の信頼回復を図る方向である。
  • 本協議会はこの場で何か結論を出すことが目的ではなく、関係者で現況の把握あるいは情報の共有を図り、これからの消費拡大に役立てることを目的としている。この場の議論を参考に、今後それぞれの分野で消費拡大に向け活動してほしい。

 野菜需給協議会の次回の開催については夏秋野菜を対象に7月頃を予定しています。

 なお、配付資料及び議事概要は当機構のホームページ(http://www.alic.go.jp/operation/vegetable/stability-supply-demand.html)に掲載しておりますのでご参照ください。


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