野菜需給部 需給推進課
7月中旬以降、夏野菜の価格が著しく下がり、市場隔離の実施が懸念される状況となったため、独立行政法人農畜産業振興機構では、急遽7月30日に野菜需給協議会幹事会(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催いたしました。(緊急時には、幹事会の決定をもって協議会の決定に代えることができることになっており、今回は、その主旨に基づいて野菜需給協議会幹事会が開催されました。)その概要は以下のとおりです。
去る6月30日に開催しました野菜需給協議会では、主要な野菜の需給・価格動向について、おおむね前年、平年を上回って推移していることを報告しました。その後、7月に入り東北・北海道などの主力産地の生産・出荷が順調である一方、気温の上昇等により消費が停滞し、価格も著しく低迷する状況となりました。
今回の野菜需給協議会幹事会では、事務局から直近の需給状況、特に夏だいこん、夏はくさいおよび夏秋レタスの価格が平均価格(過去9年間の卸売市場の平均価格)を著しく下回る状況となっている等を報告し、生産出荷団体からこのような価格では上記品目の一部について出荷するほど赤字になるものも出てきており、近々市場隔離に踏み切らざるを得ない状況となっていることを報告しました。
このような状況について、幹事会では市場隔離もやむを得ないとの認識で一致するとともに、野菜の需給動向や野菜の健康面での優れた機能のPRなど消費拡大活動を推進していくための野菜需給協議会としてのメッセージを出すことを確認しました。
併せて、事務局より機構から「夏野菜の消費拡大にご協力を」と題し、国民に幅広く夏野菜の消費拡大にご協力を得るため、7月29日にプレスリリースした旨報告をいたしました。
なお、会議の詳細、配布資料等については、当機構のホームページ(http://vegetable.alic.go.jp/jukyu.htm)に掲載しておりますので、ご参照ください。
野菜の消費拡大活動の推進について
平成20年7月30日
野菜需給協議会
※ 野菜には水分が多く、熱中症対策や脱水症状の予防にもなります。さらにビタミンやミネラル、食物繊維、機能性成分が豊富で野菜をたっぷりと食べることで体調を整えやすくなります。
“夏野菜”の消費拡大にご協力を!
夏野菜の卸売価格が低迷しています。特に、だいこんについては、最近の好天により入荷量が多くなる一方で、気温が高く推移していることから、消費が減退しており、安くても売れないという状況になっています。
生産者にとって、このような低価格が続けば出荷するほど赤字となることから、価格の回復を図るため、大変つらく「もったいない」ことですが、土壌還元を含む出荷調整を要請する声が大きくなっています。
とりわけ、今年は現在原油高により、輸送コスト、出荷ダンボール価格、化成肥料の価格などが上昇し経費が例年より多くかかっており、さらに深刻な状況にあります。
是非、価格の手ごろなこの時期に、家庭でもう一皿夏野菜を使った料理を加えていただき、家族の健康のため、そして野菜の安定した生産のため、消費の拡大にご協力お願いします。
(参考)
野菜需給協議会とは、野菜がとれ過ぎて価格が暴落した際に価格の回復のために行っている野菜の土壌還元などの緊急需給調整に対する「もったいない」との声を受け、関係団体が連携して野菜の消費拡大や有効利用を図るために設置された会議です。