野菜需給部需給推進課
独立行政法人農畜産業振興機構(以下「機構」)は、6月30日に野菜需給協議会(座長:中村靖彦東京農業大学客員教授)を開催いたしました。
野菜需給協議会は、野菜の産地廃棄に対する各方面からの「もったいない」などの批判に対応するため、平成19年5月に設置されました協議会(設置時「野菜需給調整協議会」)。野菜の生産、消費、流通等の関係団体、学識経験者を構成員とし、生産者、消費者等に対する需給状況の周知や価格低迷時の消費拡大への取り組みなどを通じて、広く国民全体に野菜の需給安定の重要性について、理解を深めてもらうことを目的としています。
今回の協議会では、規約の改正、最近の指定野菜の需給・価格動向、夏秋野菜の生産・出荷動向、消費拡大への取り組み、平成19年度の緊急需給調整の実施状況について説明・報告を行い、意見交換が行われました。概要は次のとおりです。
【規約の改正】
「野菜需給調整協議会」の名称を「野菜需給協議会」に改正するとともに、協議会の運営事務局を「農林水産省生産局園芸課」から「機構」とするほか、協議会の目的である需給情報の充実を図るため、機構に「野菜需給・価格情報委員会」を設置するなどの規約改正案が了承された。
【最近の指定野菜の需給・価格動向】
機構から、平成20年4月から6月中旬における東京都中央卸売市場における卸売数量・卸売価格の動向として4月~5月は全国的に寒暖の変化が大きく、真夏日もあったものの、総じて入荷量、価格ともに平年並みに推移したが、6月に入り入荷量が前年を下回り、価格も前年及び平年を上回って推移したことなどを報告した。
【夏秋野菜の生産・出荷動向】
夏秋野菜の主産地である生産出荷団体(全農本部、ホクレン、全農群馬県本部、全農長野県本部)から、生育はやや遅れ気味ではあるが出荷時期に影響はなく、概ね平年並みの出荷量が見込まれるとの報告があった。
【消費拡大への取組】
各生産出荷団体から、野菜フェアなどイベントへの参加・PR活動、量販店等での試食宣伝、小学校への野菜栽培指導や収穫体験を通じた食育など消費拡大への取り組みについて報告があった。
また、NPO法人青果物健康推進協会から、野菜消費を喚起させる新たな取り組みの平成20年度夏野菜プロジェクトについて、「冷房ほどほどクールベジ」のキャッチコピー、簡単でユニークな夏らしい野菜のメニューの提案の報告があった。
【平成19年度の緊急需給調整の実施状況】
機構から本年2月、新たな「緊急需給調整フレーム」が策定後、初めての市場隔離である九州地域での実施状況を報告した。また、生産出荷団体から収穫適期が短く貯蔵もきかない野菜の品質特性から有効利用も一定の限界があり、また市場隔離の実施は価格動向を見極め、機動的な対応が必要であるなどの意見が出された。
消費者代表委員から、これらの意見に対し理解が示されるとともに、価格が大幅に低下した際には再生産も困難になりかねないといった産地サイドの情報をもっと消費者に提供すべきではないかなどの意見が出され、生産者・消費者の情報共有の重要性が確認された。
【その他】
その他、消費者委員、生産出荷団体などから、地産地消、食育を通じた国産野菜の消費拡大の取り組みの重要性、消費者の理解促進のための野菜生産の実態等を明らかにする必要があるなどの意見があった。
機構から、協議会の開催方法について原則として年3回とすることとし、次回については秋冬野菜を対象として11月に開催する予定であることを提案し、了承を得た。
なお、配付資料及び議事概要は当機構のホームページ(http://vegetable.alic.go.jp/jukyu.htm)に掲載しておりますので、ご参照ください。