機構から
東京都中央卸売市場における入荷量・価格および輸入の動向
調査情報部 調査情報第二課
10月は北日本を除き、平年に比べて全般的に気温が高い日が続いた。また、10月中旬の日照時間は、東日本の日本海側および西日本、南西諸島で平年を大きく上回り、降水量も特に北日本の太平洋側で平年の４倍以上にも達し、全般的に野菜の生育に適した気候であった。
10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が13.8万トン、前年比101.4％、価格が189円/kg、前年比99.8％となったが、気候が安定したことから下旬にかけて入荷が増え、安値傾向で推移した。
品目別の価格動向をみると、にんじんは終盤を迎えた北海道産が生育不良だった影響から、上旬は引き続き高値で推移したが、後続の関東産の生育が順調であったことから、下旬には価格が落ち着いた。さといもは９月の気温が低く残暑が短かったため、旬を迎えたものの入荷が伸びず高めで推移した。トマト、なすなどの果菜類は西南暖地の入荷も始まり、下旬以降は安値傾向となった。
キャベツ類は千葉産への切り替わり時期だが、長野や群馬などの高冷地産の入荷が引き続きあったことから価格を下げた。ねぎは青森県から関東産へ切り替わり、入荷は潤沢であるが、中国産ねぎに残留農薬の検査命令が出たことから国産へ切り替える業者が相次いでおり、価格は平年並みとなった。
また、天候の回復によりほうれんそう、レタスなども豊作であり、だいこんやはくさいなどの重量野菜も肥大が良好で、平年に比べても安値で推移した。
東京都中央卸売市場速報の動向（10月速報・一部抜粋）
注：平年比は過去５カ年平均との比較
注：平年比は過去５カ年平均との比較
（２）輸入動向（平成18年９月 速報値）
平成18年９月の野菜輸入量は、前年同期比90％の195,716トンとなった。
生鮮野菜では、天候の回復から出荷も順調に行われ国内の野菜価格が落ち着きを見せたことから、前月まで輸入が多かったにんじんが対前年同期比90％の7,700トン、ねぎが対前年同期比96％の5,913トンとなった。また、たまねぎは主力の中国が播種時期の大雨で作付け減になった影響で、対前年同期比79％の20,687トンとなり、さらにポジティブリスト制度の施行に伴い７月末に中国産で基準値を超える残留農薬が検出されたしいたけは、対前年同期比17％の179トン、６月に同違反が見つかったえんどうは、対前年同期比23％の150トンと減少した。一方、キャベツ等あぶらな属は、前月までの高値の影響と昨年国内価格が安値で輸入が少なかったこともあり、対前年同期比150％の1,638トンと増加したが、生鮮野菜全体では、対前年同期比82％の61,489トンと減少し、３カ月ぶりに前年を下回った。
冷凍野菜では、ばれいしょが、対前年同期比91％（アメリカ：同83％、カナダ：同111％、中国：同193％）の22,319トンとなり、2005年８月以降14カ月ぶりに前年を下回った。また、ブロッコリーが対前年同期比93％（中国：同78％、：エクアドル：同130％、メキシコ：同99％）の1,611トンと減少した。一方、ほうれんそう等は、対前年同期比120％（中国：同125％、ベトナム：同54％、台湾：同1429％）の1,416トンと増加したが、冷凍野菜全体では、対前年同期比96％の65,780トンと減少した。
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