調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成18年7月)
7月に入っても6月から続く日照不足の影響が深刻で、東日本・日本海側は中下旬にかけての降水量が平年の3倍にも達し、日照時間も平年比3~4割と記録的な短さであった。その他の地域においても、長雨と日照不足により、月間降水量、最小日照時間の記録を更新したところもあった。また、気温は上旬が高めだった一方、中下旬にかけては平年を下回り変動が大きかった。
7月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、入荷量が12.2万トン、前年比91.8%、価格が231円/kg、前年比112.2%となり入荷量は平年に比べやや少なかった。
品目別の価格動向をみると、にんじんは関東産が少なかった上に青森県、北海道へのリレーも生育遅れの影響でうまく行かず、価格は高めに推移した。
また、レタスは主産県の長野が大雨に見舞われた関係で入荷が大幅に減少し、特に下旬は長雨による品質低下と業務筋の引き合いから大幅に値上がりした。
茨城県が主産のねぎは7月中旬から長雨の影響で収穫が遅れ、後続の青森県産も出遅れた影響で高値で推移した。きゅうり、なす、ピーマンといった果菜類は生育の停滞や低温により入荷が少なくいずれも平年を上回る価格で推移した。特になすは天候不順による作柄不良が影響を与え前年を大きく下回る出回り量となった。ピーマンは茨城産が終盤を迎えたが東北産の生育遅れによりリレーがうまくできず入荷が少なかった。一方、群馬県主産のキャベツは安値だった昨年に比べると高いものの、平年よりも低い価格水準であった。
(2)輸入動向(平成18年6月 速報値)
平成18年6月の野菜輸入量は、前年同期比93%の213,317トンとなった。
生鮮野菜では、中国産スナップえんどうからポジティブリスト制度による新基準に低触する残留農薬が検出されたため、中国からの輸入量が大幅に減り、対前年同期比18%の132トンとなった。また、同制度の施行で輸入業者が中国産の輸入に慎重になったことから、キャベツ等あぶらな属が対前年同期比42%の1,303トンとなり、ねぎが対前年同期比89%の5,014トンと減少した。一方、天候不順で国内の出回り量が少ないにんじんは、対前年同期比135%の9,327トンと増え、主要な輸入国がメキシコにきりかわったかぼちゃは、対前年同期比129%の1,020トンと前年を上回ったが、生鮮野菜全体では、対前年同期比88%の68,537トンとなり、昨年より減少した。
冷凍野菜では、いんげん豆等が、対前年同期比79%(中国:同69%、タイ:同95%、アメリカ:同159%)の2,537トンとなり、えだまめが対前年同期比73%(中国:同60%、台湾:同84%、タイ:同93%)の6,901トンとなり、前述のスナップえんどうの影響を受けて、中国からの輸入が減っている。一方でベトナム産で基準値を超える残留農薬が見つかったほうれんそう等は、対前年同期比148%(中国:同196%、ベトナム:同57%、台湾:同59%9の2,359トンとなり、ベトナム産は減少したが中国産が増加した。冷凍野菜全体では、対前年同期比98%の68,399トンと減少した。