野菜業務第一部 調整課
施設園芸における光熱動力費は経営費の2割以上を占める場合があるなど大きなウエイトを占めています。こうした中で、最近若干落ち着きを見せているとはいうものの、依然として原油価格の上昇が農業経営に影響を与えることが懸念されています。
こうした中、農林水産省では9月に技術指導通知を発出し、施設園芸における省エネルギー化に向けた生産現場への指導を行うとともに、11月には「強い農業づくり交付金」に新規メニューを追加して、二重カーテンなどの省エネ設備の導入に対し、緊急的な支援を行っているところです。このほか、関係機関において各種取組が実施されているところであります。今回、全国農業協同組合連合会(全農)における取組をご紹介させていただきます。
1.ハウス加温機クリーンアップ運動
全農の営農技術情報誌(グリーンレポート11月号、No.437)等で、加温機器の事前点検・清掃のポイント等を説明(イラスト入り)しています。主たる内容は以下のとおりです。
(1) ハウス加温機の清掃・点検
暖房機器の燃料室内等に燃料カスが付着すると燃焼効率の低下を招くことになること等から、缶体部分やスクリュープレートの清掃方法を説明するとともに、バーナノズルの適切な清掃の実施、適正な空気量を保つためのエアシャッターの調整、施設内の温度ムラが発生しないためのファンの送風量の確保、温風ダクトの調整等について説明しています。
(2) ハウス施設の点検
施設内の保温対策を実施することは、加温用の燃料の節減を図る上で効果的な対策であることから、被覆のつなぎ目等の点検・補修による気密性の向上、多層被覆や保温性の高い内張資材の導入による保温効果の向上等について説明しています。
また、夜間の変温管理が可能となる多段式サーモ装置についても説明しています。
なお、これらの項目については、9月に発出された指導通知においても重要な項目として挙げられているところです。
2.ハウス適温管理運動
11月には農業試験場、農業技術コンサルティング会社等の協力を得て、施設園芸の適温管理や作物別・地域別の温度管理参考データ、組合員自身で確認できるチェックシート等を掲載した冊子が作成され、各県本部、県経済連等を通じて会員JA、組合員等に提供されています。
なお、これらの対策は全農のホームページでも紹介されています。