(1)　東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向（平成17年10月）
　10月の天候の推移は、秋雨前線が本州南岸に停滞することが多かったため、太平洋側を中心に曇りや雨の日が多く日照時間は少なかった。また、月降水量は北海道、九州北部、沖縄地方などで少なかった他は、おおむね平年並みであった。しかし、月平均気温は寒気の南下が少なかったため、９月から引き続き全国的に高温で推移した。

　10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、野菜の総入荷量が13.7万トン、前年比108.8％、価格が190円/kg、前年比69.8％となり、台風・長雨の影響で高値を記録した昨年と比較すると、入荷量は増加し、価格は軟調に推移した。

　特に価格が顕著に下がった品目に着目してみると、だいこんの入荷量が12,384トン、前年比122.2％、価格が72円/kg、前年比43.2％、はくさいの入荷量が13,463トン、前年比112.7％、価格が51円/kg、前年比44.8％、キャベツ類の入荷量が14,503トン、前年比110.8％、価格が57円/kg、前年比42.6％、レタス類の入荷量が8,410トン、前年比143.4％、価格が130円/kg、前年比35.3％と、総じて入荷量は増加し、価格は軟調に推移した。昨年は相次ぎ上陸した台風および長雨の影響により、多くの品目に正品率低下や生育停滞、定植遅れなどの被害がみられ、特にこれら品目の価格が大幅に上昇したのに対し、今年は生育がおおむね順調に推移しており潤沢な入荷量となっていることが、価格が前年を大幅に下回った要因として挙げられる。

(2)　輸入動向（平成17年９月　速報値）
　平成17年９月の野菜輸入量は、前年同期比112％の216,324トンとなった。

　生鮮野菜では、にんじん（にんじん及びかぶ）が、発育期の高温・かんばつなどの影響による品薄感から対前年同期比248.6
％の増加となり、また、前年から業務用需要が引き続きあることなどから、たまねぎが対前年同期比118.1％となった。ねぎは、前年が急増したことの反動と国産相場の低迷から対前年同期比89.1％と、21ヵ月ぶりに前年を下回ったが、生鮮野菜全体では、対前年同期比111.2％と増加した。

　冷凍野菜では、ばれいしょおよびえだまめがそれぞれ対前年同期比138.5％（アメリカ：同154.6％、カナダ：同107.1％、中国：同99.1％）、121.2％（中国：同111.9％、台湾：同107.8％、タイ：同139.9％）と増加したことから、冷凍野菜全体では119.1％と増加した。