機構から
東京都中央卸売市場における入荷量・価格及び輸入の動向
調査情報部 調査情報第二課
前線と台風の影響で、全国的に上旬・下旬にまとまった雨の降った７月であったが、８月の降水量は、北日本の日本海側、北陸地方、関東甲信越地方で多かったものの、西日本の少雨は顕著であり、多い地方、少ない地方と二分された。関東地方では、中旬まで少雨であったが、26日に台風11号が上陸したため、月平均降水量は多かった。月平均気温は、西日本を中心に太平洋高気圧に覆われることが多かったため、全国的に高かった。
８月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、野菜の総入荷量が13.2万トン、前年比102.3％、価格が179円/kg、前年比88.2％となり、入荷量は前年産並みで推移したものの、価格は軟調に推移した。
品目別にみると、キャベツ類の入荷量は15,298トン、前年比101.7％、価格は53円/kg、前年比83.5％、レタス類の入荷量は9,072トン、前年比103.5％、価格は114円/kg、前年比86.9％と、ともに緊急需給調整（産地廃棄）を行ったにもかかわらず、価格は軟調に推移した（８月にキャベツは２度目、レタスは５度目の廃棄を実施）。これは、入荷量が増え卸売価格が下落したにもかかわらず、小売店の売価が大きく下がらなかったため、消費が伸び悩んだことが影響している。
また、きゅうりの入荷量は9,075トン、前年比114.0％、価格は149円/kg、前年比58.0％、トマトの入荷量は10,864トン、前年比110.2％、価格は194円/kg、前年比77.8％と、主力産地の東北地方が、台風の影響もなく、生育が順調であったことから、ともに入荷量は増加し、価格は軟調に推移した。
(2) 輸入動向（平成17年７月 速報値）
平成17年７月の野菜輸入量は、前年同期比92.6％の201,117トンとなった。
生鮮野菜では、国内産ねぎがかんばつなどによる生育遅れから、対前年同期比128.0％の増加となったものの、葉物野菜などが春先からの天候不順の影響で春物と夏物の出荷時期が重なったことなどから安値で推移し、キャベツ等あぶらな属、ブロッコリーおよびたまねぎが、それぞれ対前年同期比58.2％、73.3％、74.5％と減少したことなどにより、生鮮野菜全体では対前年同期比83.6％と大きく減少した。
冷凍野菜では、引き続き冷凍ほうれんそうの主要国からの輸入が前月同様に増加し、対前年同期比417.5％（中国：対前年同期比6,117.4％、ベトナム：同141.6％）となり、えんどうも対前年同期比131.1％（中国：同172.7％）と増加したものの、ばれいしょが対前年同期比95.3％となったことなどから、冷凍野菜全体では101.6％と前年並みとなった。
なお、厚生労働省は８月10日付けをもって、平成15年５月20日以降行っている残留農薬基準に基づく輸入自粛措置を、福建省、浙江省、江蘇省および上海市などの冷凍ほうれんそう加工メーカー18社の製品に対して、求めないこととした。
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