野菜業務第一部
野菜業務第二部
野菜は、わが国の農業生産額の4分の1を占め、今後も一層の発展が期待される重要な部門となっている一方、輸入量は増加を続け、平成16年は加工品も含め238万トンと過去最高となりました。
こうした中で、将来にわたって国内野菜産地の安定的な供給力を確保していくためには、国際競争力に対応しつつ、消費者や実需者のニーズに応えた品質、価格の国産野菜を供給できるよう、構造改革を進めていくことが喫緊の課題となっています。
このような状況を踏まえ、セーフティネットとしての機能を有する野菜価格安定制度についても平成17年度に次のような改正を行いましたので、お知らせします。
1 農畜産業振興機構業務方法書等の改正について
(1) 契約指定野菜安定供給事業の運用改善
(1) 価格低落タイプにおける契約取引数量の弾力化
価格低落タイプにおいて、量販店等の契約取引の実態を踏まえ、契約時点では数量について幅(下限値を上限値の140分の60)を持たせ、実際の取引数量は出荷直前に確定させる契約についても対象としました。
(2) 複数タイプの組み合わせ加入における資金造成の特例等の設定
出荷調整タイプと数量確保タイプの組み合わせ加入の場合、これまでは両方のタイプの資金を造成することが必要でしたが、両タイプのうち、資金造成額のいずれか高い方の資金造成を行うだけでよいこととしました。
また、数量確保タイプにおいては、外部からの購入は認めず、市場仕向け分を変更するなどして内部で調達できる範囲内で数量を確保する契約も多いことから、仕向先変更のみにより契約数量不足を補う場合に係る資金造成単価は、購入限度価額と契約価額の差額の1/2としました。
(3) 交付対象数量の算定方法の改善
出荷調整タイプにおいて、契約数量を超えて余分に生産された分を産地廃棄した時、交付金の対象となる産地廃棄数量は、登録出荷団体全体ではなく産地廃棄を実施した農協など構成団体毎に算定して交付金を支給できることとしました。
また、数量確保タイプにおける市場出荷廻し分として算定される交付対象数量についても、同様の措置としました。
(2) 業務対象年間の短縮
保証基準額等の見直しに加え、資金の迅速な再造成、交付予約数量の適正化などを図る観点から、すべての業務区分の業務対象年間を平成16年度で打ち切り、新たに平成17年度を初年度とする業務対象年間を設定しました。
これに伴い施行日において予約申込期限および負担金の納入期限が既に経過している場合の取扱い等を定めました。
(3) 交付予約の申込変更の弾力化
災害等の不測の事態が生じた場合に対応が可能となるよう、理事長が激甚災害等不可抗力によるものでやむを得ないと認めた場合、対象出荷期間の開始の日の前日の1月前まで交付予約の変更の申出が可能となる特例を定めました。
(4) 保証基準額等の改正
実勢価格水準を適切に反映していることが重要であることから、3年を周期として見直しを行っており、平成14年度に見直しを行って以来、3年が経過するため、今回、過去の市場価格を基に見直しを行いました。
(5) 春レタス及び冬レタスの業務区分の結球・非結球の分割
レタスの業務区分については、夏秋レタスのみが結球、非結球に分割されていましたが、今回、春レタス、冬レタスについても、結球、非結球それぞれについて業務区分、保証基準額等の設定(関東、東海、近畿、九州ブロック)を行いました。
2 その他の野菜制度に関する変更について
(1) 登録生産者の登録に必要な作付面積の緩和
平成14年に野菜生産出荷安定法が改正され、出荷団体以外にも一定規模以上の生産者が登録できる制度が創設され、指定野菜価格安定事業等へ直接加入できることとなりました。
加工・業務用需要における国産野菜の供給体制を早期に実現していくことなどが喫緊の課題となっている中、近年増加傾向にある農業生産法人等についても、野菜価格安定制度および需給調整対策の枠組みへの参加を勧めることが必要となっていることから、登録に必要な規模要件について見直しが行われました。
(2) 一般補給交付金等の一部交付の対象品目の追加
野菜価格安定制度と需給調整対策の連携を強化し、計画出荷を促進する観点から、現在、重要野菜について行っている一般補給交付金等の一部交付の対象品目を、需給調整対策の全対象品目に拡大されました。
(新たな対象品目:春だいこん、夏だいこん、春夏にんじん、秋にんじん、冬にんじん、春はくさい、夏はくさい、春レタス、夏秋レタス、冬レタス)