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機構から


「機構の野菜業務について意見を聞く会」の開催の概要

野菜業務第一部 調整課長 佐々木 昇


1 はじめに
 独立行政法人農畜産業振興機構(以下「機構」という。)では、農林水産大臣から指示された中期目標に基づき、機構が定めた中期計画などに即して業務を進めており、その実績については評価委員会の評価を受けることとなっている。

 このような中で、機構の業務の効率化と質の向上を図りつつ、期待される業務を適切に執行する観点から、機構が自主的に、その業務について生産、流通、消費などの関係者や地方行政、学識経験者のご意見を伺い、今後の業務に反映させるため、「業務について意見を聞く会」を分野別に開催している。

 このうち、「野菜業務について意見を聞く会」(以下「意見を聞く会」という。)を平成17年3月15日(火)に当機構会議室において開催したので、その概要を紹介する。(なお、誌面の関係上ご意見の全てを掲載することはできないため機構で整理させていただきました。また、「意見を聞く会」の概要は機構のホームページにも掲載しています。)

2 出席者
牧口 正則 全国農業協同組合連合会園芸販売部次長
高橋 直志 全国農業協同組合連合会長野県本部生産販売部野菜花き課長
大山  端 高知県園芸農業協同組合連合会代表理事会長
木内 博一 農事組合法人「和郷園」代表理事
島  家時 キユーピー株式会社取締役広報室長
針替 茂人 東京シティ青果株式会社副社長
牧野 俊夫 株式会社伊勢丹食品営業部バイヤー
平岩 裕規 北海道農政部次長
池上 幸江 大妻女子大学家政学部教授
齋藤 勝宏 東京大学大学院農学生命科学研究科助教授
木田 滋樹 社団法人日本施設園芸協会会長
(順不同、敬称略)
農林水産省
 竹森野菜課長、近藤流通加工対策室長、安岡野菜課課長補佐ほか1名

機構出席者役員
 山本理事長、菱沼副理事長、米田総括理事、伊藤総括理事、和田理事、山端監事、渡部監事



3 会議の概要
 会議では、山本理事長からの挨拶に続き、農林水産省竹森野菜課長からご挨拶をいただき、機構から、野菜をめぐる情勢と機構の野菜関係業務の概要、中期目標などの業務改善に係る仕組みの概要を説明した後、出席者から機構の野菜業務についてのご意見、ご要望などを伺った。その概要は次のとおり。

(1) 生産関係者
(1)価格安定制度関係
・野菜価格安定制度は、野菜の継続的な生産に非常に重要な役割を有しており、今後も制度の充実を図ってほしい。
・契約野菜安定供給事業について、ビジネスの実態に即し、さらなる見直しの検討を行ってほしい。
 また、都道府県の予算の確保が必要である。
・レタスの業務区分の見直しを検討してほしい。
・市町村合併が進展する中で、野菜指定産地の指定について検討してほしい。

(2)その他
・GAPの導入などにより質の高い野菜を提供する取り組みを行っている生産者に対する支援を充実してほしい。
・野菜生産は、基盤が脆弱であり、地域性を有する農業であることから、指定産地を中心として産地別に取り組みを強化することが重要である。また、今後、消費者ニーズを反映したマーケットを起点とした生産振興に力を入れるべきである。
・卸売市場法が改正されたものの、野菜の流通は、今後も卸売市場を介した流通が主力を占めると考えている。こうした中、卸売市場は、末端のニーズをくみ取り、コーディネーターの機能を果たすことが求められると考える。
・産地リレーができる仕組み作りを行ってほしい。

(2) 流通関係者
(1)消費拡大関係
・野菜の消費拡大には、農林水産省、厚生労働省など関係省庁の連携が重要である。
・野菜の需要拡大には、地方の野菜の発掘、新しい野菜の食べ方の提案などが必要であり、国民的運動が必要である。
・生野菜以外に、煮物、炒め物の簡易な調理法のPR、冷凍野菜の食べ方の工夫などが必要である。
・健康、調理方法などについて、消費者に分かりやすい情報提供を行ってほしい。

(2)その他
・契約野菜安定供給事業について、市場関係者への浸透を図るとともに、一層の事務の簡素化をお願いしたい。
・青果物の流通は、生産起点から販売(消費者)起点に展開すべきであり、多様化する食材への対応が求められている。
・生産者の所得の確保には、商品化率を高めることがポイントであることを理解する必要がある。また、量販店との決済サイトへの対応も重要な課題である。

(3) 地方行政関係者
(1)価格安定制度関係
・都道府県財政が厳しい中で、野菜価格安定対策事業の安定的な制度運営が図られるようにしてほしい。

(2)支援措置
・都道府県法人の運営が厳しいため、法人へのさらなる支援を検討してほしい。

(3)情報関係
・野菜の情報提供業務の充実に引き続き努めてほしい。

(4) 学識経験者
(1)価格安定制度関係
・野菜の予算額は、2兆円の産出額に対して100億円程度であり、少ない予算で効果の大きいものとなっている。これらの点について、一般国民に対して、分かりやすくPRすべきである。
・高騰時対策などについても、消費者にそのメリットを分かりやすく、積極的にPRすべきである。
・卸売市場に出荷すれば、消費者に売ったと思ってしまう生産者が多い。今後、卸売業者は流通の仲介者的役割が重要となる。

(2)消費拡大関係
・子供たちの野菜の消費拡大を推進するためには、子供の意識を変えていくためのきめ細かいツールが必要である。
・子供の意識を変えるには、関係機関の適切な役割分担に基づき、野菜作りなど実体験も含めた地道な努力が必要である。
・野菜の消費拡大には、若年層の意識改革が必要不可欠である。

(3)情報関係
・野菜の安定供給を図る上で、国内の生産状況を海外に情報発信すべきである。

 終わりに、機構から、有意義なご意見をいただいたことにお礼を申し上げ、ご意見などを踏まえて業務を進めていきたい旨を述べ、「意見を聞く会」を締めくくった。



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