調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成17年2月)
天候の推移をみると、日本付近を低気圧が短い周期で通過したため、1月から引き続き寒暖の差が大きく、ほぼ全国的に曇りや雪または雨の日が多かった。月平均気温は、東・西日本では平年並みであったものの北日本では低く、降水量は、北・東日本の太平洋側は平年並みだったが、大雪に見舞われた北日本日本海側を含むその他の地域では平年を上回った。また、日照時間は、全国的に少なかった。
2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、野菜の総入荷量が11.8万トン、前年比98.0%、価格が230円/kg、前年比101.0%となった。昨年の台風・長雨の影響が残り高値で推移した野菜、逆に回復し安値で推移した野菜と、品目によりばらつきがみられるものの、野菜全体としては、入荷量・価格とも前年並みに推移した。
品目別に見ると、にんじんの入荷量は6,629トン、前年比89.9%、価格は151円/kg、前年比248.1%と台風・長雨の影響から作付面積の減少や生育遅延がみられ、価格は引き続き堅調に推移した。
また、キャベツ類の入荷量は11,550トン、前年比87.4%、価格は138円/kg、前年比157.2%と、にんじん同様台風・長雨の影響から作付面積が減少したこと、最近の寒波により小玉傾向となったことから、入荷量は減少し、価格は前年を上回って推移した。
一方、レタス類の入荷量は6,712トン、前年比102.5%、価格は217円/kg、前年比76.3%と、台風・長雨の影響は消え、生育が回復傾向となったことから、入荷量は前年並みに、価格は軟調に推移した。
(2)輸入動向(平成17年1月 速報値)
平成17年1月の野菜輸入量は、前年同期比118.1%の243,432トンとなった。
生鮮野菜では、秋口の相次ぐ台風、長雨の影響から国産野菜が不作となり、特ににんじんおよびキャベツ・はくさい(キャベツ等あぶらな属)が中国からの輸入が増加し、それぞれ対前年同期比681.4%および427.6%となった。さらに、たまねぎについても、アメリカ産が豊作で価格も安く、業務用需要が多いことなどから対前年同期比210.5%となったため、生鮮野菜全体でも対前年同期比147.5%と増加した。
冷凍野菜では、引き続いて冷凍ほうれんそうの主要国からの輸入が前月同様に増加し、対前年同期比420.3%(中国:対前年同期比2,026.8%、ベトナム:前年同期比333.7%)となり、また、いんげん豆等およびブロッコリーもそれぞれ対前年同期比168.6%(中国:同156.0%)、136.8%(中国:同180.7%)と増加したことから、冷凍野菜全体でも111.9%と増加した。