調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成17年1月)
天候の推移をみると、1月前半は冬型の気圧配置が強く、平均気温は平年を下回る日が多かったが、その後、気圧の谷がおおむね数日の周期で通過したため、寒暖の変動が大きかったものの、総じて月平均気温は全国的に平年並みであった。一方、関東甲信越地方と東北地方の太平洋側では15日~16日にかけて日本の南岸を低気圧が発達しながら通過したため、大雨や大雪となり、その結果1月の降水量は北・東日本では多く、西日本・南西諸島では少なかった。
1月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、野菜の総入荷量が11.5万トン、前年比96.2%、価格が227円/kg、前年比100.0%となった。全般的に、天候良好により出荷が順調であったことから、一部の品目を除き、入荷量・価格ともに前年並みで推移した。
品目別にみると、にんじんの入荷量は6,700トン、前年比86.8%、価格は141円/kg、前年比241.1%と依然台風の影響が残り、生育の遅れから小ぶり傾向となったため、価格は先月から引き続き堅調に推移した。
また、キャベツ類の入荷量は10,822トン、前年比84.7%、価格は130円/kg、前年比153.6%と、昨年の台風による定植遅れの影響で出荷が谷間になったことに加え、1月前半の厳しい寒波の影響で小玉傾向となり、入荷量は減少し、価格は前年を上回って推移した。
一方、だいこんの入荷量は11,847トン、前年比99.8%、価格は71円、前年比77.5%と、生育が回復傾向となったものの、一部産地で品質低下がみられたことから、価格は前年を下回って推移した。
(2)輸入動向(平成16年12月 速報値)
平成16年12月の野菜輸入量は、前年同期比128.7%の282,569トンとなった。
生鮮野菜では、相次ぐ台風、長雨の影響から国産野菜が不作となり、中国産を中心に過去最高の月間輸入量を記録した11月に比べて28.4%減少したものの、前年に比べて増加した。中でもにんじん、キャベツ(キャベツ等あぶらな属)およびレタスが中国、アメリカからの輸入が増加し、それぞれ対前年同期比1,014.3%、745.6%および607.7%となり、さらに、たまねぎについても、アメリカ産が豊作で価格も安く、業務用需要が多くなったことなどから対前年同期比167.0%となったため、生鮮野菜全体でも対前年同期比160.4%と増加した。
冷凍野菜では、引き続いて冷凍ほうれんそうの主要国からの輸入が前月同様に増加し、対前年同期比506.2%(ベトナム:対前年同期比258.9%、中国:前年輸入なし、本年1,114トン)となり、また、ブロッコリー、さといももそれぞれ対前年同期比170.7%(中国:同178.5%)、135.9%(中国:同135.0%)と増加したことから、冷凍野菜全体でも122.0%と増加した。