調査情報部 調査情報第二課
(1)東京都中央卸売市場における入荷量・価格の動向(平成16年8月)
天候の推移をみると、7月に引き続き太平洋高気圧の北への張り出しが平年に比べ強く、東京で真夏日の連続記録を更新する等、8月の前半も晴れて気温の高い日が多かった。しかし、中頃からは北日本や東日本で次第に寒気の影響を受けて気温が平年を下回るようになり、北日本では中旬と下旬に、東日本では下旬に平年に比べ気温の低い日が多かった。一方、今月は平年より多い6個の台風が日本に接近、そのうち3個の台風が上陸し、西日本と南西諸島を中心に大雨や暴風となった。
東京都中央卸売市場における野菜の入荷量・価格の動向は、8月における野菜総入荷量が12.9万トン、前年比102.5%、価格が203円/kg、前年比95.2%となった。入荷量は前年とほぼ変化がないものの、一部主産地では高温・干ばつにより品質にばらつきがみられたこと、8月半ばまでの猛暑により需要が盛り上がらなかったこと等により、総じて価格は低迷した。
品目別にみると、昨年レタス類は、冷夏の影響で品薄・高価であったが、今年は順調に生育したため入荷量は8,765トン、前年比117.4%、価格は131円/kg、前年比46.9%と前年を大きく下回った。
また、なすの入荷量は5,090トン、前年比111.7%と前年を上回ったことに加え、一部高温障害による下位等級品の出回りが多かったことから、価格は170円/kg、前年比64.6%と軟調に推移した。
一方トマトは、8月上旬、生育の前進化により需要期を前に価格が低迷したため、主産地が自主的に出荷を抑制し、更に8月下旬は夜温が低く生育が停滞気味になったこと、産地移行時期による出荷の谷間となったこと等から品薄状態となり、入荷量は9,856トン、前年比89.6%、価格は249円、前年比134.6%と堅調に推移した。
(2)輸入動向(平成16年7月 速報値)
平成16年7月の野菜輸入量は、対前年同期比102.7%の217,155トンとなった。
生鮮野菜では、国内産が小玉傾向となった たまねぎの輸入が、作柄が良好であった中国からの輸入の増加により対前年同期比123.4%となり、生鮮野菜全体では対前年同期比105.3%と増加した。
冷凍野菜では、ほうれんそうが対前年同期比43.5%と大幅に減少したが、ばれいしょ、えだまめ、ブロッコリー等が増加し、冷凍野菜全体では前年並みとなった。
6月17日に残留農薬問題による輸入自粛措置が解除された中国産冷凍ほうれんそうは、23トンが輸入された。冷凍ほうれんそうの国別輸入量を見ると、2003年以降、台湾、ベトナム、インドネシアからの輸入が増加している。