１　はじめに

　食生活は、国民の健康な生活の基盤をなす重要なものであり、食の安全･安心に対する国民の関心がますます高まっている。
　こうした中、近年、BSE（牛海綿状脳症）問題など国民の食に対する不安を招く事態が発生したことを受けて、昨年7月より、内閣府に食品安全委員会、農林水産省に消費･安全局が設けられるなど、国民の健康の保護を催優先とする新しい食品安全行政がスタートし、さまざまな取組みが行われている。
　食の安全･安心の確保のためには、こうした組織･制度の整備はもちろんなこと、食品の生産、加工、流通に携わる食品関連時業者や消費者が職の安全･安心について正しい知識や情報をもち、各関係者間での相互理解が図られることが重要となっている。

　２　ねらい

　こうした中で、農畜産業とその関連産業の発展や国民消費生活の安定のための業務を担う独立行政法人農畜産業振興機構においては、食料消費の姿や国民の健康に果たす食品の役割、食の安全･安心等の食に関する情報の提供を行うことが、主要な業務の一つとなっている。
　このため、今般、食品の供給サイドと消費サイドの関係者に広く参集して頂き、各関係者の食の安全・安心について果たすべき役割、取組みの現状や課題、今後の取組み方などについて、意見や情報の交換を行い、食に携わる方々の相互理解と共通認識を深めるためのフォーラムを開催した。

　３　内容

フォーラムの概要は次ぎのとおりである。
（1)全体の概要
　①日時：平成16年3月10日（水)
　　　　　　午後1:30～4:00
　②場所：神戸市
　（会場は、兵庫県民会館けんみんホール）
　③基調講演
　　演題「食の安全性をめぐる現状と取組みについて：
　　講師：小泉直子氏
　　　　　　（内閣府食品安全委員会委員）
　④パネルディスカッション
　　テーマ：「安全･安心な農畜産物を食卓へ」
　　　　　～食に携わる方々の相互理解と連携のために～

　コーディネータ－：
　宮崎　昭氏（放送大学京都学習センター所長
　　　　　　　　　京都大学名誉教授）
　パネリスト（五十音順）
　荒木満夫氏（（株）関西スーパーマーケット第一商品グループマネージャー）
　伊藤潤子氏（生活協同組合コープこうべ理事）
　小泉直子氏（講師）
　幡井政子（兵庫県消費者団体連絡協議会会長）
　吉田康弘(兵庫県六甲農業協同組合常務理事）
　渡辺晃　（フジッコ(株）取締役副社長）
基調講演の小泉直子氏