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「消費者代表との意見交換会」の開催概要

企画調整部広報・消費者対策課


  独立行政法人農畜産業振興機構(以下「機構」という。)では、中期目標に基づく中期計画及び年度計画において、消費者の視点に立ってその要望に応えた分かりやすい情報を提供するため、消費者との双方向の情報や意見の交換を行うこととしています。
 一方、機構は本年10月から、旧野菜供給安定基金の業務を引き継ぎ、野菜価格安定事業や野菜に係る各種の情報提供等の野菜関係業務を行っておりますが、野菜については、その需給・価格の動向や安全・安心に対する消費者の高い関心があると一方、健康面で摂取量の増加が必要とされているにもかかわらず消費量は減少しているという状況にあります。
 このような中で、野菜に対する消費者の関心やニーズ等について、消費者、生産・流通関係者及び機構等との間で双方向の除法・意見交換を行い、野菜の生産、流通、消費を巡る情勢や諸課題について消費者の皆さんの一層の理解に資するとともに、その結果を今後の機構業務へ反映させること等を目的として、昨年12月8日に消費者代表との意見交換会を開催いたしました。
 この意見交換会は、機構として発足後初めての「消費者代表との意見交換会」でしたが、別表の皆さんにご出席願い、活発で、有意義な意見交換をしていただきましたので、その概要を紹介します。なそ、誌面の関係上ご意見の全てを掲載することができないので機構で整理させていただきました。したがって文責は機構にありますのでご了承ください(意見交換会の内容は機構ホームページに掲載しております)。
 意見交換会では、機構から、野菜を巡る情勢と機構の野菜関係業務について説明した後、生産・流通関係の出席者から、日頃の取り組みや課題等について、以下のようなご発言がありました。
 ・今年は非常に安値になっている等野菜の供給は天候に左右されるが、その時々の正しい情報をいかに的確に消費者に伝えるかが重要である。
 ・野菜の消費拡大について、消費者団体でも積極的に啓発して欲しい。
 ・ほうれんそう、こまつななどの栽培を行っているが、硝酸態窒素の分析を行う等野菜の安全性には気を付けている。
 ・卸売市場では、多数の零細な野菜生産者を対象にしているが。現在市場制度の改正案が検討されているが、今後とも安全・安心で新鮮な野菜の供給に努力したい。
 ・スーパーでは、消費者から履歴のはっきりした野菜についての要望が強いことから、それらの取り組みに意欲のある産地の野菜や地場野菜の取扱いを増やすとともに、バラ売りや野菜の健康効果のPRに取組んでいる。
 ・野菜の消費がどんどん減っているが、極端に言えば野菜を食べればガンにならない。野菜を取ることは健康にいいことをよく理解してほしい。
 
 続いて、消費者代表の皆さんから、次ぎのようなご意見がありました。

 (野菜の安全性関係)
 ・残留農薬に伝は消費者の理解も深まっているが、末端までは情報が届ききっていない。
 ・生産側では有機農業、環境保全型農業に取組んでもらいたい。

 (不正表示問題、規格関係)
 ・不正表示の言い訳として欠品が許されないような取引状況があると言われているが、消費者は決して欠品があってはいけないなどとは言わない。その場合は、今日は売り切れと店頭ではっきり伝えて欲しい。
 ・野菜の規格は簡素化の方向に向いていないのではないか。

 (野菜の消費拡大関係)
 ・色々なパンフレットについては、有効に配られているか検証して欲しい。
 ・パンフレット(「やさいのひみつ」)の野菜陳列棚の写真は整然としすぎて工業製品のようだ。高価なトマトが売られているが、野菜とは思えない。
 ・若年層で野菜の摂取不足が目立つとは必ずしも感じない。食事はトータルでみる必要がある。
 ・野菜はダイエットにもよいので、若い人たちに分かりやすい消費者教育が必要である。

 (食と農の距離関係)
 ・消費者と生産者の距離が離れてしまっているので、生産の状況を知るための現地見学等の取り組みを行っているが、行政もそのような取り組みに力を入れて欲しい。
 ・最近の食は、旬とか季節感が置き去りにされている。新鮮さや栄養面から採れたてのものを食べたい。
 ・野菜の大きな産地でも、全てを消費地に出荷するのではなく、自分のところで採れた者は自分のところでも食べるようにした方が消費者に支持されるのではないか。
 ・消費者自信の学習の強化及び生産者や事業者との交流を進めているが、これらを通して食と農、日本の食料や農業に対する思想を確立する必要がある。デンマークの養豚ではできる限り自然に育てるという思想である。

 (その他)
 ・(行政などでの)野菜と果物の区分は、消費者の常識が通じていないように感じる。
 ・野菜があまった時には、産地廃棄しないで、さといもなどは冷凍食品にできないか。
 ・イギリスのコープの店では野菜はほとんどバラ売りで、消費者が自分で確認して袋に入れて測る仕組みだが、このような仕組みは消費者を育てる面で重要と考える。
 
  以上の発言を踏まえ、出席者の間で、次ぎのような意見交換が行われました。

 ・野菜の規格は大幅に見直され、簡素化が進んでいる。
 ・欠品の問題については契約時に契約書に処理のルールを決めるよう、団体としても指導している。
 ・高額のトマトついては、スーパーでは、消費者の様々なニーズに応えるため、付加価値の高い物から安いものまで品揃えが必要になる。
 ・パンフレットの野菜陳列棚の話があったが、日本では、野菜もきれいなもの、土のついていないもの、直ぐに食べられるものが選ばれる傾向にある。食育の運動が必要である。
 ・野菜と果物の区別について消費者の常識が通じていないとの指摘は重要である。
 ・きれいな売り場で売られものが全ての消費者のニーズではない。野菜には、大きさなど使い勝手の良さに対するニーズも重要である。
 ・いぼいぼきゅうりなど、味の良いものも欲しいが、いぼいぼきゅうりはいぼの所に菌が着き易いので加工メーカーが扱わない等であまり作られなくなった。
 ・高付加価値化にウェートがかかりすぎると消費者が望むものから遠ざかってしまわないか。
 ・若い人も野菜に手が出るように、学校教育の中で取組んでいくことが必要ではないか。
 ・消費者も何でも拒否するのではなく、現実をしっかり知ることが必要である。
 
 機構としても、今回の意見交換会でのご意見等を踏まえ、各分野のニーズに応えた、消費者の皆さんにも分かりやすい野菜関係情報の効果的な提供等に努めて参りたいと思います。

 【別表】
  出席者(敬称略)
 [消費者]
 主婦連合会          参与     和田正江
 消費科学連合会        副会長    伊藤依久子
 全国消費者団体連絡会    事務局長   神田敏子
 東京都地域婦人団体連盟  財務副部長   福本悦子
 日本生活共同組合連合会    理事     阿南 久
 [生産・流通]
 全国農業協同組合連合会 園芸販売部   東 貫士
 農業生産法人グリンリーフ(株) 代表取締役 澤浦彰治
 (社)全国中央卸売市場青果卸売協会 会長  岡田 明輝
 日本チェーンストアー協会 常務理事 小笠原荘一
 (財)食品流通構造改善促進機構 会長 渡辺文雄
 
 [行政]
 農林水産省生産局野菜課 課長 石田寿



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