ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 中国におけるばれいしょの需給分析と見通し
(1)世界と中国のばれいしょ作付面積の推移
世界のばれいしょ作付面積は増加傾向にあり、2021年は2391万5000ヘクタールと、この30年間で321万6000ヘクタール増加した(1991年比15.5%増、図1)。同年の作付面積上位5カ国を見ると、第1位が中国の578万3000ヘクタール(世界の作付面積の24.2%)、第2位がインドの224万8000ヘクタール(同9.4%)、第3位がウクライナの128万3000ヘクタール(同5.4%)、第4位がロシアの114万2000ヘクタール(同4.8%)、第5位がバングラデシュの46万9000ヘクタール(同2.0%)となった。
また、30年間の上位5カ国の作付面積の増減を見ると、バングラデシュ、インド、中国が大幅に増加した一方、ロシアおよびウクライナは減少した。
中国の過去30年の作付面積の推移を見ると、五つの段階に分けることができる。第1段階は安定的に増加した時期(1991年~2000年)、第2段階は停滞した時期(01年~06年)、第3段階は緩やかに増加した時期(07年~12年)、第4段階は緩やかに減少した時期(13年~19年)、第5段階は拡大期(20年以降)である。
(2)世界と中国のばれいしょ単収の変動
世界の1ヘクタール当たりのばれいしょ単収は増加傾向にあり、2021年の世界平均は1ヘクタール当たり20.7トンとなった(図2)。同年の単収上位5カ国を見ると、第1位がクウェートの同51.9トン、第2位がニュージーランドの同50.8トン、第3位が米国の同49.1トン、第4位がアイルランドの同45.6トン、第5位がドイツの同43.8トンであった。これに対して、中国は同16.3トンと世界第1位クウェートの3分の1以下であり、世界平均を大幅に下回っている。
中国の単収は、21年が大雨などによる減少となったものの、過去30年では上昇傾向にある。今後、単収上位国並みの生産技術が中国全土で確立して単収が増加すれば、世界第1位の作付面積を有するスケールメリットを生かした生産量の大幅な増加が可能である。
(3)世界と中国のばれいしょ生産量の推移
世界のばれいしょ生産量は、作付面積と単収の増加から増加傾向にある(図3)。2021年の世界全体のばれいしょ生産量は4億7000万トンであり、同年の生産量上位5カ国は、第1位が中国の9436万2000トン(世界の生産量の20.1%)、第2位がインドの5423万トン(同11.5%)、第3位がウクライナの2135万6000トン(同4.5%)、第4位が米国の1858万2000トン(同3.9%)、第5位がロシアの1829万6000トン(同3.9%)であった。
過去30年の中国のばれいしょ生産量の推移を見ると、作付面積と同様、五つの段階に分けることができる。第1段階は安定的に増加した時期(1991年~2000年)、第2段階は停滞した時期(01年~06年)、第3段階は緩やかに増加した時期(07年~12年)、第4段階は停滞した時期(13年~19年)、第5段階は増加した時期(20年以降)である。
気象要因などにより、単収の変動は大きいが、作付面積と生産量は比較的安定して推移している。