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2011年米国春季生鮮野菜の収穫見通し
(カリフォルニア州を中心に)

調査情報部


【要 約】

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)の発表によると、カリフォルニア州の春季生鮮野菜のうち、にんじんおよびトマトの収穫面積は、好調な需要を受け前年を大幅に上回る一方で、カリフラワーや結球レタスは、降雨による生育遅れなどにより、前年を下回る見込みである。また、春たまねぎの作付面積は、前年比8%の増であるものの、貯蔵用夏たまねぎは、前年をわずかに下回る見込みである。アスパラガスの収穫面積は、気温が平年を下回って推移し生育が遅れているものの、前年比4%の増加を見込んでいる。

1 春季生鮮野菜の収穫見通し(収穫面積)

・ブロッコリー

 カリフォルニア州の収穫面積は、前年並みの31.0千エーカー(1エーカー=40.46アール。以下同じ)の見込みである。なお、作柄は良好である。

・カンタロープメロン

 全米の収穫面積は、前年比1%減の26.5千エーカーの見込みである。 カリフォルニア州では、サンホアキンバレー南部で既に定植が行われており、6月には収穫が始まる予定である。また、アリゾナ州は、生育条件に適した好天候に恵まれている。

・にんじん

 全米の収穫面積は、前年比20%増の13.3千エーカーの見込みである。カリフォルニア州では、好調な需要を受けて面積を拡大した。なお、テキサス州では、生育条件に適した好天候に恵まれているものの、2月第1週目の気温が氷点下であったことから若干収穫作業が遅れている。

・カリフラワー

 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比3%減の7.4千エーカーの見込みである。なお、降雨により生育が遅れている。

・セルリー

 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比2%減の5.9千エーカーの見込みである。12月から1月の間に大雨に見舞われたこと、平年を下回る気温であったことが収穫に悪影響を与えている。

・スイートコーン

 全米の収穫面積は、前年比3%増の42.1千エーカーの見込みである。カリフォルニア州では、2月上旬に寒波に見舞われたものの、好天候に恵まれている。また、フロリダ州の気象状況も良好である。

・ハネデューメロン

 全米の収穫面積は、前年比8%増の2.8千エーカーの見込みである。 カリフォルニア州では、サンホアキンバレー南部で既に定植が行われており、6月には収穫が始まる予定である。また、テキサスで州では、リオグランデバレーで現在定植が行われているところであり、フロリダ州のウィンターガーデンでも、4月の第1週には定植が始まる見込みである。

・結球レタス

 カリフォルニア州の収穫面積は、2月の厳しい寒波によりほ場に影響が出ていることから、前年比3%減の28.0千エーカーの見込みである。

・トマト

 全米の収穫面積は、前年比4%増の26.2千エーカーの見込みである。カリフォルニア州では、好調な需要を受け、面積を拡大した。

・スイカ

 全米の収穫面積は、前年比5%減の38.7千エーカーの見込みである。カリフォルニア州では、サンホアキンバレー南部で6月の収穫に向けたほ場整備が現在行われている。また、フロリダ州では、リー郡で1月下旬に定植が行われ、1月下旬から2月にかけては全州で定植のためのほ場整備が行われた。

表1 春季生鮮野菜の収穫面積 (単位:エーカー、%)

2 加工用トマトの見通し(作付面積、収穫量)

 カリフォルニア州における加工用トマトの定植は2月に始まり、2011年の生産量は、前年比3%増の1,260万トンの見込みである。
 全米における2011年の契約取引については、作付面積は287千エーカーと前年をわずかに下回るものの、契約数量は、前年比4%増の1,320万トンとなる見込みである。
 また、インディアナ州は、降雨により農作業と定植に遅れが出た。

表2 加工用トマトの作付面積及び生産量(単位:エーカー、トン、%)

3 ピクルス用きゅうりの見通し(作付面積)

 全米における2011年の契約取引にかかる作付面積は、前年比1%減の83.2千エーカーとなる見込みである。
 フロリダ州は、定植時期に干ばつに見舞われた一方、インディアナ州は、降雨により農作業と定植に遅れが出た。

表3 ピクルス用きゅうりの作付面積(単位:エーカー、%)

4 春・夏たまねぎの見通し(作付面積)

 カリフォルニア州における春たまねぎの作付面積は、前年比8%増の6.9千エーカーである。12月中は降雨が続いたものの、生育は順調である。
 同州の貯蔵用夏たまねぎの作付面積は、前年をわずかに下回り、30.0千エーカーの見込みである。サンホアキンバレーは12月中、降雨に見舞われたものの、生育は順調である。
 同州の非貯蔵用夏たまねぎの作付面積は、前年比3%減の6.6千エーカーの見込みである。サンホアキンバレーでは12月中の降雨により、生育が妨げられた。
 全米における2011年の春・夏たまねぎの作付面積は、前年比2%増の158.9千エーカーとなる見込みである。内訳は、春たまねぎで同16%増の32.9千エーカー、非貯蔵用夏たまねぎで同6%減の17.9千エーカー、貯蔵用夏たまねぎで前年をわずかに上回り、108.1千エーカーである。なお、夏たまねぎ全体では、前年比1%減の126.0千エーカーである。

表4 春・夏たまねぎの作付面積(単位:エーカー、%)

5 アスパラガスの見通し(収穫面積、単収、生産量)

 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比4%増の12.0千エーカーの見込みである。なお、気温が平年を下回って推移したため、生育が遅れている。サンホアキンバレー南部では収穫作業が行われており、6月上旬まで続く見通しである。
 全米の収穫面積は、前年並みの28.0千エーカーの見込みである。

表5 アスパラガスの収穫面積、単収、生産量(注1)



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