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米国の加工用トマト、アスパラガス、春たまねぎの2010年収穫見通し
(カリフォルニア州を中心に)

調査情報部


要約

 米国から輸入される野菜のうち、トマト加工品(トマトピューレ、ペースト)は1.7万トン(輸入量全体の19%)と中国に次いで2番目に輸入量が多く、アスパラガスについては900トン(同8%)、生鮮たまねぎは2.4万トン(同11%)、また、乾燥たまねぎについては3.5千トン(同62%)と輸入先国の中で最も輸入量が多い。
 米国農務省(USDA)が9月10日、加工用トマト、アスパラガス、春たまねぎの収穫見通しについて発表したのでその内容を紹介する。
① 加工用トマトの生産量の見通し(1ショートトン=907キロ。以下同じ)
 ・カリフォルニア州 1,230万ショートトン(前年比6%増。生育遅れ)
 ・全米合計 1,280万ショートトン(前年比7%減)
② アスパラガスの生産量の見通し
 ・カリフォルニア州 約1.7万ショートトン(前年比14%減。生育良好)
 ・全米合計 約3.7万ショートトン(前年比18%減)
③ 春たまねぎの生産量の見通し
 ・カリフォルニア州 約12.6万ショートトン(前年比3%減)
 ・全米合計 約38.0万ショートトン(前年比11%減)

1 加工用トマトの契約生産量

 カリフォルニア州における加工用トマトの契約生産量は、前年比6%増の1,230万ショートトン、収穫面積は同12%減の26.8千エーカー(1エーカー=40.46アール。以下同じ)と見込まれる。また、1エーカー当たりの収量は、前年の43.23ショートトンに対して6%増の45.90ショートトンと見込まれる。カリフォルニア州では、低温と多雨の影響により生育が遅れ、8月に入っても収穫が行われた。

 全米の加工用トマトの契約生産量は、収穫面積が前年比12%減少するとともに、1エーカー当たりの収量が2.20ショートトン増加したため、同7%減の1,280万ショートトンと見込まれる。
 州別に見ると、オハイオ州では、8月中旬までに収穫の7%が完了した。ミシガン州では、トマトの作柄は良く、7月下旬までは夏枯れ病による生育の遅れが報告されていたが、早いペースで生育している報告されている。インディアナ州の加工用トマトは、定植期間中に豪雨に見舞われたが、作柄は良好と報告されている。

表1 加工用トマトの収穫面積および生産量

注:主な業者との契約に基づくものである。

2 アスパラガス

 カリフォルニア州におけるアスパラガスの生産量は、収穫面積が前年比8%減少、1エーカー当たりの収量も同6%減の約1.49ショートトン(3,000ポンド。1ポンド=0.45キログラム。以下同じ)と見込まれることから、同14%減の約17,117ショートトン(3,450万ポンド)と予測されている。
 産地のサリナスバレーとサンホアキンバレーでは、降雨と温暖な気温に恵まれ、生育状況は良かったが、2月にほ場のぬかるみから収穫が遅れた。7月の中旬までには、同州の大部分で収穫が完了した。

 全米におけるアスパラガスの生産量は、前年比18%減の約36,764ショートトン(7,410万ポンド)、収穫面積は同4%減の28千エーカーと見込まれる。生産量のうち、青果用は前年比12%減の約30,810ショートトン(6,210万ポンド)、加工用は同39%減の6,000ショートトンと見込まれる。また、缶詰用は前年比39%減の3,100ショートトン、冷凍用は同38%減の2,900ショートトンと見込まれる。また、総生産高は、前年比17%減の7,420万ドルと見込まれる。
 ミシガン州では、生育時期の早い段階における冷害により生育が遅れ、収穫が完了したのは6月末であった。

表2 アスパラガスの面積および生産量、生産高(注)

注:生鮮用および加工用を含む。

3 春たまねぎ

 カリフォリニア州における春たまねぎの生産量は、前年比3%増の約126,020ショートトン(2億5,400万ポンド)、1エーカー当たりの収量は前年同の約20.34ショートトン(41,000ポンド)と見込まれる。同州の春たまねぎの定植は、12月までに大部分の地域で始まり、生育期間中には低温と多雨の天候が報告されていた。

 今季の全米における春たまねぎの生産量は、収穫面積は前年比5%減の25.9千エーカー、1エーカー当たりの収量も前年より約0.94ショートトン(1,900ポンド)減の約14.69ショートトン(29,600ポンド)と見込まれることから、前年比11%減の約380,044ショートトン(7億6,600万ポンド)と予測される。また、総生産高は、前年比61%増の3億500万ドルと予測される。
 ジョージア州では、12月末から1月の間の低温により春たまねぎの定植が遅れ、その後の5月下旬までの高温の影響により収量は減少した。

表3 春たまねぎの面積および生産量、生産高(注1)

注1:主に生鮮用である。     
注2:2010年の予測は中止された。



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