[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

海外情報



2010年における米国夏季生鮮野菜等の収穫見通し
(カリフォルニア州を中心に)


調査情報部


 米国農務省(USDA)は7月15日、夏季生鮮野菜および加工用トマト、春・夏たまねぎの収穫見通しについて、以下のとおり発表した。

1 夏季生鮮野菜の収穫見通し

・ブロッコリー
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比9%減の28,100エーカー(1エーカー=40.46アール)と見込まれている。6月は天候に恵まれて生育が良く、作柄は良好である。

・カンタロープメロン
 カリフォルニア州の収穫面積は、24,000エーカーの見込みである。サンホアキンバレーでは春の低温で生育が遅れていたが、病害虫の発生は報告されていない。また、全米での収穫面積は、前年比1%増の28,900エーカーの見込みで、このうちテキサス州では、5月後半から州南部の収穫が始まっており、品質、作柄ともに良好である。

・にんじん
 カリフォルニア州の収穫面積は、15,000エーカーの見込みで、作柄は極めて良好である。また、全米の収穫面積は、前年比12%減の16,800エーカーの見込みで、このうちミシガン州では、5月中旬までには発芽し、作柄は良好である。

・カリフラワー
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比8%減の7,300エーカーの見込みである。定植時期の早春の降雨により品質に問題が生じたものの、晩春から夏にかけて気温が上昇したことから、作柄は回復した。

・セルリー(セロリ)(以下「セルリー」という)
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年並みの6,000エーカーの見込みである。このうち、サリナスバレーでは、現在、夏セルリーの収穫が最盛期を迎えており、作柄は良好である。

・スイートコーン
 カリフォルニア州の収穫面積は、12,000エーカーの見込みである。このうち、インペリアルバレーでは、春採りが4月後半まで続き、サンホアキンバレーでは、6月まで定植が行われた。夏の高温により、スイートコーンの作柄は良く、全ての産地で品質は良好である。
 また、全米の収穫面積は、前年比11%増の104,500エーカーの見込みである。このうち、ニューヨーク州では定植が順調に進み、7月中旬ころには収穫が始まると見込まれる一方で、ペンシルバニア州では多雨と低温のため、定植が遅れた。ミシガン州では5月中旬の低温でスイートコーンの初期段階の生育が遅れたものの、6月の高温と適度な降雨で生育が促進された。ニュージャージー州では天候に恵まれ、6月中旬から早生スイートコーンの収穫が始まった。ノースカロライナ州では定植期間の天候に恵まれ、ウィスコンシン州も作柄は良好である。

・ハネデューメロン
 カリフォルニア州の収穫面積は、8,000エーカーの見込みである。このうち、サンホアキンバレーの夏採りメロンは、春の低温で生育が遅れたが、病害虫の発生は報告されていない。また、全米の収穫面積は、前年比2%減の10,000エーカーが見込まれ、このうちアリゾナ州では、生育期間中の気温は平年より低温であったものの、5月後半には収穫が始まった。

・結球レタス
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年並みの35,000エーカーの見込みである。沿岸地域では、低温と降雨のため生育が遅れた。

・トマト
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比5%増の18,500エーカーの見込みである。産地では、天候不順により4月の定植が遅れた上、低温、多雨および強風により生育も遅れた。このため中部では、平年より1週間遅れの収穫が予測される。
 また、全米の収穫面積は、前年比5%増の33,000エーカーの見込みで、このうち、ミシガン州では、5月第1週に被膜資材を利用したことにより、早期に定植したトマトの生育は良く、6月第1週には支柱をほ場に立てた。ニューヨーク州では作柄が良く、病害虫の発生は報告されていない。ニュージャージー州では、5月から6月始めまで夜間の気温が低く生育が遅れたが、6月中旬の高温と降雨により生育は回復した。ペンシルバニア州の北部では、春の低温と多雨により定植が遅れたが、作柄は良好である。ヴァージニア州も同様に生育は良好である。

・すいか
 カリフォルニア州の収穫面積は、前年比5%増の9,600エーカーの見込みで、このうち、サンホアキンバレーでは、夏採りすいかが定植中であり、病害虫の発生は報告されていない。また、全米の収穫面積は、前年比3%減の50,200エーカーが見込まれ、このうちテキサス州の南部では、5月後半から収穫が始まり、収量、品質ともに良好である。

表1 夏季生鮮野菜収穫面積

出所:USDA、NASSカリフォルニア事務所「California Vegetable Review」(2010.7)(以下同)
 注:ブロッコリーおよびカリフラワー、セルリーは加工用を含む。                

2 加工用トマトの収穫見通し

 カリフォルニア州における生産者の契約面積は、前年比13%減の269,000エーカーで、契約生産量は同6%減の1,230万ショートトン(1ショートトン=907キログラム)の見込みである。多雨と低温で一部の定植に遅れがみられた。
 全米の契約面積は、同12%減の287,100エーカーで、契約生産量は前年比7%減の1,290万ショートトンの見込みである。

表2 加工用トマトの作付面積および生産量

注:主な業者との契約に基づくものである。

3 春・夏たまねぎの収穫見通し

 春たまねぎについては、全米における生産量は前年比2%減の8億3,700万ポンド、収穫面積は26,700エーカーの見込みで、1エーカー当たりの平均収量は、前年より200ポンド減の31,300ポンドである。このうちカリフォルニア州では、低温で収穫が遅れたが、春たまねぎの肥大は良好である。また、ジョージア州では作柄は良好で、6月第1週までに収穫の96%を完了した。
 非貯蔵用たまねぎについては、全米における生産量は前年からわずかに減少して9億5,500万ポンド、収穫面積は同3%増の17,900エーカーの見込みである。このうちカリフォルニア州の非貯蔵用の夏たまねぎについては、生育期間中は平年より低温で多雨であったが、たまねぎの肥大は良好である。また、ニューメキシコ州では作柄が良好であり、収穫は58%まで完了し、テキサス州では非貯蔵用の夏たまねぎの収穫の最中である。ワシントン州では、収穫が遅れている。
 貯蔵用たまねぎについては、全米における収穫面積は前年比1%減の104,670エーカーの見込みである。このうち、カリフォルニア州は、生育期間中に低温と多雨に見舞われたが、平年よりもたまねぎの肥大は良好である。また、コロラド州では、5月の多雨と低温により定植が遅れたが、作柄は大変良好である。ミシガン州では、ほ場のたまねぎが5月始めに発芽し、6月1日現在、貯蔵用の夏たまねぎの作柄は、5月始めの寒気の影響が最小限であったことから、良好であった。オレゴン州では、春の低温と多雨により定植と収穫がわずかに遅れた。
 米国の2009年における貯蔵用たまねぎの確定値は、生産量が前年比4%増の57億4,000万ポンド、収穫面積が前年よりわずかに増加し106,060エーカー、1エーカー当たりの平均収量が前年から1,800ポンド増の54,100ポンドであった。

表3 春・夏たまねぎの作付面積および生産量


注1)主に生食用である。
注2)意向調査は2010年に中止された。
注3)ワラワラ地域およびその他の非貯蔵用を含む。
注4)主に乾燥およびその他の加工用である。
注5)オハイオ州およびユタ州を含む。




元のページへ戻る


このページのトップへ