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韓国の野菜生産・消費動向

南九州大学環境造園学部
講師 姜  景 求


1 はじめに

 韓国農政は、1980年代半ばまで、農家の所得向上や農工間の所得格差の是正に主眼をおいていたが、1980年代終わりからGATT特恵国からの除外と主要貿易国との二国間交渉などにより、自由化への本格的な対応が求められた。韓国政府は、このような自由化時代の農政として「新農政(new agricultural policy scheme)」を標榜し、従来と全く異なるベクトルの農政へと転換した。それは、農業を「産業(industry;例えばrice industry, livestock industry, horticulture industry)」として捉え、守る農業から攻めて守る農業への転換であった。経済発展戦略に喩えるならば、輸入代替戦略から輸出志向戦略への切り替えといえよう。具体的な内容は、(1)高品質の農産物を生産し、収穫後の品質を保持する、(2)生産者が規格・包装した農産物を出荷する、(3)輸出団地を造成し、輸出サービスを支援する、などである。

 このような農政転換の効果は、韓国にとって最も魅力的な輸出市場である日本市場において現れた。それまでの日本への野菜輸出は、品薄期における葉菜類・根菜類を主体としていたが、以上の農政の転換によって果菜類が輸出の主品目となった。1992年果菜類(カボチャ、キュウリ、いちご、トマト、ミニトマト、ナス)の輸出量は1,088トンと少量であったが、1999年には新品目のジャンボピーマンを含む輸出量は20,112トンに急増し、日本の農家に大きな打撃を与えた。2001年には、その輸出量は30,932トンとピークを迎えたが、その後、ミニトマトの残留農薬問題の浮上と台風被害によって急減し、日本国財務省「貿易統計」によると、2003年の韓国産果菜類の輸入量はカボチャ589トン、キュウリ2,041トン(全輸入量の100%)、いちご233トン(全輸入量の6%)、トマト3,112トン(全輸入量の74%)、ナス980トン(全輸入量の100%)、ジャンボピーマン14,906トン(全輸入量の66%)となっている。

 このような停滞基調は突発的な出来事による一時的な現象であるか、それとも構造的な傾向であるか。本稿では1990年代半ばから昨年までの野菜生産・消費動向を概観し、今後の展望を考察したい。

2 生産動向

(1)生産額

 2000年から韓国の農業総生産額は約32兆ウォンと伸び悩んでおり、その中で、野菜部門の農業総生産額に占めるシェアは1995年の農業総生産額の25.2%をピークに停滞し、2002年には21.1%まで低下した(表1)。その中で中国産の輸入の多い調味菜類が金額とシェアともに著しく減少している一方で、果菜類と洋菜類が増加し、それぞれ45.8%、1.6%を占めるようになった。特に洋菜類は2000年から急増を見せている。

表1 韓国の野菜生産額推移
単位:億ウォン

資料:農林部情報統計官室「農林生産額」
注)葉菜類は白菜、サンチュ、ほうれんそう、果菜類はスイカ、マクワウリ、キュウリ、ズッキーニ、トマト、イチゴ、ナス、青唐辛子、メロン、根菜類は大根、にんじん、ゴボウ、蓮根、里芋、調味菜類は唐辛子、ニンニク、たまねぎ、ネギ、しょうが、洋菜類は結球レタス、セルリー、ピーマン、パセリ、カリフラワーなどである。


(2)作付面積

 一方、作付面積は一貫して減少しており、2003年には3,285百haとなっている(表2)。施設の作付面積は生産基盤の近代化への諸補助事業が終了する2000年までは堅調に増加していたが、その後、減少に転じている。

表2 類別作付面積の構成推移

資料:農林部「2003蔬菜生産実績」2004.4

 しかし、露地と施設の構成比は1995年の79.7%と20.3%から2003年の74.5%と25.5%へ変化している。類別に見ると、施設面積のうち果菜類が62.3%(2003年)を占めており、洋菜類の施設面積も大幅に増加している。また、1ha当たりの収量は、1995年の29.7トンから2003年の37.9トンへと増加している。

 以上の生産額と作付面積・反収の推移から、韓国の野菜生産は重量当たり単価の高い果菜・洋菜類を中心とする施設化が定着しつつあると言える。

 施設の建設状況を地域別に見ると(表3)、その多くは比較的温暖な半島の南部地域(慶南地域、慶北地域、全南地域:3地域の合計52.1%)に存在する。この地域は日本輸出港である釜山港へのアクセスが容易な地域でもあり、日本への輸出がこの地域の施設型野菜生産の形成を促したと言える。次に多い地域は、ソウル市という国内最大の消費地に隣接している京畿地域である。また、これを形態別に見ると、ビニルハウスが最も多く大規模投資を要するガラス温室やプラスティック温室は少ない。加温方法は無加温が約8割で、きめ細かな温度調節ができる重油及びガス加熱は少ない。しかし、全南地域と慶南地域は重油・ガス加温方法が各々49.7%、28.0%と他地域(13.1%)に比べて高い。これらの地域から日本輸出が多いのは、高品質を求める日本市場の要望に応えられるほどの投資を行っているからであろう。

表3 地域別施設の概要

資料:農林部「2003蔬菜生産実績」2004.4
注)京畿地域は京畿道・ソウル市・仁川広域市、忠南地域は忠清南道・大田広域市、全南地域は全羅南道・光州広域市、慶北地域は慶尚北道・大邱広域市、慶南地域は釜山広域市・慶尚南道・蔚山広域市を合計した値である。

 慶南地域のJ市農業技術センター(農業改良普及センター)が1999年に行った独自の調査によれば、J市管内の果菜類は日本の消費者が重視している糖度と軟らかさという点で日本国内産に比べて品質が若干劣るものの、大きな格差はみられなかった(表4)。このように短期間で品質格差を縮めたのは、使われている種子が日本の種苗会社から輸入していることもあるが、農業技術センターを中心に品質向上政策が施されていることにも要因がある。

 韓国政府は園芸産業の中長期基本方針として高品質の農産物生産を標榜し、全体の技術支援は言うまでもなく、主産地の郡(最小の自治体)に「地域特産試験場」を設け、この組織を通じて地域固有の技術支援を行っている。

表4 果菜類成分の日韓比較
単位:g/100g

資料:J市農業技術センター 内部資料、1999


(3)施設栽培の経営

 全国作付面積の約7割を占める主産地における施設野菜の経営の動向(10a当たり、1期作を基準)を、日本輸出の多い品目についてみると(表5)、まず、日本の輸入市場で100%のシェアを占めているナスでは、全国の平均反収が10,168kg、所得率が46.7%(日本の2001年所得率:冬春ナス41.5%)、労働時間が自家労働と雇用労働を合わせて584時間(日本の自家労働時間:冬春ナス1,846時間)、同様に日本の輸入市場で100%のシェアを占めているキュウリでは、反収が11,210kg、所得率が53.4%(日本:冬春キュウリ51.4%)、労働時間が681時間(日本:冬春キュウリ1,256時間)である。

表5 日本輸出の多い品目の所得概要:1期作
単位:千ウォン/10a

資料:農林部「2002農畜産物所得資料集」2003
注1)その他1は中間投入材小計から種子種苗+光熱動力+減価償却(農機具及び施設)を差し引いた値である。
注2)その他2は農機具や施設の賃貸料、地代、営農委託費の合計である。


 次にシェアが高いミニトマト(全輸入量の74%)では、反収が13,541kg、所得率が51.2%(日本:冬春ミニトマト40.0%)、労働時間が692時間(日本:冬春ミニトマト1,485時間)となっている。いちごとカボチャの反収は3,405kgと6,386kg、所得率は58.2%と57.9%となっている(日本:いちご59.3%)、労働時間は各々700時間と425時間(日本:いちご1,670時間)である。

 経営において特徴的なことを挙げると、1点目は、国土が狭く、主産地の数も少ないわりに地域間の反収のバラツキが大きいことである。全国を1としたとき、ナス0.72~1.29、ミニトマト0.93~1.16、カボチャ0.76~1.20、キュウリ0.78~1.23、いちご0.91~1.05となっている。そもそも、調査機関である韓国農村振興庁が勧める技術を受け入れた中・上位の農家を、調査対象としていることを考慮すると、地域間の反収格差は大きいと言わざるを得ない。2点目は、労働時間が短いことである。ほとんどの農家は自家育苗せず、購入苗を利用している。購入苗が安い上、苗代の播種から定植前までの栽培管理や技術的リスクと労働投入を考慮すれば、農家は苗を購入した方が有利である。また、果菜類は生産者団体による出荷が既に定着していることもあって、選別作業も共選で行っている。

3 消費動向

 野菜の1人当たり消費量は作柄により大きく変動しているが、経済成長とともに堅調に増加してきた(表6)。しかし、2000年から165kg前後に停滞しているが、そのような中で消費構成は大きく変わり、大根や白菜の消費量は60%台から30%台へ減少する一方で、調味菜類(唐辛子、にんにく、タマネギ)は10%台の前半から後半へと増加している。特に果菜類を含むその他の野菜が数量・構成比ともに約2倍増加した。これは韓国の野菜消費がキムチの原料野菜消費のワンパターンから多様化していることを示唆している。

表6 1人当たり年間野菜消費量の推移
単位:kg

資料:農林部「農林業主要統計」
注)2002年は台風の影響で、生産量が前年対比13.4%減少した。


 家計調査(表7)から消費の構成をみると、外食の食料支出に占める割合は急増し1995年の31.5%から2002年の41.9%となった一方で、消費支出に占める食料品支出は低下しており、また、生鮮野菜の消費支出も減少し2002年には食料品支出に占めるその割合は7.3%となっている。生鮮野菜に占める果菜類割合も、外貨危機の直後である1998年を除けば、微減している。これを見る限り、果菜類の消費は飽和状態にあるように見える。

(注):なお、家計の食料支出については、次の点について注意しなければならない。生産や消費は農林部が、家計消費支出は統計庁が統計調査しているため、農林部の野菜分類と統計庁のそれが異なる。統計庁は果実的野菜のマクワウリ・スイカ・いちごを果実と分類しているが、ここでは農林部の分類に合わせて検討している。

表7 都市勤労者家計の月平均消費支出(名目値)
単位:ウォン

資料:統計庁「都市家計消費支出」http://kosis.nso.go.kr/から作成
注1)所得は都市勤労者家計の所得で、消費支出は都市全家計の支出である。
注2)生鮮野菜類は元統計の野菜項目に、元統計の果実項目に分類されているマクワウリ、すいか、いちごを加算した。
従って、果実は元統計の果実項目からこれらの品目を除した。
注3)果菜類はキュウリ、カボチャ、トマト、ピーマン、マクワウリ、すいか、いちごの合計値である。


 しかし、後述の消費者の行動調査で見るように、必ずしも飽和状態とは言えない。

 まず、調味菜類(唐辛子、ニンニク、タマネギ、ネギ、ショウガ)・葉根菜類の購入行動を既存の調査結果からみてみよう。調査概要は以下の通りである(表8)。

(1) 調査機関:韓国農水産物流通公社

(2) 調査品目:乾燥唐辛子ニンニク、タマネギ、白菜、大根、朝鮮レタス

(3) 調査対象者:全国5大都市(ソウル市、釜山市、大邱市、光州市、大田市)の小学校保護者1080世帯(全都市世帯数は744万世帯)

(4) 調査方法:標本家計のアンケート調査 

(5) 調査日時:2001年7月5日~8月31日

表8 大都市家計における調味菜・葉根菜の購入行動の変化

資料:韓国農水産物流通公社「都市家計の主要農産物購入及び消費実態-調味菜類・蔬菜類-」2001年12月
注1)購入先のその他は八百屋、行商、露天商、無回答などである。
注2)直販は産地購入、親戚からの贈り物、直販市での購入、インターネット購入の合計値である。
注3)重視事項のその他は大きさ、形・光沢、包装状態などである。なお、乾燥唐辛子の場合、その他の33.1%が乾燥方法である。
注4)原産地は国内産地間の差別と国内外の差別を合計した。


 主な購入先は在来市場とスーパー、量販店であるが、全体として在来市場や卸売市場が減少し、スーパーや量販店が急増しているが、品目の特性によって変化に大きな違いが見られる。

 乾燥唐辛子とニンニクは輸入が多く、食品安全性に対する消費者の懸念が存在するため、消費者は顔の見える購入先(産直)を利用して買いだめしている。

 タマネギ、白菜や大根、ニンジン、レタスのような冷蔵を要する品目はスーパーや量販店での購入が定着しつつある。それは、消費者が鮮度を最も重視しており、スーパーや量販店は他の購入先より鮮度保持が優れているからであろう。

 以上で見たように、調味菜・葉根菜類は消費者意識と貯蔵特性によって、購入先が産直かスーパー・量販店かに分かれて移行している。

 しかし、現在の乾燥唐辛子とニンニクの産直のうち、「田舎の親戚からの贈り物」が44.7%と25.3%(2001年)を占めており、急速に進む農村高齢化と農家減少を考慮すると、乾燥唐辛子とニンニクにおいても購入先が産直からスーパー・量販店へ移行する可能性は高いと思われる。

 次に、果菜類の購入行動を「韓国農水産物流通公社」が行った調査から考察する。

 調査の概要は以下の通りである(表9)。

(1) 調査機関:韓国農水産物流通公社

(2) 調査品目:すいか、いちご、マクワウリ、ミニトマト、トマト、キュウリ、カボチャ

(3) 調査対象者:ソウル市、釜山市、大邱市、光州市、大田市、蔚山市、全州市、清州市、春川市の1,014世帯(対象都市全世帯数:732万)

(4) 調査方法:標本家計を調査員が対面調査

(5) 調査日時:2003年9月8日~10月4日

表9 都市家計における果菜類の購入行動(2003年)
単位:%

資料:韓国農水産物流通公社「主要農産物の消費パターン調査分析-果菜類・食料作物-」2003年12月から作成
注1)購入先及び代替品目のその他は無回答を含む。
注2)ミニトマト・トマトは重視事項のその他に色6.7%、6.8%を含む。


 主な購入先は在来市場、スーパー、量販店の順になっているが、身近にある零細小売店と行商も重要な購入先となっている。これは果菜類の用途と関係している。果菜類の用途は主にデザートまたは間食である。つまり、果菜類は間食用として最寄りの店で購入する習慣が根強く残っていると言える。

 用途がデザートまたは間食であることは、重視項目と代替品目からも読みとれる。

 代替品目とは、'当該品目の価格が上昇したとき、その品目の替わりにどの品目の購入を増やすか'という問いに対する答えである。

 すいか、いちご、マクワウリは鮮度より味や糖度を重視しており、すいかの代替はマクワウリが最も多いが(果菜類53.1%)、果実も27.1%と多い。いちごの場合は、オレンジが16.5%と最も多く(果実37.7%)、次にミニトマト(果菜類23.6%)となっている。すいかからマクワウリへの代替は41.8%と高いが、マクワウリからすいかへの代替は27.8%に止まっている。また、果菜類への代替(33.6%)を果実への代替(36.1%)が上回っている。ミニトマトとトマトは双方の代替が強い(ミニトマトからトマトへ代替33.5%、トマトからミニトマトへ代替38.3%)。しかし、両品目ともに果実への代替も22.3%、30.3%と高くなっている。

 以上の代替関係の考察から、消費者はすいかやいちご、マクワウリを果実として認識しており、ミニトマトとトマトは果菜と果実の境目にある品目として認識していることが推察できる。

 また、季節ごとに消費の偏りが著しい。その原因は生産にあると思われる。果菜類の出荷最盛期を見てみると、すいかは6月中旬~8月下旬、いちごは2月上旬~6月中旬、マクワウリは4月中旬~8月下旬、ミニトマトは3月中旬~7月中旬、トマトは2月上旬~6月中旬である。購入時の最重視事項として価格と答えた消費者は少ないが、出荷最盛期の低価格時に消費が集中している。

 家計調査の考察において果菜類は、未だ消費の飽和状態に達していないと述べた。それは消費の増減意向から読みとれる。品目によって異なるが、増加の意向は、1割から2割示されている。また、所得の増減に応じて購入量を増減するかに対して、46.5%が増減の意向を示した。その上、所得増加時に最も購入量を増やしたい品目としてすいか、いちご、トマトを挙げている。つまり、今後の所得増加または価格の下落によって果菜類の消費増加は十分あり得ることを示唆している。

4 おわりに

 われわれは1990年代半ばから昨年まで、韓国の野菜生産および消費動向を概観した。生産の動向として、(1)全作付面積は減少しているが、施設作付面積は8万3千ha水準を維持している、(2)施設野菜は果菜類が中心であるが、近年になって洋菜類が急増している、(3)果菜類の反収は地域間のバラツキが大きいが、向上している。また、品質も向上している、(4)果菜類の経営は少ない労働投入で、高い所得率を有していることが分かった。

 また、消費の動向として、(1)野菜の年間1人当たり消費量は約165kgで推移しているが、果菜類を中心に多様化している、(2)全生鮮野菜の食料品支出に占める割合は約7%で、その内果菜類の占める割合は約33%である、(3)野菜の購入先はスーパーや量販店へ移行している、(4)果菜類の消費は出荷最盛期に偏っている、(4)果菜類は果実と代替性が強いことが分かった。

 しかし、展望を下すには、さらに、以上で取りあげていない輸入及び加工の動向も見なければならない。

 輸入が多い品目は調味菜のニンニク、乾燥唐辛子、タマネギである。ニンニクと乾燥唐辛子は恒常的に輸入が増加する品目であり、輸入先は中国である。ニンニクは1999年に4万4千トン(冷凍・加工含む)に達し、その後セーフガード発動によって一次的に減少したが、2003年には再び4万トンを超えた。乾燥唐辛子は加工品の輸入が多く、2003年には乾燥唐辛子換算で4万1千トンである。タマネギは国内の作況次第によって輸入量も大きく変動するが、2003年は9万トンを輸入した。また、看過できない品目としてキムチがある。韓国は2003年に輸入量1万9千トン(輸入先:中国)、輸出量1万3千トン(輸出先:日本)のキムチ純輸入国となった。加工についてみると、1996年の野菜全体加工率3.7%から急増し、2003年には12.3%になった。主な加工材料は白菜(加工率:30.2%、加工品:キムチ)、大根(16.8%、たくあん)、乾燥唐辛子(79.8%、唐辛子味噌)、ニンニク(6.0%、剥きニンニク)である。

 以上のことから、果菜類の国内需給バランスは、生産・消費動向において施設作付面積が伸び悩んでいること、果菜類から洋菜類へ転作が進んでいること、消費の増加が見込めることなどから均衡すると思われる。従って、近年の韓国産果菜類の輸入減少は構造的な現象であると考えられる。

 一方、調味菜類とキムチにおいては、輸入の増加によって白菜・大根および調味菜類の作付面積はさらに減少し、行き場を失った白菜・大根および調味菜類作農家が果菜作へ転作するという見方もできるが、それは容易なことではないと推察される。何故ならば、今後の農政が、農村福祉の増進と農家負債の軽減、食品安全性の確保に重点を置いているからである。

参考文献

姜 景求、韓国産生鮮野菜の輸入動向とその背景、南九州大学、南九州大学研究報告第33号(B)、pp.15-25、2003。

韓国統計庁(http://kosis.nso.go.kr/)「都市家計消費支出」

韓国農林水産物流通公社「都市家計の主要農産物購入及び消費実態―調味菜類・蔬菜類―」2001年12月。

韓国農林水産物流通公社「主要農産物の消費パターン調査分析―果菜類・食料作物―」 2003年12月。

農畜産業振興機構「韓国における主要野菜の生産・流通等の動向」平成16年3月。

農林水産省統計情報部「野菜・果樹品目の統計」平成15年3月。

農林部「品目別競争力向上対策」2004年2月。

農林部(www.maf.go.kr)農林業生産額

農林部「2003蔬菜生産実績」2004年4月。

農林部「2002農畜産物所得資料集」2003年。

農林部「2003蔬菜類加工現況」2004年4月。

農林部「農業・農村総合対策」2004年2月。

農林部「品目別競争力向上対策」2004年2月。




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