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需給動向 野菜情報 2026年9月号

2 首都圏の需要を中心とした9月の見通し

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野菜業務部・調査情報部
 今後の主力産地となる北海道の5~7月の天候は、干ばつや高温はなく、6月は低温気味で7月には雨が多かった。この天候は、ばれいしょやたまねぎなどの生育には良いが、果菜類の生育にはややマイナスとなるものの、大きな影響はないと予想される。現時点(8月初旬)では、9月の野菜の出回りが多めで推移するとは断言できず、9月は、学校給食の再開やイベントの増加に伴って需要が高まり、市場価格は堅調に推移すると見通される。
 
タイトル: p018a
 だいこんは、北海道産(道東)は、現時点(8月初旬)までは平年並みの出荷である。8~9月は、現状のまま横ばいで推移し、10月中旬に減少することが予想される。中心サイズはL・2Lである。北海道(道央)の羊蹄山麓(ようていさんろく)の産地では、7月中旬が出荷のピークで8月はやや減少し、下旬から再び増えてくると予想される。9月前半の出荷物は、播種(はしゅ)時期に当たる7月上・中旬の雨が多く作業ができなかったことから、急減が予想される。9月下旬以降は、再び増えると見込まれる。青森産は、9月までは夏だいこん、10月から秋冬だいこんになる。8月の出荷は少なく、9月中旬から増え始めると予想される。
 
 にんじんは、北海道産の出荷は例年並みの7月21日から始まったが、今年は適度な降雨があり、生育は順調である。9月に入りピークとなり、出荷は10月27日までと見込まれる。作付けは、前年並みの180ヘクタールで、サイズはM中心のLとなると予想される。青森産の秋にんじんは、八甲田山麓の産地で9月15日ごろから出荷が開始されると見通される。中心品種は「向陽二号」で、その他は「アロマ」などである。
 
タイトル: p018b
 キャベツは、群馬産は、6月の梅雨時期の低温傾向から、梅雨明け後には、急に気温が高くなった影響もあり、7月下旬時点で前年より少なめの出荷が続いた。8月も前年を下回り、9月には増えてピークになり、引き続き10月も中旬までは多く、下旬に減少してくると予想される。岩手産は、現時点(8月初旬)では生育は順調で、前年を上回る出荷となっている。作付けを減らしているため、8月は微減で推移し、9月に再度増加し、10月いっぱいまでの計画で、前年を上回る出荷が予想される。
 
 はくさいは、長野産は、標高1200メートル地帯の圃場(ほじょう)からの出荷で、暑さが例年より長く続くと病気の発生が心配されるが、現時点では、8月中は安定した出荷が維持され、9月中旬以降に増加し、ピークは10月上旬と予想される。
 
 ほうれんそうは、岩手産は、作付けの減少もあるが、7月まで多雨傾向だった影響から、現時点では少なめの出荷となっている。梅雨明けし、8月に気温が特別高くなければ、9月はやや増加しながら推移し、10月後半に減少してくると予想される。群馬産は、現時点で伸びが止まっており、茎が細めに仕上がっている。引き続き8月に入っても前年より少なめの出荷が続き、9月に入り平年並みに回復すると予想される。栃木産は、7月中旬に入り、気温が急上昇したため、出荷量は半減した。例年、9月は特に出荷が少なく、近年の傾向としては10月も少ない。通常は11月中旬で切り上がるが、前年は価格が高かったことなどもあり、12月まで多く出荷された。岐阜産は、現時点では前年を上回る出荷となっているが、7月末ごろから8月までは減り、9月に再び増加すると予想される。
 
 ねぎは、北海道の軟白ねぎは9月上旬から出荷が始まり、翌2~3月をピークに4月まで継続して出荷される。今年は、苗の段階で一部生育が悪かったため、数量は前年を下回ると予想される。青森産(津軽)は、夏秋物の出荷となり、6月の低温の影響でやや遅れ気味である。出荷のピークは9月で10月後半から減少してくる見込みである。青森産(八戸)の夏ねぎは出荷が始まっており、ピークは9月となる見込みである。今年の稲刈りは例年より早く始まり、稲刈りに注力する9月の中・下旬は、ねぎの出荷量は減少するが、9月末ごろから再び増加すると予想され、例年は、降雪前の12月10日ごろまでの出荷となる。ここ1~2年は、貯蔵して12月いっぱい出荷する農家が増えてきた。作付けは前年並みである。茨城産は、夏ねぎの残量があり、8月も順調に出荷が続くと見込まれる。9月には減少傾向で推移するが、彼岸ごろ(9月20~26日)には再び増加するものの、10月は大幅な増加はないと見込まれる。
 
 ブロッコリーは、北海道産(道東)は、8月の盆明けから再び増え、9月上旬まで多く出荷され、中旬以降は徐々に減少して10月末ごろに切り上がると予想される。生育は順調であるが、作付けは前年より2ヘクタール減の12ヘクタールとなったことから、数量的には前年を下回ると見込まれる。最盛期の作付けは30ヘクタールあったが、収穫に手間がかかることや価格の低迷も原因となり、大幅に減少している。北海道産(十勝帯広)は、7月の天候不順により、茎の部分に腐れが出やすく品質が悪かった。全体のピークは7月の前半で、その後は減少して推移したまま10月まで出荷されると予想される。作付けは前年並みである。青森産の秋ブロッコリーは、現時点では生育は順調で、9月初めから出荷が開始し、ピークは9月後半と見込まれる。作付けは、減少している。長野産は、8月は少なくなる時期である。9月の秋ブロッコリーは、病気が出やすく作りづらいが、9月末ごろから10月初めごろがピークになると予想される。9月は前年並みの出荷が予想される。
 
 レタスは、長野産(川上村・高冷地)は、8月初旬までは順調に出荷されていたが、急に猛暑になったため、9月には減少して推移すると予想される。猛暑が早めに終われば、9月後半は増えると見込まれる。長野産(洗馬・準高冷地)は、7月末時点では出荷はほとんどなく、8月の盆明けごろから再び出荷が始まり、9月にピークになり、10月下旬に終盤となることが予想される。出荷量は、平年をやや下回ると予想される。群馬産は、日々の出荷量のばらつきが大きく8月も同様の出荷が続き、前年よりも少ないと予想される。今後の天候次第ではあるが、9月10日ごろから増加すると予想される。
 
タイトル: p019
 きゅうりは、福島産は、7月中旬までは順調に出荷されたが、下旬に入りぐずついた天候の影響により減少した。8月10日ごろから再び増えてピークとなり、9月には露地物は少なくなってハウス物が中心になり、前年並みからやや少なめの出荷が見込まれる。群馬産は、抑制物で9月10日ごろから出荷が開始し、10月にピークとなる。ほぼ平年と同様のスケジュールであるが、今年は栽培を休む人が出てきており、作付けは前年を下回っている。埼玉産は、夏秋物は8月までで、ほぼ平年並みの出荷状況である。8月25日ごろから抑制物の出荷が開始し、9月としてはやや多めの出荷量と見込まれる。
 
 なすは、栃木産は、梅雨と7月下旬からの高温の影響により花落ちし、7月末の段階で出荷が少なくなっている。平年より10日程度遅れて8月5日過ぎからピークになり、9月まで潤沢なペースで出荷が続くと予想される。10月15日過ぎから減少して推移すると見込まれる。茨城産は、前年より雨が多く、現時点(8月初旬)では前年を上回る出荷となっており、8月の盆ごろから9月までは前年を上回る出荷が予想される。作付けは増加している。
 
 トマトは、北海道産(日高)は、7月下旬時点で出荷のピークとなっており、8月の盆前まで続くと見込まれる。今年は6月の低温の影響で、前年を下回る出荷となっているが、8~9月は前年を上回る出荷が予想される。茨城産の抑制物は、盆明けから出荷が開始し、9~10月が出荷のピークと予想される。出荷量は前年を上回ると予想される。作付けは、大玉は前年並みで、ミニトマトが増えている。青森産は、前年、前々年は割れ果や日焼け果、さらに軟果が発生し、栽培に苦戦したが、今年は順調に推移し、ほぼ平年並みの盆前にピークとなり、9月も順調に出荷され、前年を上回ると予想される。群馬産は、現時点では前年の85%程度と少なめの出荷量となっている。3段目、4段目の実は大きくなっているが、天候不順により着色遅れが生じている。8月には一気に出荷されてピークとなり、9月も順調に出荷されると予想される。岐阜産は、現時点までは順調に推移しており、8月が出荷のピークとなることが予想される。
 
 ミニトマトは、北海道産(道北)は、低温傾向であったことから、現時点では前年比で80~90%とやや少なめの出荷であるが、8月に入り気温が上昇すると数量が回復し、盆前ごろにピークとなり、引き続き9月も多く出荷されると予想される。10月には減少傾向で推移し、出荷は11月上旬までとなる見込みである。最盛期よりも作付面積は減少しているものの、ここ10年ほどはほぼ横ばいである。品種は「キャロル10」である。
 
 ピーマンは、岩手産は、露地物の出荷が8月に増え、9月いっぱいは潤沢なペースで出荷が続くと予想される。前年は強い干ばつの影響を受け、尻腐れ病が発生して出荷が少なかったが、今年は現時点まで順調で、前年を上回る出荷が予想される。福島産の露地物は例年並みに出荷開始したが、前年に比べるとやや少なめの出荷量となっている。現時点では気温が低いため生育に時間がかかっているが、樹勢は良好で、8月の盆ごろには生育は追いつき、9月の出荷についても例年並みと予想される。10月に入り、下旬に向けて減少傾向で推移すると見込まれる。
 
タイトル: p020
 ばれいしょは、北海道産(道央・空知)は、平年と同様、7月末の「キタアカリ」から出荷開始し、盆前までがピークとなり全般に豊作基調である。本来は「男爵」、「キタアカリ」、「さやか」、「とうや」などの種芋の産地であるが、その他新品種の「ゆめいころ」も本格的に出荷が開始される。北海道産(道東・女満別)は、昨年から栽培が始まった新品種「ゆめいころ」が今年から中心になると見込まれる。盆明けから収穫を始め、8月末ごろから出荷開始して、9月いっぱいがピークとなる。その他9月から「男爵」、「キタアカリ」、「スノーマーチ」、「とうや」、「メークイン」も出荷が始まるが、全般的に豊作基調である。サイズはLが中心となると予想される。北海道産(道央・ようてい)は、8月の盆明けごろから「男爵」の出荷が本格的に始まると予想される。つぼ堀り調査では良好な結果が報告され、サイズはLを中心に9~10月が出荷のピークになることが予想される。
 
 たまねぎは、北海道産(道北・旭川)は商系からの情報であるが、降雨量は平年よりやや多めで、肥大が良く、現状の早生でサイズは2L・L中心の出荷となっており、今後の中生(なかて)晩生(おくて)も同様の仕上がりが予想され、来年の3月まで順調に出回り、令和8年産はかなりの豊作が見込まれる。兵庫産は、8月下旬から10月は短期貯蔵物の出荷となる見込みで、二段階の選別をして出荷するため品質は良好である。
 
 さといもは、静岡産の「石川小芋」は、8月19日から出荷開始となり、週に2回2キログラム箱で出荷する計画である。今年の作柄は特に気象の影響はなく、平年並みの仕上がりが予想され、9月下旬に出荷のピークとなり、10月後半には徐々に減少すると見込まれる。愛媛産は、東予特産の「女早生」が例年と同様に9月10日ごろからの出荷が予想され、9月はLサイズ中心にMの出荷で、来年の5月上旬までの出荷が継続すると見込まれる。
 
タイトル: p021
 セロリ(セルリー)は、長野産は7月までは順調に出荷されたが、8月の出荷物については生理障害が発生したり、栽培を休む生産者がいるため少なくなると見込まれる。8月は、7月末ごろの数量で横ばいで推移し、ハウス物が始まる10月に入ってから再び増えると予想される。
 北海道産は、露地物が8月盆前後にピークが来て、9月中旬までの出荷と予想される。7月に入っての高温と多雨の影響でダメージも一部見られるが、平年並みと見込まれる。
 
 カリフラワーは、長野産は、8月の盆明けから再び出荷が増え始め、9月いっぱいは多く出荷され、10月に入り減少して推移すると予想される。
 
 かぼちゃは、北海道産(道北・きたはるか)は、一部に病虫害の発生が見られるが、ほぼ問題なく順調に推移し、出荷のピークは9月下旬から10月中旬と見込まれる。例年と同様、11月から冬至のかぼちゃ需要に向けて出荷を開始する。前年は高温や8月の降雨の影響により、圃場でダメージが発生したが、今年は天候の影響がなければ前年を上回る出荷が予想される。北海道産(道北・名寄)は盆明けから選果を開始し、8月末ごろから市場に入荷し、9月末ごろがピークと予想される。産地の気温が今年は総じて低めで推移し、特に夜温が低いことから生育の進みが遅かった。かぼちゃの樹は出来上がっており、定期的な降雨もあり作柄は良好である。当初の品種は「味早太」で、メインとなる晩生は「ほっこりうらら」である。
 
 スイートコーン(とうもろこし)は、北海道産(道北)の出荷のピークは、8月5~8日ごろとなり、9月10日過ぎまでまとまった数量で出荷できると予想される。品種は「ゴールドラッシュ」のみである。
 
 かんしょは、茨城産は、今年は産地が5月までほぼ干ばつが続いたが、6月に入ると多雨で、当初の遅れを取り戻したものの、今後の遅く植えた圃場での立ち枯れなどの病気が懸念される。9月初めから掘り採りを始める「シルクスイート」は、比較的早い段階での出荷が可能である。「べにはるか」は10月初めから掘り採り開始となるが、約一カ月貯蔵して出荷するのが良いため、出荷時期は11月以降と見込まれる。
 
 えだまめは、千葉産の「小糸在来」は、早くて10月10日ごろから出荷開始の見込みである。定植は順調に行われたが、猛暑の影響で、平年作をやや下回った前年並みと予想される。群馬産は、8月の出荷量は横ばいで推移したが、9月に入り減少しながら推移し、10月中旬まではまとまった数量の出荷があり、平年並みと見込まれる。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)