今年の6月から7月初めにかけては、平年並みの梅雨の降雨があり、各品目とも生育はおおむね順調で、平年並みに出荷が開始する。西南暖地産や平野部で生産される野菜は早めに切り上がり、高原産や東北・北海道産の引き合いが強まると見込まれる。東北・北海道は、干ばつに加え、やや低温気味だったため、品目によっては遅れている。特に北海道産は、ここ数年の5~6月は干ばつ・気温高になりがちであった。前年は、大幅に前進して7月に多く出荷され、8月に出荷されるべき物が少なく、小売側も商品の調達と売り場構成が難しかったと思われる。今年の気温は平年並みで、地域によってはやや冷涼であったため、今年の果菜類の出荷量は平年通り8月の盆前後がピークになり、7~8月の市場価格は安定した展開になると予想される。
だいこんは、北海道(道央)の産地では、前年より1日早い6月30日から選果を開始した。生育は平年並みで、7月中・下旬にはピークとなり、8~10月も前年を上回ると予想される。北海道(道東)の産地は、現時点(7月初旬)までの天候はほぼ平年並みで、例年と同じ7月15日頃から共選を開始し、出荷のピークは8~9月、サイズはL中心と見込まれる。
にんじんは、北海道(道東・斜里)産は例年通り7月21日から出荷が始まり、10月いっぱいまで継続する。品種は「
晩抽天翔」で、当初のサイズはMが中心と予想される。北海道(道東・美幌)産は、今年の雪解けが早く
播種作業も順調で、生育時の気温や降雨も適度であった。前年より若干早く7月下旬から出荷が開始し、ピークは9月初め頃と予想される。品種は、8月までは「晩抽天翔」で、9月以降は「向陽2号」である。
キャベツは、群馬産は、現時点(7月初旬)までは平年並みの出荷となっている。8月に入りピークとなり、9月いっぱい続くと見込まれる。サイズはほぼ通常の大きさで、1箱8玉が中心となる。岩手産は、干ばつ気味で推移し生育が緩慢であったが、6月下旬の降雨と気温の上昇により回復してきた。7月には計画に追いつき出そろって、20日前後に最初のピークを迎えると見込まれる。前年は6~7月に雨が全く降らず、8月の出荷は平年の半分程度となったが、今年は、今後かなりの高温続きでなければ平年並みの出荷で、9月に入りいったん減少し、10月には再び増加すると予想される。長野産の生育は順調で、ピークは7月中旬から8月上旬となり、その後、小玉傾向になり減ってくると予想される。
はくさいは、長野産は、平年並みの出荷であるが大玉傾向で、箱数が伸びている。7月いっぱいでキャベツに切り替わり、はくさいの出荷は少なくなるが、8月下旬から再び増え始め、10月が秋のピークとなると予想される。
ほうれんそうは、岩手産は、降雨が少ない影響により生育が停滞し、出荷量が伸びていない。8月は7月の7割程度に減り、再び増加するのは9月に入ってからと見込まれる。前年は、高温などの影響を受け、8月は例年の80%まで減少していたため、今年が平年作であれば、前年を上回ると予想される。作付けは、他品目への切り替えなどがあり、前年の80~90%と減少している。群馬産は、6月に入っても気温が涼しく、露地物は7月前半まで順調に出荷され、屋根掛物は7月に入ってピークを迎え、8月の盆明けになって数量が減少してくると予想される。屋根掛物の作付けは増加している。栃木産は、標高800~1200メートル地帯の
圃場からの出荷で、現時点では平年並みの出荷となっている。6月末頃がピークとなり、7月以降やや減少傾向で推移し、9月に出荷量が最も減り、10月には再び増加することが予想される。極端な気象の影響がなければ、前年を上回る出荷が予想される。岐阜産は、6月中旬までがピークで7~8月の出荷は少ないものの、前年の105~110%の出荷量が予想される。9月に入り涼しくなると、再び増加が見込まれる。
ねぎは、北海道産は、露地物が7月末頃から始まり、8月いっぱいまで前年並みの出荷が見込まれる。ハウス物も前年並みで、出荷は10月まで継続することが見込まれる。青森産は、4~5月の干ばつで生育が遅れたため7月1日から出荷が始まり、9月のピークに向けて8月は増加傾向で推移すると見込まれる。出荷は12月中旬まで継続する計画である。
ブロッコリーは、北海道産は、6月が低温傾向で推移したため生育がやや遅れており、7月4日頃から収穫が始まり、ピークは7月8日から20日頃までと予想される。その後は減少し、盆明けから9月初め頃までが2回目のピークとなると予想される。作付けは減少した。長野産は、6月末頃が出荷のピークで、7月に入り減少し、8月は6月のピーク時の6割程度となる例年並みの展開が予想される。8月の終わり頃から再び増加し、11月いっぱいまで出荷が継続すると見込まれる。
レタスは、長野産は、6月までの降雨が多く、一部の畑でダメージが見られた。7月に入り梅雨が明けると、8月は通常通りの出荷が予想される。群馬産は、計画よりもやや早まり、7月中旬にはやや減少し、気象などの影響がなければ、8月いっぱいはそのまま推移すると見込まれる。今年は梅雨らしい天候で、出荷は平年並みであり、自然災害がなければ前年を上回る出荷が予想される。
きゅうりは、福島産は、中心となるハウス物と雨除け物が海の日(本年は7月20日)前後から出荷され、8月上旬がピークと予想される。露地物は7月上旬から出荷を開始し、8月上旬に一度ピークとなり、8月下旬から9月上旬にかけて、再度ピークが来ると予想される。埼玉産は、8月中は夏きゅうりの出荷で、9月に入って抑制物に切り替わる。
なすは、栃木産は生育が順調で、露地物は5月の連休明けから出荷が始まっているが、ピークは7月20日前後となり、その後、盆前までは多少の増減はあるが、潤沢な出荷ペースが維持されると見込まれる。引き続き天候に問題がなければ、9月20日頃までの出荷が予想される。前年は8月中旬に高温の影響を受け減少した。今年は作付けが増えているため、前年を上回る出荷量が見込まれる。
トマトは、北海道産(道央)は、出荷のピークが7月初めに一度あり、その後、8月初め頃に二度目のピークが予想される。作付面積は93ヘクタールで、前年より5%減少した。サイズはL中心と予想され、品種は「桃太郎ブライト」である。北海道産(道南)は、例年通り5月下旬から出荷を開始し、出荷のピークも盆前と予想される。作付けは微増で、中心品種は「桃太郎ブライト」と「れおん®」である。青森産は、前進傾向であった前年よりも遅れており、梅雨入りで着色が進まず、現時点(7月初旬)で前年の80%の出荷ペースである。7月10日頃に一度ピークがあり、その後、一定の出荷ペースが続くと予想される。作型を後ろにずらして、盆明けがピークとなるよう調整している農家が増えているため、盆前に特別大きなピークはないと見込まれる。岩手産は、平年並みに6月中旬から出荷開始し、前年と同様ピークは海の日頃から盆前までである。品種は「りんか」で、サイズはL・Mが中心となると見込まれる。福島産は、農家が購入苗を用いるケースが多くなり、やや後植えの人が増えている。基本的には、例年と変わらず晩霜を警戒して7月上旬から出荷が開始し、8月中旬がピークとなると予想される。中心の品種は「桃太郎みなみ」である。岐阜産は、前倒しで出荷された前年の80%程度となっている。ほぼ例年並みの出荷ペースで、8月がピークと予想される。作付けは前年並みである。
ミニトマトは、北海道産は、ほぼ例年と同様7月から出荷開始され、ピークは8月と予想される。作付けは前年並みである。
ピーマンは、岩手産は全般に出遅れて、6月末の段階で前年の70%程度の出荷となっている。露地物は、例年であれば7月初めに出荷開始するが、今年は7月中旬からと2週間程度遅れている。ハウス物は、最低気温が低い日が続いたため、初期生育にばらつきが出ている。今年は、海の日頃に出荷が多くなり、8月は前年並みかつ平年並みと予想される。福島産は、ハウス物とトンネル物の出荷が始まったところである。中心作型となる5月下旬に定植した露地物は、平年並みの海の日前後から出荷され、ピークは盆を挟む8月中旬と予想される。作付けは微減で、今後は干ばつとなることが懸念材料であるが、猛暑であった前年が極端に落ち込まなかったため、前年と同程度の出荷が予想される。
ばれいしょは、北海道産の「今金男しゃく」は、先に始まるマルチ物が早く作業を開始し、前年よりもやや早めの7月25日から掘り取りを開始し、盆頃にピークが来ると予想される。通常作の出荷開始は、9月10日前後と予想される。北海道産(道央)の男爵薯は、例年並みの8月20日から出荷開始の計画である。前年の作付けは、男爵薯が1200ヘクタールで、うち200ヘクタールを9月下旬からの品種であるきたかむいに変更した。羊蹄山周辺の気象は平年並みの状況で、サイズはL大中心と予想される。北海道産(十勝)のメークインは、8月下旬から出荷が開始するが、作付けは130ヘクタールと、前年から20ヘクタール減少し、この減少分はポテトチップ用品種に切り替えられた。
たまねぎは、北海道産(道北)は、植え付けも早く始まり前進傾向のため、8月1日から選果作業が開始する。今年の北見の天候は、極端な高温はなくむしろ冷涼であった。降雨は月に20ミリメートルほどであったため、もう一雨欲しいところである。収穫のピークは9~10月で、不作で少なかった前年を上回ると予想される。北海道産(道央)は、平年並みかやや早めの7月下旬から東京市場への出荷が開始し、ピークは8月中旬から9月と予想される。前年は不作であったが、今年は一転して豊作基調となっており、中心サイズはL大と見込まれる。
さといもは、千葉産の石川早生は、例年通り7月下旬から出荷が開始し、盆明け頃から9月上旬がピークとなり、9月いっぱい出荷が継続すると見込まれる。現時点(7月初旬)の生育は、日照不足の影響で草丈がやや短めであるが、台風や強風による葉の損傷はなかった。
セロリ(セルリー)は、長野産の露地物で、現時点(7月初旬)での生育は順調である。8月の出荷も、7月と同程度のペースで平年並みと予想される。
かぼちゃは、北海道産(上川・名寄)は、8月の盆明けから出荷が開始し、ピークは9月2週目から9月いっぱいで、10月1週目までの出荷が見込まれる。品種は早いものから順に「味早太」、「味平」、「ほっこりうらら」とつながれ、ほぼ例年と同様の展開で、貯蔵販売はない。北海道産(上川・きたはるか)は、順調に生育し9月初め頃から出荷が開始する。作付けは前年並みで、品種は「くりゆたか」が中心である。
スイートコーン(とうもろこし)は、北海道産は、8月8~10日頃に出荷が開始すると予想される。作付けは前年並みで、品種は「味来」、「恵味」である。群馬産の作付けは増えており、出荷のピークは7月20日過ぎから8月10日頃までと予想され、品種は「ゴールドラッシュ」と「恵味」が中心となる。
れんこんは、茨城産の新れんこんは、例年より7日早い5月31日から出荷が始まった。春先の気温が安定し、6月の強風や台風でも葉の損傷が少なく、豊作傾向のため潤沢な出荷が予想される。当初は2キログラム箱で出荷され、7月に入り4キログラム箱に切り替わると見込まれる。サイズはM中心と予想される。
かんしょは、徳島産の「なると金時 里むすめ」が、7月初めから出荷が開始された。作柄としては気象上の問題もなく平年作であるが、当初は例年と同様に小ぶりのものが多くなると見込まれる。
にんにくは、青森産は、前年より若干肥大は良好であるが、それでも平年より小ぶりの仕上がりである。乾燥物は、盆明けから出荷開始される見込みである。
メロンは、北海道産は、青肉品種の「らいでんクラウンメロン」が7月下旬から東京市場への出荷が始まり、盆明け頃がピークと予想される。以降は、赤肉品種となり、出荷期間は「ティアラ」が7月5日から9月中旬まで、「ルピアレッド」は7月中旬から8月中旬まで、「レッド01」は盆頃から9月初めまで、「レッド113」は9月1日から10月初め頃までと見込まれる。数量的には、赤肉の品種が中心になっている。
すいかは、長野産は出荷中で、8月下旬に入り減少し9月初め頃までと予想される。前年は高温の影響で畑でのロスもあったが、今年は前年を上回る出荷が予想される。
えだまめは、山形産の「だだちゃ豆」が7月に入り本格的に増えて、出荷のピークは8月中旬と予想される。作付けは、前年の102%と増えている。青森産は、6月下旬から低温が続いた影響により生育が遅れ、豆が膨らまず、当初予想よりも一週間遅れて7月8日頃からの出荷開始が見込まれる。品種は「湯あがり娘」、「ゆかた娘」といずれも茶豆である。作付けは、最も多かった平成15年頃と比べると4分の1まで減少している。えだまめから、価格が高いにんにくや、作業が簡単なピーマンへ転作されている。
いんげんは、福島産は、主力の平
莢系は、現時点では順調に出荷されている。8月下旬に端境期となり少なくなるが、9月には再び増えてくると予想される。前年は花落ちなどにより減少したが、今年は作付けがやや減っており、前年より特段多くなるわけではないと見込まれる。丸莢系の「いちず」のピークは7月で、8月には減少すると見込まれる。北海道産は7月20日から出荷開始し、10月まで安定的に出荷される。品種は丸莢系の「ピテナ」で、道内市場のほか、大阪や名古屋、静岡に出荷される。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)