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需給動向 野菜情報 2026年6月号

2 首都圏の需要を中心とした6月の見通し

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野菜業務部・調査情報部
 令和7年の4月は低温傾向であったが、8年は晴天と雨天の入れ替わりと寒暖差が激しかった。北海道・東北は、雪解けが早かったが寒の戻りを警戒し、作の前進はなかった。関東以北は、3~4月は全般に晴れの日が続き、露地野菜は潤沢に入荷し、価格が低下した。しかし、九州地方は4月以降、雨天が多く日照不足が否めない。特にばれいしょ類の遅れが目立ち、学校給食納入業者は、品不足で困っている。ニュースでは、エルニーニョ発生かとの報が届いており、かつては北冷西暑の傾向と注釈されたが、昨今では夏の猛暑の出現傾向が強いといわれている。確実に40年前とは違ってきている。5月は、梅雨入り前に晴天が少しでも続けば、果菜類を中心に出回りは引き続き多いと予想され、市場価格がこのまま安値で推移すれば、早めに切り上がる予定とする産地も多い。6月後半から7月は、物不足で高値になる展開が予想される。
 
タイトル: p017a
 だいこんは、青森産の夏だいこんは例年と同様に5月下旬から出荷開始が見込まれ、6月に1回目のピークが来て、その後は10月までの長いシーズンとなる。作付けは前年並みで、生育は順調でサイズはL中心と予想される。北海道産(道央)は、雪解けが例年より一週間早かったものの、4月30日でもマイナスの気温を記録しており、(ちゅう)(だい)を警戒して定植を早められない。例年通り、大型連休明けから定植し、7月初め頃から出荷開始が予想される。千葉産は5月20日頃までは量的に多いが、その後は減少して推移し、6月15日以降は、市場の動向によっては出荷の終了が見込まれる。物自体は7月初め頃まであると予想される。
 
 にんじんは、千葉産の夏にんじんは生育順調で、例年と同様に5月中旬から始まり、ピークは6月上・中旬と予想される。作付けは前年並みで、切り上がりは7月上旬と見込まれる。品種は「(あや)(ほまれ)」で、サイズはL中心と予想される。青森産は、6月下旬から7月いっぱいの出荷が予想される。作付けは前年並みで、中心品種は「(べに)(よし)」である。サイズはM中心と見込まれる。茨城産の春にんじんは、例年より若干早めの5月10日前後から始まる。6月が出荷のピークで、7月上旬に切り上がる。品種は「紅ひなた」で、サイズの中心はL・Mと見込まれる。
 
タイトル: p017b
 キャベツは、岩手産は、例年並みの6月15日頃から始まり、7月に入り出荷が出そろい、中旬には1回目のピークとなると予想される。作付けは前年並みで、春系の品種である。全般に少雨傾向であるが干ばつはなく、生育は順調である。千葉産(県北)は、5月の連休明けから増え、6月に出荷のピークとなり、7月は減少しながら推移すると見込まれる。1~2月の干ばつにより、若干小ぶりに仕上がっているが、病気は見られない。作付けは前年並みである。千葉産(海匝(かいそう))は5月前半まで定植が続き、最終出荷は7月までと予想される。今年の作柄は、2月まで続いた干ばつの影響により出荷減であったが、現時点(5月初旬)では、平年並みの出荷量に戻ってきた。6月についても、平年並みの出荷が予想される。愛知産は7日程度早まっているため、6月上旬までは潤沢な出荷が見込まれるが、その後は減少しながら推移すると予想される。
 
 はくさいは、長野産は5月末頃から標高1100メートルの物の出荷が開始し、7月には1300メートル圃場(ほじょう)の物となると見込まれる。天候はやや干ばつ気味で、6月は作付けを抑えており、そのため出荷量は前年並みかやや少なめと予想される。

 ほうれんそうは、群馬産は露地物のピークとなっているが、天候に恵まれ生育が早い。5月20日頃まで出荷はやや多く、6月に入って雨除け物となり、安定して出荷されるであろう。栃木産はやや早めの5月中・下旬に出荷開始となり、ピークは6月中旬で、その後はそのまま横ばいで推移すると見込まれる。作付けは若干減少している。標高800メートルの圃場からの出荷となり、やや干ばつ気味であるが生育順調である。埼玉産は、6月いっぱいは一定のペースで出荷が続き、その後はこまつなとちんげんさいの作業が中心となることが見込まれる。
 
 ねぎは、茨城産は3~4月は適度な気温と降雨があり、5月の初夏ねぎの出荷は平年を10%程度上回ると予想される。6月も引き続き順調で、平年並みの出荷が予想される。7月25日頃にはかなり減少するが、8~9月も一定量の出荷が続くと見込まれる。千葉産の初夏ねぎは、例年よりやや細めの仕上がりになっている。6月いっぱいは潤沢に出荷できるが、7月から秋口まではいったん少なめの出荷が続くと見込まれる。埼玉産は、5月いっぱいは春ねぎの予定であるが、気温高や急な降雨など天候が落ち着かず、切り上がりが早まる可能性がある。6月中旬から本格化する夏ねぎは、7月中旬で終了する見込みである。
 
 ブロッコリーは、長野産は例年と同様に5月11日の週から出荷が開始し、標高1000メートル地帯からの出荷となり、6~7月がピークで、8月には減少してくると予想される。作付けは前年並みである。青森産は6月初めから出荷開始し、6月いっぱいで切り上がると予想される。米価高により水田に戻したこと、さらに連作障害が目立ってきたことにより、作付けは前年の30%まで減少した。北海道産は、6月20日頃から出荷開始となり、出荷のピークは7月で、8月にはやや減少に向かうと予想される。作付けは、令和7年は6年比で大幅に減少したが、今年はさらに前年を下回ると予想される。
 
 レタスは、長野産は5月下旬には標高1100メートルの圃場から出荷が開始される見込みである。気温高の傾向から、やや早めの展開で、6月下旬から7月にかけてピークとなり、16玉・14玉サイズが中心と予想される。群馬産は、5月の大型連休頃に当面のピークとなり、5月20日過ぎにはいったん減り、6月上旬に再びピークを迎えると予想される。その後7月も多めの出荷となり、8月の盆過ぎに減ってくる展開が予想される。
 
タイトル: p018
 きゅうりは、福島産の無加温物は5月中・下旬に出そろい、5月の連休明けから露地物が始まり、6月中旬には出そろってくる見込みである。出荷には波があるが、当面のピークは7月である。現状では朝晩の冷え込みはあるが、日中は日が差し込み、生育は順調である。宮城産のハウス物は当初遅れたが、4月に入りまとまってきて、現時点では例年並みの状況であり、引き続き5月も順調で6月20日頃から露地物の開始が見込まれる。作付けは前年並みである。埼玉産の無加温物は、全体の7~8割を占めるが、加温物も含めて5月の連休明けにピークとなり、その後いったんやや減って2回目のピークが5月下旬から6月5日頃になると予想される。選果場は7月10日まで稼働し、6月としては前年並みと予想される。
 
 なすは、福岡産は現時点(5月初旬)では量的には出ているが、4月の天候不順で出荷は伸び悩み、予想を下回っている。前年は5月中旬にかなり多めに出荷され、6月に入り夜温が高くなって出荷が減少した。今後、5月の連休明けの天候が回復すれば、潤沢な出荷ペースに戻ると見込まれる。共選は、7月10日までである。高知産は、5月上旬の終わり頃から中旬の初めにピークとなり、その後、6月は一定のペースの出荷が続き、価格によっては、切り上がる生産者もいると予想される。天候は、交互に雨と晴れとなっているが、晴れても日照が少ないといった状況である。茨城産の露地物の産地は、例年通り5月下旬から出荷が始まり、6~7月上旬にピークが来て、中旬から徐々に減少し、秋まで一定のペースで継続すると予想される。猛暑だった前年は、8月上旬になり、ヤケ、ボケが発生し出荷量が減少した。
 
 トマトは、山形産は、5月26日か27日から出荷開始が見込まれる。定植時もその後の生育も天候に恵まれ、順調な出荷が予想される。作付けはやや減である。1回目のピークは6月15日の週となり、2回目は7月に入ってからと見込まれる。品種は「りんか」が80~90%を占め、6月の中心サイズは2L・Lと予想される。青森産は、6月中旬に出荷が開始し、ピークは8月初めから盆前頃と予想される。中心品種は「りんか409」で、作付けは前年より若干減となる見込みである。栃木産(県央)は、昨年11月から始まった越冬物と、今年の1月中旬から始まった促成物となるが、4月20日頃にピークとなり、もう一度5月中・下旬にピークが来た後、6月に入り漸減して推移し、7月上旬に切り上がると見込まれる。作付けは減で、出荷量は前年の80~90%と予想される。品種は「かれん」と「桃太郎系」が半々である。栃木産(県南)は、越冬物と3月定植の雨除け物の出荷となり、越冬物は5月いっぱいで切り上がり、雨除け物は7月をピークに6~8月の出荷で、いずれも生育は順調である。品種は「りんか」が中心で、サイズはMが中心と見込まれる。
 
 ミニトマトは、和歌山産は現時点で例年と同様に出荷のピークを迎えているが、5月下旬には一段落してきて、6月には減少しながら推移し、6月いっぱいで切り上がると見込まれる。佐賀産は、現時点までは前年並みの出荷であるが、6月は減りながら推移し、6月いっぱいで切り上がると見込まれる。
 
 ピーマンは、茨城産は、4月末時点では曇天と低温が続き、少なめの出荷となっていたが、今後、無加温物が増えてくれば5月中旬から微増ペースとなり、天候に問題がなければ6月にかけて増えてくると予想され、7月下旬にはほぼ切り上がると見込まれる。岩手産は、4月末時点で定植中であるが、このハウス物は5月20日前後から出荷開始し、露地物は5月から定植が始まり、早くて6月2週目からの出荷が予想される。
 
タイトル: p019
 ばれいしょは、静岡産は、「三方(みかた)(はら)男爵」より遅れて始まる湖西の男爵の出荷が5月20日頃からと予想される。本来は7月の出荷に比重を置いた産地であるが、7月の出荷は高温の影響でロスが多くなっていることに加え、種芋の入手が遅れたことも影響し、作付けがやや減っている。今年は4月後半の雨が多く、今後の天候次第では6月の出荷はそれほど多くならないことも予想される。長崎産は、生育は順調で出荷開始も早かった。しかし、4月に入り降雨の日が多く、5月の連休も降雨が続き、収穫ができない状況にある。今後、晴天が続けば、その後に潤沢に出荷できると見込まれる。計画は6月いっぱいまでであるが、7月まで継続すると予想される。
 
 たまねぎは、兵庫産は、5月初旬から早生の収穫が始まり、5月に入りピークとなり、20日からは中早生が始まる。早生は現時点まではやや豊作気味である。6月に入って中生の品種となり、6月10日には晩生も開始すると見込まれる。田植え作業があるため、6月20日から一週間程度はやや出荷が減少すると見込まれる。佐賀産は、現時点では早生物の出荷のピークを迎えているが、晴天の日が続かず、収穫は遅れている。5月中旬には中生の収穫が開始するが、6月には田植え作業があるため、いったん出荷は減少すると予想される。収穫後は乾燥できる貯蔵庫に収納されるが、令和8年産については豊作傾向で、現時点のサイズは2L中心で、5月の連休明けにはL中心となると見込まれる。
 
 さといもは、鹿児島産は、5月の連休明けから農協の受け入れが開始し、5~6月が出荷のピークとなり、7月に切り上がると見込まれる。サイズは、2L・Lが中心であるが、1~2月の干ばつでやや形状が悪い。品種は「石川早生」である。
 
タイトル: p020
 アスパラガスは、新潟産は、例年より早めの4月から出荷が開始し、ピークは5月下旬から6月初め頃と予想され、7月10日までの出荷が計画されている。昨年の秋の状況からすると、株の充実度は特段悪くない。長野産は、4月8日から始まり、5月の連休明け頃にピークが来ると予想される。例年よりも雪解けが早まり、出荷開始が20日程度早まったが、現時点まではやや干ばつ気味で寒暖差が激しい。今年は前進したため、6月の出荷量が少なめと見込まれる。
 
 セロリ(セルリー)は、長野産は、ハウス物がほぼ例年並みの5月8日から出荷開始し、6月下旬から7月がピークと予想される。作付けは前年並みで、生育は順調である。
 
 カリフラワーは、新潟産はこれから定植が始まり、6月10日以降に出荷が開始し、出荷は6月いっぱいと予想される。
 
 かぼちゃは、神奈川産は、早い物は5月20日過ぎから出荷が開始し、6月下旬から7月上旬がピークとなると見込まれる。ピーク時に出荷される物の着果が始まるのは、5月に入ってからで、トンネル物であるが着果から50日かかることから、5月の天候を見守りたい。茨城産のハウス物は、前年と同様5月20日から出荷開始し、ピークは6月と予想される。トンネル物は6月から7月末頃までの出荷が予想され、現時点までの生育は順調である。
 
 スイートコーン(とうもろこし)は、埼玉産は、今年は順調で、ほぼ前年並みを予想している。5月末からトンネル物が始まり、露地に切り換わるのが6月17日頃からと予想している。品種は「味来」である。千葉産は、ハウス物は5月で終了し、6月はトンネル物と露地物になるが、6月がピークである。品種は「ゴールドラッシュ」である。海匝地域の露地物は、6月20日前後から始まると予想される。
 
 にがうり(ゴーヤ、ツルレイシ)は、長崎産は、生育順調で前年並みの4月30日から出荷を開始し、5月末から6月初め頃までピークとなり、出荷は7月いっぱいまでと見込まれる。作付けは、前年の90%と減っている。
 
 メロンは、千葉産の「貴味(タカミ)メロン」は、ほぼ例年並みの6月初めから出荷が開始し、ピークは6月から7月前半で、7月末には切り上がると見込まれる。交配は始まっているが、4月末に降雨があり、その後は急に暑くなるなど、ヤケの発生が心配される。生産者の高齢化に加え、資材費が一斉に値上がりし、生産意欲が減退して作付けはやや減少した。
 
 すいかは、鳥取産は、ほぼ例年並みに5月末頃から出荷が開始し、ピークは6月下旬と予想される。4月10日から交配が始まり、おおむね順調である。離農者やメロンに切り替える生産者がいるため、作付面積はやや減少している。品種は「祭ばやしRG」である。
 北海道産の「でんすけすいか」は6月20日から出荷が開始し、ピークは7月20日頃と予想される。作付けは前年に比べ微減である。
 
 えだまめは、群馬産は6月初旬から出荷が始まり、7~8月がピークと予想される。標高300~700メートルの圃場からの出荷となるが、全般的に降雨が少なく、6月は例年を下回る出荷が予想される。昨夏は猛暑・干ばつであったが、群馬県下の農協の実績値には、それほど大きな影響はなく、暑さ対策の技術が進展していると言えるだろう。埼玉産は、ハウス物が4月19日から出荷開始し、5月中旬までと予想される。露地物は、5月の連休明けに白毛の物から始まり、5月20日前後から本格化し、その後は右肩上がりに増えて、7月20日頃に一段落するが、出荷は9月いっぱいまで続くと見込まれる。千葉産は、ハウス物が5月の連休中にまとまって、ピークは5月末頃と見込まれる。露地物は、6月15日頃から出荷が開始する。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)