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需給動向 野菜情報 2026年5月号

2 首都圏の需要を中心とした5月の見通し

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野菜業務部・調査情報部
 3月末から4月の初め頃にかけては、全国的に雨天が続いた。東北では、4月初めに珍しく降雪があった。3月までの天候は、日照時間が太平洋側で長く安定し、果菜類を中心に潤沢に入荷した。
 4月は平年より気温が高めの予報となっており、寒さで出遅れた前年を上回り、全国的に出回りは多くなると予想される。気温が高めで推移すると、4・5月は成り疲れが心配される。また、3月から燃料価格が高騰しているが、設定温度を1度でも下げると、その後に減収を招きやすい。過去10~20年の春から初夏の出回りを見ると、夏の高温のリスクを避けて作型が若干早まっている。4~5月が多めに入荷すると、6~7月が品薄となることも想定される。全般に産地リレーはスムーズで、価格も平年並みの推移が予想される。

タイトル: p018a
 だいこんは、千葉(東葛)産は、3月18日に出荷が開始し、3月末頃から増えてきて、順調である。干ばつと寒さが長引き、肥大の悪いMサイズも多くなっている。4月上旬がピークで、4月いっぱいで切り上がると見込まれる。千葉(海匝)産のトンネル物は、4月がピークで、5月10日頃まで多く出荷されるであろう。その後は徐々に減って、5月いっぱいでほぼ終了が見込まれる。サイズは、2L・Lが中心となり全般に順調である。青森産は、5月24日頃から出荷が開始し、6月がピークとなる。その後、10月中旬まで長いシーズンとなるが、盆頃にいったん出荷が休止する。4月2日に積雪があったが、その後は温暖で推移するため問題ないと予想される。
 
 にんじんは、徳島産は、4月6日の週から本格的に増え、5月10~15日頃まではそのまま潤沢な出荷ペースが維持されると見込まれる。サイズは、3月末の段階では、L・M・Sサイズであったが、4月に入りM・Lに、4月下旬にはL・M・2Lと肥大しながら推移すると予想される。5月15日過ぎには減り始め、6月にはかなり少なくなり、6月10日頃までの出荷が見込まれる。作柄としては、干ばつ傾向であったものの平年作で、最後まで高い品質が維持されると予想される。茨城産の春にんじんは、早い生産者が5月上旬から出荷を開始し、全体的には中旬から始まると見込まれる。サイズは、当初はMが中心であるが、ピーク時の6月にはL・Mが中心になってくると予想される。作付けは前年並みで、品種は「紅ひなた」である。千葉産は、前年の12月播種(はしゅ)物が5月13日頃から出荷開始し、6月いっぱいをめどに出荷される。1月()きは、干ばつの影響で出芽率が悪かった。2Lサイズが多くなれば、出荷量の挽回もできるが、そうでなければ、6月には平年を下回る出荷量となることが予想される。品種は「彩誉」と「アロマ809」などである。

タイトル: p018b
 キャベツは、千葉産は4月上旬までは少なく中旬から増え、5月中旬にピークを迎えると見込まれる。6月上旬までピークが続くが、シーズン中間に出荷される品種が中心になってくることが予想される。愛知産の冬キャベツは、5月の大型連休(以下「大型連休」という)前には切り上がり、さらに春キャベツも終わって、5月にはシーズン中間に「みつき」や、夏の品種「初恋」が中心になると見込まれる。4月いっぱいは順調に入荷し、5月にはそのまま横ばいから徐々に減る展開と予想される。干ばつ気味のため、小ぶりの仕上がりで、高温による病気の発生も懸念される。豊川用水からの潅水(かんすい)は確保されている。茨城産の夏のキャベツは、5月中旬から出荷が始まるが、寒玉系のみである。ピークは6月に入ってからで、7月上旬には切り上がると見込まれる。現状では順調な生育で、8玉サイズ中心の出荷が予想される。
 
 はくさいは、長野産は定植のタイミングは変わらなかったが、天候に恵まれて生育が良く出荷はやや早まる見込みである。標高900メートル地帯からの出荷となり、5月15日過ぎには開始し、6月20日頃まで順調に出荷される見込みである。茨城産は、現時点(4月初旬)で春はくさいは出荷のピークに入っており、4月20日頃まで継続する見込みである。その後は減ってきて、6月初めまでとなっている。現在までのところ順調であるが、今後、寒暖差が激しければ芯の動きが早まることを注視する必要がある。
 
 ほうれんそうは、群馬産は露地物となり、4月20日過ぎから本格的に出荷が増え、5月が当面のピークと見込まれ、6月10日頃から屋根掛け物も増えてくると見込まれる。作付けは前年並みだが、雨除け物がやや増えている。岐阜産は、雪割り物は地元市場には例年より10日早く出荷を開始した。4月15日には春播き物も始まり、大型連休からピークが予想される。東京市場には少しずつ入荷が開始しており、5月20日以降に本格的な増加が見込まれる。
 
 ねぎは、茨城産は5月に入り初夏ねぎとなる。生育は順調で、規格はALを中心に6月も引き続き多いと見込まれる。埼玉産は、4月1日から春ねぎになったが、ほぼ平年並みの状況で、4月はこのままピークが続き、大型連休頃に減って、5月末までの出荷と予想される。千葉産は春ねぎが増えてきて、秋冬物と交代の時期である。秋冬ねぎは、不作のまま終盤を迎えると見込まれる。春ねぎは5~6月がピークとなり、そのまま7月の夏ねぎに切り替わり、7月いっぱいまで出荷される見込みである。春ねぎは令和6年産より少なく、前年並みが予想される。
 
 ブロッコリーは、埼玉産は、現時点(4月初旬)で春物の出始めとなっているが、突風でマルチ被覆が剥がされ、7日程度の遅れとなっている。出荷のピークは4月20日から5月上旬前半までと見込まれ、その後は減りながら推移し、5月下旬には切り上がると予想される。熊本産は、現時点は端境となっており、出荷が少なくなっている。生育は順調で春作のピークは、4月下旬から5月上旬まで続き、その後は減少してくると予想される。愛知産は、現時点は春物の出始めで、品種の切り替え時期となっている。豊川用水の水量不足で節水を余儀なくされているため、土壌の水分が不足しており例年より遅れているが、当面のピークは4月下旬から5月にかけてとなり、6月に入り減少して推移すると見込まれる。5月は前年並みの出荷が予想される。
 
 レタスは、長野産は生育順調で、例年と同様に4月中旬から出荷が開始し、4月下旬から5月上旬にかけて増え、ピークとなると予想される。茨城産は、地区によっては4月いっぱいで切り上がるところもあるが、5月いっぱいは前年並みの出荷が予想される。群馬産は、ほぼ平年と同様4月10日過ぎから出荷が開始し、大型連休頃にピークが来て5月20日頃まで多く、下旬にいったん減ると予想される。圃場(ほじょう)は、標高200~300メートル地帯で、徐々に高い圃場へと移っていく。兵庫産は作付けの減少もあり、現状では前年を下回っている。5月末には切り上がり時期を迎えるが、出荷は徐々に減りながら推移すると見込まれる。

タイトル: p019
 きゅうりは、埼玉産は、加温物と無加温物となり、5月出荷が全体のピークである。6月中旬に入ると、減少傾向で推移すると予想される。前年は、4月の気温が低かったため出荷量が少なくピークがずれたため、6月に多く出荷された。今年も、今後の天候によって出荷量の変動が少なくないと予想される。福島産は、現時点で、加温物の出荷が開始したところであるが、夜温が低く生育が遅れている。作型の中心である雨除け物は、定植が始まったところで、出荷開始は5月上旬からとなり、ピークは6月上旬からと予想される。群馬産は、3月までは順調に推移し、引き続き4月も問題ないと見込まれるが、3月10日頃から燃料価格が高騰しており、この影響が5月に出てくる可能性がある。5月の出荷分は4月の天候の影響を大きく受けるため、燃料をたいて加温するか否かにより、5月は思ったほどには出荷ができないという展開も予想される。
 
 なすは、高知産は現時点では予想より多めの出荷となっている。品種(PCお竜)の特徴として、4月に入ると成り疲れから減少する時期があるが、4月末頃に再び増えて5月前半に全体としてのピークとなり、6月に入り徐々に切り上がってくると見込まれる。茨城産は、露地物の出荷である。5月中旬から出荷が始まり、当面のピークは6月となり、出荷は9月まで継続すると見込まれる。作付面積は増えている。福岡産の長なすの生育はかなり順調で、例年より多く出荷されている。適度な寒暖差が功を奏し、5月も平年を上回る出荷が予想され、6月に入ってから少なくなってくることが見込まれる。
 
 トマトは、熊本産は、現時点では例年より少ない出荷となっている。例年であれば、この谷間は3月に来るべきところであるが、定植が遅れたことにより4月にずれた。大型連休前頃から再び増え始めていったん落ち着き、5月下旬に再度ピークがくると予想される。福岡産は、生育順調で増えてきており、大型連休頃が最大のピークと予想される。4月末には摘心(てきしん)(植物の成長停止または枝葉増加のために茎の先端部分を摘む作業)に入るが、6月まで大きな減収はないと予想される。愛知産は、長期採りの物もあるが、冬に定植した春採りの物が4月中・下旬から出始め、5~6月がピークとなると予想される。品種は「かれん」で、サイズはL・M中心の大玉傾向と予想される。佐賀産は、出荷のピークは4~5月で、出荷の早い生産者は5月中旬には切り上がってくると見込まれる。サイズはL・M中心で、ほぼ6月いっぱいの出荷が予想される。千葉産は半促成物で、病気もなく順調で、4月下旬後半から出荷が開始し、6月がピークと予想される。品種は「桃太郎トマト」である。
 
 ミニトマトは、愛知産は長期物となるが、4~5月が全体のピークとなり、切り上がりは7月に入ってからと見込まれる。品種は「小鈴」が中心である。
 
 ピーマンは、茨城産は、2月の出荷量は少なく、3月は平年並みに回復したものの、3月末から4月初め頃の天候不順により、数量はいったん減少すると見込まれる。5月に入り、遅く植えた無加温物の出荷が開始し、さらに4月の天候が回復すれば、数量も平年並みに回復すると予想される。前年の5月は、4月の低温で出荷量が少なかったが、今年は病虫害の発生がなく前年を上回る見込みである。高知産は、順調に出荷されており、今のところ成り疲れによる減少はなく、6月までこのペースが続くことも予想される。ただし、4月以降の天候が崩れれば、5月に減少の可能性もある。選果は7月10日までの予定であるが、6月いっぱいでほとんど切り上がると見込まれる。岩手産は、ハウス物が例年通り4月に入ってから定植され、5月10日過ぎから出荷開始し、1回目のピークは6月20日前後となると予想されるが、特別大きな山ではないと見込まれる。全体の70%を占める露地物の出荷開始は、6月に入ってからと見込まれる。ハウス物の作付面積は微増である。

タイトル: p020
 ばれいしょは、静岡産の「三方原馬鈴薯(男爵)」は、例年とほぼ同じ大型連休明けから出荷開始されると見込まれる。2~3月に一部で降霜被害が発生し、干ばつ傾向のため玉の肥大不足が心配されるが、4月以降の降雨が鍵を握り、出荷のピークは6月上旬と見込まれる。鹿児島産の早春物は平年並みであったが、前年より出荷は多かった。春ばれいしょは、4月下旬から始まり、大型連休辺りにピークを迎え、5月いっぱいで切り上がると見込まれる。出荷量は、2月の降雪や降霜による被害が大きく、平年より少なめと予想される。長崎産は、現時点(4月初旬)で春ばれいしょの掘り採りが開始したが、市場に届くのは前年より一週間ほど早い4月7日頃からとなり、出荷のピークは大型連休明け頃で、その後は減少しながら推移し、7月上旬までの出荷と見込まれる。前年は2月の低温の影響で遅れて始まり、後半の生育は盛り返したものの、梅雨明けが早く、高温により6月中旬以降は、選果の段階でダメージの発生が多く、出荷量は大幅に減少した。それでも前年は令和6年を上回る実績を残した。8年についても、2月上旬に霜害があったが、その後は回復しており、今のところ7年を上回ると予想される。
 
 たまねぎは、兵庫産は、現時点では早生(わせ)物の出荷開始の時期で、4月10日過ぎから5月中旬までがピークとなる、5月下旬から中早生となり、6月には中生(なかて)が中心になってくると予想される。玉の肥大は良好で、全体のピークは貯蔵が始まる7月に入ってからと見込まれる。千葉産は4月から出荷が開始し、5月に入りピークとなり6月中旬には切り上がると見込まれる。生育初期は干ばつで玉肥大の不足が心配されたが、3月に入り降雨があって盛り返し、サイズは4月はL、5月上旬から2L・L、後半には3Lが中心になると予想される。作付けは前年並みである。佐賀産は、3月末の時点では極早生物が始まったところである。4月中旬には早生に切り換わり、5月は早生中心の販売になろう。ほぼ例年と同様の展開で、サイズもL中心が予想される。6月に入ると田植えに注力するため、たまねぎの作業に時間を割けずに、いったん減るが、7月には再び増えてくると見込まれる。

タイトル: p021
 アスパラガスは、北海道産のハウス物は、4月1日から出荷が開始した。例年より融雪が早く、最近の降雨もあり4~5日早まった。東京市場へは、露地物が始まる5月15日過ぎから出荷が開始する見込みである。株の充実については、令和7年秋口の天候不順の影響によりそれほど良くないと予想され、立茎物の出荷計画はない。
 
 にらは、山形産は例年通りであれば、5月に入ってから出荷が開始し、5月末頃に一度ピークが来ると予想される。天候から判断すると、やや早まる傾向にあると予想され、10月20日頃までの計画である。栃木産は、周年出荷の産地であるが、通常は9月から増え始め、12月~翌2月がピークである。その後は減少傾向で推移し、5月は4月よりも減ると予想される。現時点で生育は良好で、例年並みの出荷が予想される。
 
 カリフラワーは、茨城産は4~5月が出荷のピークとなるが、今年は干ばつの影響でやや遅れた。出荷は6月中旬までの計画であり、現時点までの生育は順調である。
 
 かぼちゃは、鹿児島産のハウス物の出荷は5月15日前後から始まる。この時期に出荷されるハウス物の交配は順調に終了したが、この後のトンネル物については、交配の始まる前に降雨があったため、着果が心配される。ハウス物のピークは5月いっぱいと予想される。品種は「えびす」がほとんどである。
 
 スイートコーン(とうもろこし)は、山梨産の出荷の始まりは、前年よりやや早めで、平年並みと見込まれる。5月末頃から湯たんぽ(水を入れた容器を太陽光で蓄熱し、夜間の地温低下を防ぐ)による加温物が始まり、その後は二重トンネル物、一重物、そして露地物と、順次、作を変更した物となり、6月がピークとなる。作付面積は前年並みで、品種は「ゴールドラッシュ」である。
 
 れいし(ゴーヤー)は、沖縄産は、2月に多く出た成り疲れと、3月上中旬が冷え込んだ影響により、現時点では予想したほど増えてきていないが、4月下旬には再び増えて、5月には再度減少傾向となると予想される。5月は、露地物も始まり、後半には数量も増えてくるであろう。宮崎産は、現時点でハウス物は出荷開始しているが、ピークは6月に入ってからとなり、露地物は6月に入ってから出荷開始し、全体のピークは7月と予想される。作付面積はやや減少している。

 かぶは、青森産は、4月に入って降雪があったことから大幅な前進はなく、5月10~15日頃には出荷が開始すると予想される。不織布によるベタ掛け栽培で、6月中旬がピークになると見込まれる。
 
 えだまめは、静岡産は5月に入っても引き続きハウス栽培物で、生育は順調で5月末頃から6月いっぱいがピークとなり、5月に入り200グラムパックの出荷が予想される。
 
 豆野菜は、そらまめは、愛媛産は前年よりやや早めの4月中旬頃から始まり、大型連休中にピークになると予想される。出荷は、5月末頃まで続くと見込まれる。さやの付きは良好で、作柄としては良好と予想される。宮城産は、5月下旬から出荷開始し、ほぼ平年並みと予想される。今年は冬場から降雨が少なかったにもかかわらず、生育は平年並みである。例年は、ピークが6月上旬に来て20日頃には切り上がるが、年々このタイミングが早まる傾向にある。
 スナップえんどうは、福島産(西部)は雪解けが例年より早く、5月下旬からの出荷開始となり、ピークは6月上旬と予想される。作付面積はやや減少している。福島産(東部)のハウス物の出荷は始まっているが、4月中旬にピークとなり、そのまま5月初め頃まで多いと予想される。露地物は4月下旬に始まり、5月上旬から中旬がピークで、6月に入り減ってくると予想される。作付けは前年よりやや減である。
 さやいんげんは、福島産は、一部の生産者が5月下旬から出荷を開始するが、ほとんどは6月中旬からとなり、ピークは7月中旬と見込まれる。品種は平(さや)のジャンボいんげんである。
 
 メロンは、茨城産は現時点までの着果は順調で、5月中旬から例年通り出荷が始まり、ピークは6月13日前後と見込まれる。品種は「貴味(タカミ)メロン」となるが、作付けは前年並みである。
 
 らっきょうは、鳥取産は5月末頃から出荷開始され、ピークは6月最初の週となり、6月20日前後に切り上がると予想される。生育は年明けの寒波の影響により遅れており、作柄は定植時期の降雨の影響が残り、豊作と言える状況ではない。干ばつ傾向で、玉肥大の不足が心配される。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)