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需給動向 野菜情報 2026年2月号

2 首都圏の需要を中心とした2月の見通し

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野菜振興部・調査情報部
 1月に入り、昨年末から現時点(令和8年1月初旬)までの天候が良い。7年の1月初旬頃は、北日本や日本海側は大雪であったが、年明けまでは積雪が少なめである。野菜の主力産地は、総じて晴天となっており、潤沢な出回りが続くと予想される。好天が続きすぎると、3月以降に出荷の谷間ができることがあり、また、この時期の干ばつは生育に影響するおそれもあるが、降雨の予測は立ちにくい。供給される野菜の質が高く、家庭の冷蔵庫でも持ちが良い。北海道産のたまねぎおよびばれいしょは不作で高値となっているが、その他の野菜は、消費者にとっては買いやすい価格となっている。前年の高値の反動もあろうが、総じて市場価格は2月まで安値で推移すると見込まれる。西日本に交通麻痺が生じるほどの積雪があれば、価格が高騰する展開も予想される。
 
タイトル: p017a
 だいこんは、千葉産は、ある程度順調な生育となっている。トンネル物の春だいこんの播種(はしゅ)が遅れて、1月下旬から2月中旬の端境で出荷減少の時期が予想される。2月の間は、Lサイズ中心で出荷されると見込まれる。神奈川産は、全体的に小ぶりの出荷となっていたが、12月後半の降雨で平年並みの2Lサイズが中心となってきている。1~3月はほぼ平準のペースで、前年並みの出荷が予想される。静岡産は、12月中は順調に出荷され、ピークは1月下旬から2月上旬になると予想される。前年は細物が多く出荷数量は伸び悩んだが、今年は肥大が順調で、前年を上回る出荷が見込まれる。気温は特段の低温はなく、年末に降雨があったものの全般として干ばつ傾向である。徳島産は、太物が多く豊作傾向である。出荷のピークは1月で、2~3月は減少しながら推移し、3月いっぱいで切り上がる見込みである。

 にんじんは、千葉産は干ばつが続いたことに加え、収穫時期の降雨が影響して12月の出荷は少なかった。生育は順調で、出荷のピークは1月下旬から2月中であり、Lサイズ中心と予想される。出荷は3月まで継続する見込みである。徳島産は、2月下旬から収穫が始まるが、東京市場への出荷は3月に入ってからとなり、4月から5月10日頃までは、潤沢に出荷できる見込みである。作付面積は前年並みで、中心となる品種は「彩誉」であり、次いで「七彩5」である。
 
タイトル: p017b
 キャベツは、千葉産は12月までは前年を上回る出荷となり、晴天が続き適度な降雨もあり生育は順調で、病気も少なかった。1月も順調に出荷され、2月中・下旬は1月の8割程度まで減少するが、3月下旬から再び増えてくると予想される。神奈川産は、12月までは干ばつの影響で生育が遅れ、やや少なめの出荷となった。年明けには徐々に回復し、2月までは平年並みの出荷となる見込みである。当面は、冬系キャベツであるが、2月後半から春系の品種に切り替わる。本春の「金系201号」は、早い生産者が2月末頃から出荷を始める予定だが、その時点ではまだ少ないと見込まれる。愛知産は、12月は少なめの出荷であったが、終盤には増えてきた。1~3月は平年並みで、ほぼ平準通りの出荷が予想される。冬系キャベツで、中心は8玉サイズである。
 
 はくさいは、茨城産は12月まではある程度の出荷はできたが、6玉サイズが中心で、大型のサイズは少なかった。1月までは潤沢なペースを維持できるが、2月以降は前年と同様の展開で後半には減ってくることが見込まれる。秋冬はくさいは、10月に冷え込みが早く来たため、今後についても肥大は期待できないと予想される。
 
 ほうれんそうは、栃木産は12月に入り急激に寒くなり、出荷ペースが落ち着いてきた。2月も引き続きトンネル物とハウス物が中心で、平年並みの出荷が予想される。「ちぢみほうれんそう」は、例年12月中旬から出荷が始まるが、播種時期の暑さでまき直したため前年より少なく、1月に出荷が開始すると予想される。埼玉産は、2月までは順調に出荷されると見込まれるが、作付けは減少しており、量的には前年を下回ると予想される。群馬産は、12月までは干ばつもあり若干遅れ気味であったが、1月からは順調に出荷が始まっている。全量がハウスでの栽培で、1~2月も大きく増えることはなく、平年並みに出荷できると見込まれる。
 
 ねぎは、埼玉産は10月下旬から始まった秋冬物が、干ばつと冷え込みにより肥大が悪かったため、12月までの出荷量は例年の半分程度と少なかった。年明けからは肥大が回復し、出荷する農家も揃ってきて、2月には前年並みの出荷が見込まれる。茨城産は現時点では前年を上回って順調に出荷されており、1~2月の出荷分についても、残量は十分にある。春ねぎは3月1日頃から出荷開始し、引き続き潤沢なペースで維持されると見込まれる。唯一の懸念材料は、雨が少なく肥大不足になることである。
 
 レタスは、静岡産は12月までは平年を上回る出荷となり、大玉が多くなった影響から、単価安となった。年明け以降は干ばつが続くと予想され、逆に小玉傾向に仕上がっていくと予想される。2月出荷分については、定植も問題なく残量も十分にあり、今後も平準的なペースの出荷が予想される。茨城産は、トンネル物もハウス物も低温と干ばつで出遅れている。目立って増えるのは2月中旬からで、3月には平年並みの出荷が期待される。兵庫産は12月までのところ、やや前進気味に順調に出荷された。1月には厳寒期でやや減少し、3月には再び増えてピークとなることが見込まれる。作付けの減少もあり、年明けは前年を下回る出荷と予想している。長崎産は、12月中はやや前倒し気味で出荷され、年明けは順調ではあるものの平年並みで、3月が当面のピークとなり、5月には切り上がると見込まれる。
 
タイトル: p018
 きゅうりは、群馬産は1月20日頃から例年並みに本格化してくるが、恵方巻き需要では青果用よりも加工用を使うようになり、以前に比べて市場での手当てが早期化している。1月初旬までのところ天気が良く、日中の気温が高くなっているため、根の張りがやや弱く、これが3月の出荷物に影響を及ぼすことが心配される。高知産は、12月中は順調に出荷され、1~2月も安定した出荷が続き、3月が最大のピークとなると予想される。
 
 なすは、福岡産は12月中は平年並みの出荷となったが、1月後半から2月にかけては徐々に増えながら推移すると見込まれる。年末年始は冷え込んだが、昼間の気温は高く、品質は良好である。
 
 トマトは、愛知産は12月までは、前年の90%程度と少なめの出荷が続いたが、1~2月は平年並みで推移すると見込まれる。3月後半から徐々に増え始め、5月が最大のピークと予想される。福岡産は、12月は大玉に仕上がり、前年を上回った。1~2月出荷のものについては着果しており、平年並みの出荷が予想される。現時点では3月の出荷物の花が咲いており、病気の発生も見られない。佐賀産は、「光樹とまと」は例年と変わらず1月10日前後からの出荷となり、最大のピークは4~5月である。作付けがやや減っているが、その他は問題なく生育も順調である。栃木産の冬春トマトは「かれん」で、現時点では平年並みの生育状況である。害虫の発生が多いが、出荷に影響はないと見込まれる。2月は、前年並みかやや少なめで推移し、3月がピークと予想される。現時点ではMサイズが中心であるが、2月にはやや大玉に仕上がると予想される。熊本産は、年明けも例年の80~90%と少なめで、平準的な出荷の展開が予想される。
 
 ミニトマトは、熊本産は、12月までは定植時期の高温で出荷が少なく、また、一部の圃場(ほじょう)で浸水などの被害があり、定植し直しも行われたため、出荷時期が後ろにずれ込んだ。1月に入って回復し、2~3月は厳寒期で出荷が鈍る時期でもあるが、順調に増えて最大のピークは4~5月と見込まれる。
 
 ピーマンは、宮崎産は高温障害の影響で実止まりが悪く12月は少なめの出荷となったが、1月以降は徐々に回復し、3~4月がピークと予想される。2月までは前年並みかやや少なめの出荷と予想される。茨城産は、1~2月は温室物と春ピーマンとなるが、生育は順調である。春物の定植は12月から2月いっぱいまで続くことが見込まれる。生育順調で、出荷の早い生産者では1月下旬から始まるが、2月はそれほど多くなく、3月に入り量的にまとまってくると見込まれる。温室物は順調と予想される。高知産は、12月の初旬は前年よりも多かった。気温は高めに推移し、生育は順調であった。1~2月は厳寒期でそれほど多くならないが、例年通りの出荷が予想される。
 
タイトル: p019a
 ばれいしょは、北海道産は、令和7年産については総体の収穫量が前年の60%程度と少ない。Lサイズが中心で小玉傾向ではないが、例年は、地下に10個程度なるところが6個程度と少なかった。鹿児島産は、島嶼部から「ニシユタカ」の出荷が始まったが、植え付けが2週間程度遅れた影響により、出荷開始も後ろにずれた。2月10日頃から本格的に増えて、3月が出荷のピークと見込まれる。前年は、鳥獣被害が多く、出荷量がかなり少なかったことから、平年作でも前年をかなり上回る出荷が予想される。
 
 たまねぎは、北海道産(道央)は、最終出荷は例年より早く、2月下旬までと見込まれる。7年産は単収ベースで前年の73%と少なかった。Lサイズは全体の43%、Mサイズは34%とやや小玉傾向であり、出荷量は前年の70%程度になると見込まれる。静岡産は、年明けの初荷から始まり、作柄が悪かった前年よりも量的に多くなった。葉付きのホワイトは1月いっぱいで終わり、2月には切り玉に切り替わる。黄玉は2月中旬がピークで、全般的に大玉傾向で前倒し気味であり、3~4月まで出荷される。機械ではなく人手による収穫のため、人員確保が課題である。北海道産(商系情報)によると、3月までの市場出荷は前年の60%と少ない見込みとなっている。現時点の品種は「北もみじ」で、市場に出荷されないSサイズが全体の30~40%を占めている。
 
 さといもは、埼玉産の7年産は、干ばつの影響により全般的に細めの仕上がりになった。年明けは伏せ込みしたものの出荷となり、量的には前年を下回ると見込まれる。今年も品質は問題なく、例年通り4~5月まで出荷が継続すると予想される。
 
タイトル: p019b
 ブロッコリーは、埼玉産は1~2月は秋冬物で、春ブロッコリーは3月下旬から始まる。その端境を埋める品種も用意され、出荷に長い谷間はないと見込まれる。現時点では、低温の影響により少なめの出荷となっているが、2月に入り増えてくると見込まれる。少なかった前年を上回るが、令和6年と比べると少なめの出荷が予想される。愛知産は12月まではやや少なめであったが、年末の降雨で回復し、年明けは増えてきている。2月が当面のピークで、3月も引き続き多く出荷されると予想される。春ブロッコリーの出荷は4月から開始する。香川産は、12月の秋冬物は平年並みの出荷となり、年明けも順調で、2月に入りやや減ってくるが、3月には春物になって再び増えてくるといった平年並みの展開が予想される。今後の天候に左右されるが、今のところ現時点では前年並みと予想される。熊本産のピークは4~5月で、年末から2月にかけては出荷が少ない時期であるが、一定のペースで出荷が続き、2月下旬から3月にいったん出荷のピークがくると予想される。
 
 カリフラワーは、福岡産は、10~11月に乾燥が続いたことに加え、寒さが厳しかったことも影響し、年内はかなり出荷が遅れ、年明けになって12月の出荷分が出てきている。12月に入りようやく降雨があったが、品質が悪くロスも多かった。現時点では畑に残量は十分にあり、1月下旬にはかなりまとまってきて2~3月がピークとなろう。
 
 アスパラガスは、佐賀産は、2月15日過ぎから出荷が始まり、3月がピークとなる見込みである。低温に当たる期間が足りず、休眠から覚めにくくやや出遅れも予想されるが、株の充実度は平年並みで、悪くないと見込まれる。
 
 いちごは、佐賀産は「いちごさん」が出荷されるが、秋の高温で花芽が着くのが遅く、例年は9月20日頃に定植されたが、令和7年は10月1日頃と10日程度遅れた。この定植時期の10日の遅れは、出荷時期には半月の遅れになる。12月20日時点の出荷実績は前年の40%であったが、年末には76%まで回復した。1~2月は途切れることなく、連続して出荷されるであろう。作付けは前年の94%と、かなりの程度減っている。
 
 かぼちゃは、輸入のニュージーランド産が、2月から本格化してくる。作柄は順調で、4月のボリュームが一番大きい。
 
 かんしょは、茨城産は年明けも引き続き「(べに)(ゆう)()(べにはるか)」となるが、年内は掘り採りが遅れたため少なめの出荷となった。年明けも正品が少ないため、市場への出荷も少なめと予想される。その分だけ加工に回る量が増えるが、干ばつの影響が強く、細くて曲がった物が多く収穫された。「べにまさり」は2月中旬から出荷が始まってくるが、例年並みの大きさに仕上がっている。徳島産は、12月が出荷のピークで、1月から少しずつ減少する見込みであるが、5月まで計画的に販売していく。太い物が例年より多く、全般的に豊作傾向である。
 
 ナバナは、千葉産は12月に降雨があり、順調に出荷された。年明けは干ばつ気味であり、2月中・下旬が出荷のピークと予想している。状況としては平年並みの推移であるが、前年より多く出荷されるであろう。
 
 たけのこは、熊本産は、ごく少数の農家を除いて県下では裏年である。前年の6~8月に続いた雨不足の影響により、現時点では出遅れているものの、2月に入り毎日出荷され、当面のピークは3月中旬で、4月上旬まで多く出荷できると見込まれる。
 
 豆野菜は、スナップえんどうは、鹿児島産は7年は夏の高温や雨が少ないことが影響し、実入りが悪く生育緩慢であったが、年末からようやく増えてきた。1月は平年並みで、2月に最大のピークとなることが予想される。寒害などもなく、作柄は悪くない。
 そらまめは、鹿児島産は、実止まりが悪く、12月の出荷は少なかった。1月から徐々に増えて、3月にピークが来ると見込まれる。作付けは前年並みである。
 グリーンピース(実えんどう)は、鹿児島産は生育は順調で、年明けから増え、2月下旬から3月上旬に出荷のピークが来ると予想される。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)