上旬の旬平均気温は、暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ日もあったため、全国的にかなり高かった。旬平均気温平年差は、北日本で+2.2度、西日本で+3.0度、沖縄・奄美で+2.9度となり、1946年の統計開始以降10月上旬として、沖縄・奄美では1位、北・西日本では1位タイの高温となった。旬降水量は、西日本で3日から4日にかけて本州付近を通過した低気圧や前線の影響で大雨となった所があり、3日には長崎県の厳原で日降水量278.0ミリメートルを観測し10月の極値を記録した。また、9日には、本州の南岸を通過した台風第22号の影響により、伊豆諸島では暴風や大雨となった所があり、伊豆諸島南部では線状降水帯が発生した。旬間日照時間は、北日本日本海側でかなり多かった。沖縄・奄美では平年比160%と1961年の統計開始以降10月上旬として1位の多照となった。
中旬の旬平均気温は、旬平均気温平年差が西日本で+4.6度、沖縄・奄美で+2.8度となり、1946年の統計開始以降10月中旬として1位の高温となった。12日には、鹿児島県の肝付前田で、観測史上最も遅い猛暑日を観測した。旬降水量は、北日本と東・西日本の日本海側で低気圧や停滞前線、湿った空気の影響を受けやすく多かった。13日には、台風第23号の影響を受けた伊豆諸島で大雨となった。沖縄・奄美では、旬の終わりに湿った空気の影響を受け多かった。旬間日照時間は、北日本太平洋側と東日本日本海側でかなり少なく、北・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった。沖縄・奄美は、高気圧に覆われて晴れた日が多くかなり多かった。
下旬の旬平均気温は、寒気の影響を受け、特に晴れの日が少なかった北・東日本でかなり低かった。一方、停滞前線の南側にあって、暖かい空気に覆われやすかった沖縄・奄美ではかなり高かった。旬降水量は、前半は強いシベリア高気圧が西日本付近まで張り出すとともに、日本の南には前線が停滞し、期間後半は、低気圧と高気圧が交互に日本付近を通過した。低気圧通過後には、北日本に寒気が流れ込んだ。このため、全国的に曇りや雨の日が多かった。沖縄・奄美は、熱帯低気圧や湿った空気、停滞前線の影響を受けて旬降水量がかなり多かった。旬間日照時間は全国的に少ない所が多く、北日本日本海側と沖縄・奄美ではかなり少なかった。特に沖縄・奄美では、平年比が43%で、1961年の統計開始以降、10月下旬として最も少なかった。
旬別の平均気温、降水量、日照時間は図1の通り。
