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需給動向 野菜情報 2025年11月号

4 野菜の輸入動向(令和7年8月)

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野菜振興部

【ポイント】

 2025年8月の野菜輸入量は、20万8810トン(前年同月比2%減)となった。生鮮野菜、塩蔵等野菜及びその他が前年同月を上回ったものの、冷凍野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品及びその他調製野菜が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月をわずかに下回った。

(1)令和7年8月(速報値)

 8月の輸入量は、生鮮野菜(同年同月比2%増)、塩蔵等野菜(同5%増)が前年同月を上回った。冷凍野菜(同3%減)、乾燥野菜(同8%減)、酢調製野菜(同16%減)、トマト加工品(同2%減)、その他調製野菜(同6%減)は、前年同月を下回った。
 野菜全体としての令和7年の輸入量は20万8810トンとなり、年初から前年同月を上回って推移してきたが、8月に初めて同2%減と下回った(図1、表1)。



(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、しょうが、にんじん、キャベツなどが前年を大幅に上回った一方、ばれいしょ、ジャンボピーマン、たまねぎなどが前年を下回り、全体では5万3012トン(前年同月比2%増)と前年をわずかに上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったしょうがの輸入先の内訳は、1位が中国の1427トン、2位がタイの82トンであった。主産地である高知産が、前年は不作だったことから、前年を上回るペースで輸入が続いている。中国産には及ばないものの、タイ産の数量も増えている。
 二番目はにんじんで、輸入先の内訳は1位が中国の9329トン、2位が豪州の150トン、3位が米国の12トンであった。年初より不作傾向が続いている中、夏場は青森産や北海道産に切り替わったものの、細物傾向で加工・業務用を中心に輸入品の引き合いが強かった。
 三番目はキャベツで、輸入先は中国のみで1490トンであった。国産の価格は落ち着き、平年を下回る展開となったが、輸入量は前年同月を2割程度上回った。
 一方、減少率が最も高かったばれいしょの輸入先の内訳は、1位が米国3297トン、2位が中国の8トンとなった。
 二番目はジャンボピーマンで、1位が韓国の780トン、第2位がオランダの475トン、第3位がカナダの49トンであった。韓国産は、大幅に数量を減らした前年並みのペースとなっている。
 三番目はたまねぎで、1位が中国の2万4420トン、2位がニュージーランドの380トン、3位が豪州の32トンであった。国産の不作が続き、前年並みの輸入数量が続いている。
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。



(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリー、さといもなどが前年を上回った一方、スイートコーン、ばれいしょ、いちごなどが前年をかなり下回り、全体では9万5622トン(前年同月比3%減)となった(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったブロッコリーの輸入先の内訳は、1位がエクアドルの4008トン、2位が中国の3675トン、3位がポルトガルの34トンであった。エクアドル産は、前年を上回る数量が続いており、8月は前年比1.5倍となった。
 二番目はさといもで、輸入先は1位が中国の1613トン、2位が台湾の4トン、3位がバングラデシュの2トンであった。国内産の数量が少ない上に小玉傾向であることから、安定的な輸入が続いている。
 一方、最も減少率が高かったスイートコーンの輸入先の内訳は、1位が米国の1443トン、2位がタイの1272トン、3位が中国の553トンであった。
 二番目はばれいしょで、輸入先の内訳は、1位が米国の1万9481トン、2位が中国の5225トン、3位がオランダの3608トンであった。
 三番目はいちごで、輸入先の内訳は1位が中国の859トン、2位がエジプトの408トン、3位がチリの349トンであった。


 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトピューレ等関割が1305トン(前年同月比179%増)、その他調製野菜のきのこ(加糖、無糖・気密・気密以外)が1289トン(同38%増)、同しょうが(その他)が1338トン(同21%増)、にんじんジュースが1607トン(同55%減)などとなった。
 
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