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需給動向 野菜情報 2025年10月号

4 野菜の輸入動向(令和7年7月)

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野菜振興部

【要約】

  7月の輸入量は、生鮮野菜、冷凍野菜が前年同月をかなり上回った一方で、塩蔵等野菜、乾燥野菜、酢調整野菜、トマト加工品はいずれも前年同月を下回った。生鮮野菜および冷凍野菜の伸びが他の減少分を上回ったことから、野菜全体で見ると、前年同月比6%増となった。

(1)令和7年7月(速報値)

 令和7年7月の野菜輸入量は、24万8473トン(前年同月比6%増)となった。生鮮野菜は前年同月をかなり大きく上回り、その中で最も増加した生鮮のキャベツは、前年同月比で約2倍となった。この時期の国産の価格は平年並みであったものの、業務用を中心に一定数量の輸入が定着しているものとみられる。冷凍野菜は、前年同月比8%増と前年をかなりの程度上回り、これらの増加から全体の輸入量も増加した(図1、表1)。



(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、ばれいしょ、しょうがなどが前年を大幅に上回った一方、ジャンボピーマンなどが前年をかなり大きく下回り、全体では6万2877トン(前年同月比15%増)と前年をかなり大きく上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先は、中国のみで1716トンであった。1~3月は国内産の不作から、輸入数量が前年比40倍を超える場面もあり、中国だけでなく台湾、ベトナム、韓国からも輸入が見られたが、6月以降は中国のみからの輸入に戻っている。
 二番目はばれいしょで、輸入先の内訳は1位が米国の6302トン、2位が中国の6トンであった。米国からの生鮮ばれいしょは生食用ではなく、チップス用限定である。
 三番目はしょうがで、輸入先は1位が中国の1658トン、2位がタイの29トンであった。国産は前年の高温と干ばつの影響により全国的に高値で取引されており、年明け以降、前年を上回る輸入が続いている。
 一方、減少率が最も高かったジャンボピーマンの輸入先の内訳は、1位が韓国の2336トン、2位がオランダの62トン、3位がカナダの24トンであった。ジャンボピーマンは、韓国産が中心だが、大幅に輸入数量を減らした前年並みのペースの入荷量となっている。
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。



(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ばれいしょ、スイートコーンが前年を大幅に上回り、ほうれんそう等がかなりの程度上回った一方、いちごが前年を大幅に下回り、いんげん豆等、えんどうが前年をかなりの程度下回り、全体では11万3206トン(前年同月比8%増)となった(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったばれいしょの輸入先の内訳は、1位が米国の2万3839トン、2位が中国の6134トン、3位がオランダの3427トンであった。年初来から7カ月連続で、中国からの数量は前年を大幅に上回っている。上位3位には入らないものの、インドからの数量が前年の2倍を上回り伸びている。
 二番目はスイートコーンで、輸入先の内訳は、1位が米国の2111トン、2位がタイの1852トン、3位が中国の1019トンであった。上位3カ国の中では、タイからの輸入数量が前年を大幅に上回るペースとなっている。
 三番目はほうれんそう等で、輸入先の内訳は、1位が中国の4830トン、2位がエクアドルの30トン、3位が台湾の26トンであった。
 一方、最も減少率が高かったいちごの輸入先の内訳は、1位が中国の745トン、2位がエジプトの624トン、3位がモロッコの554トンであった。5~6月に比べると、数量は4割強減少した。
 二番目はいんげん豆等で、輸入先の内訳は、1位が中国の1220トン、2位がタイの483トン、3位がインドの176トンであった。
 三番目はえんどうで、輸入先の内訳は、1位が中国の511トン、2位がニュージーランドの256トン、3位が米国の221トンであった。



 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、その他調整野菜のしょうが2223トン(前年同月比17%増)、酢調整野菜のしょうが1650トン(同5%増)、その他調整やさいのたけのこ3987トン(同10%減)などであった。
 
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