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需給動向 野菜情報 2025年9月号

野菜の輸入動向(令和7年6月)

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野菜振興部

【要約】

 6月の輸入量は、塩蔵等野菜および乾燥野菜は前年同月を下回ったものの、前年の高温・干ばつの影響の残る生鮮しょうがの輸入が引き続き多かったことや、冷凍では国内で高値が続くさといもや需要期を向かえたえだまめが前年同月を大幅に上回ったことなどから、野菜全体で見ると、前年同月比は6%増となった。

(1)令和7年6月(速報値)

 令和7年6月の野菜輸入量は、23万8039トン(前年同月比6%増)となった。生鮮野菜は主要産地が東日本に移行し、キャベツなどの結球類は入荷が回復したものの、昨年の高温・干ばつの影響が残るしょうがの輸入数量が継続して前年同月を上回ったことなどにより、前年同月比6%増と前年をかなりの程度上回った。冷凍野菜は、年明け以降、輸入数量が前年を上回るブロッコリーや国内で高値が続くさといも、需要期を迎えたえだまめなどが大幅に前年を上回り、同じく前年同月比6%増と前年をかなりの程度上回った(図1、表1)。



(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、しょうが、にんにくなどが前年を大幅に上回った一方、キャベツ、にんじん、かぼちゃなどが前年を下回り、全体では6万1569トン(前年同月比6%増)と前年をかなりの程度上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったばれいしょの輸入先は、1位が米国の6568トン、2位が中国の6トンであった。米国産は全量チップス用である。
 二番目はしょうがで、輸入先は1位が中国の1269トン、2位がタイの9トンであった。国産は昨年の高温と干ばつの影響により全国的に高値で取引されており、年明け以降、前年を上回る輸入が続いている。
 三番目はにんにくで、輸入先は、1位が中国の1856トン、2位がスペインの184トン、3位が米国の9トンであった。スペイン産の輸入量が前年の2倍強となったことなどから、前年同月を大幅に上回った。
 一方、減少率が最も高かったキャベツは全量中国からで、輸入量は1119トンであった。5月以降、神奈川産、愛知産が終盤とはならず、後続の千葉産、茨城産も順調に入荷し、国産の潤沢感から価格は平年を下回って推移した。
 二番目はにんじんで、輸入先は1位が中国で8215トン、2位が豪州で290トン、3位がベトナムで25トンであった。前年同月比は減っているものの、業務向けの太物の引き合いが強く、特に豪州産は前年を大幅に上回る輸入が続いている。
 三番目のかぼちゃは全量メキシコからで、輸入量は4370トンであった。為替相場の影響を受け、メキシコ産の取引は消極的であった。
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。



(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリー、さといも、えだまめなどが前年を大幅に上回った一方、いんげん豆等、ほうれんそう等、混合冷凍野菜が前年を下回り、全体では10万6453トン(前年同月比6%増)と前年をかなりの程度上回った(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったブロッコリーの輸入先は、1位が中国の4234トン、2位がエクアドルの3793トン、第3位がポルトガルの133トンであった。年明け以降、輸入数量は前年を上回っている。5~6月は西日本から長野や北海道に産地が移行する時期で、後続産地がやや遅れ気味で端境となる場面もあった。
 二番目はさといもで、輸入先は1位が中国の1807トン、2位が台湾の9トン、3位がタイの3トンであった。
 三番目はえだまめで、輸入先は1位が中国の2406トン、2位が台湾の2387トン、3位がタイの1446トンであった。
 一方、最も減少率が高かったいんげん豆等の輸入先は、1位が中国の1165トン、2位がタイの296トン、3位がベルギーの57トンであった。
 二番目はほうれんそう等で、輸入先は1位が中国の4295トン、2位が台湾の71トン、3位がベトナムの43トンであった。
 三番目は混合冷凍野菜で、輸入先は1位が中国の1269トン、2位が米国の247トン、3位がニュージーランドの68トンであった。




 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量のうち増加率が高かったのは、その他調整野菜のしょうが(その他)1965トン(前年同月比50%増)、トマト加工品のその他のトマト加工品1万2312トン(同26%増)などで、減少率が高かったのは、その他調整野菜のにんじんジュース2221トン(同19%減)、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキン1332トン(同8%減)などであった。
 
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