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需給動向 野菜情報 2025年8月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和7年6月)

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野菜振興部・調査情報部

【ポイント】

⃝6月の気象は、気温が、北・東・西日本でかなり高く、月平均気温は6月として、1898年以降最も高かった。降水量は、沖縄・奄美でかなり少なく、日照時間は、北・東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で、かなり多かった。
⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万5930トン、前年同月比98.7%、価格は1キログラム当たり290円、同102.6%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3347トン、前年同月比94.6%、価格は1キログラム当たり257円、同100.4%となった。
⃝昨年に続き、6月から猛暑に見舞われている。雪解けが昨年より一週間程遅く、東北・北海道産を中心に遅れており、市場では物不足感が強い。消費者の購入意欲は旺盛と報告されている。

(1)気象概況

 上旬は、旬平均気温は、前半は東・西日本を中心に冷涼な空気に覆われやすかったが、中頃以降は暖かい空気が流れ込み、広い範囲で真夏日を観測したため、北・東日本と沖縄・奄美では高かった。旬間日照時間は、北日本太平洋側で多く、前線や湿った空気の影響で、雲りや雨天が多かった東日本および西日本日本海側では少なかった。旬降水量は、西日本から本州南岸に北上した梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、9日は鹿児島県で線状降水帯が発生し、記録的な大雨となったことから、西日本ではかなり多く、東日本では多かった。一方、沖縄・奄美では、後半には梅雨前線が本州付近に北上し、晴れた日が多かった。梅雨については、四国地方と九州北部地方では8日頃、東海地方、近畿地方、中国地方では9日頃、関東甲信地方と北陸地方では10日頃に梅雨入りし、沖縄地方では8日頃に梅雨明けしたとみられる(速報値)。
 中旬は、旬平均気温は、全国的に暖かい空気に覆われやすかったため、かなり高かった。16日から20日には東北地方から西日本にかけて各地で猛暑日を観測した。旬平均気温平年差は東日本で+3.0℃、西日本で+2.6℃となり、1946年の統計開始以降、6月中旬として東日本では1位、西日本では2013年と並び1位タイの高温となった。旬間日照時間は、旬の前半や後半は北日本太平洋側でかなり多く、北日本日本海側では多かった。一方、旬の後半には、梅雨前線が日本海から北日本付近に北上し、太平洋高気圧に覆われて晴れた所が多く、東日本および西日本太平洋側、沖縄・奄美は多かった。旬降水量は、12日頃にかけて、梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込んだため、広い範囲でまとまった雨となり、大雨となった所もあった。そのため、東日本日本海側の旬降水量は多く、西日本太平洋側、沖縄・奄美では少なかった。東北地方は14日頃に梅雨入りし、奄美地方では19日頃に梅雨明けしたとみられる(速報値)。
 下旬は、低気圧や梅雨前線および湿った空気の影響で曇りや雨の日もあったが、太平洋高気圧が本州付近に張り出しやすかったことから、太平洋側を中心にこの時期としては晴れの日が多かった。旬平均気温は、全国的にかなり高く、特に北日本では、旬平均気温平年差が+4.7℃と、1946年の統計開始以降、6月下旬として記録的な高温となった。30日は、全国の914の観測地点のうち、118地点で猛暑日となった。旬降水量は、晴れの日が多かったため、西日本太平洋側でかなり少なく、東日本太平洋側と沖縄・奄美では少なかった。一方、低気圧の影響を受けた北日本日本海側では、かなり多かった。旬間日照時間は、梅雨前線の活動が弱く、太平洋高気圧に覆われやすかった北・東日本太平洋側と西日本では、かなり多く、東日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。九州地方、四国地方、中国地方と近畿地方では、27日頃に梅雨明けしたとみられる(速報値)。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は図1の通り。
 
タイトル: p029a

(2)東京都中央卸売市場

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万5930トン、前年同月比98.7%、価格は1キログラム当たり290円、同102.6%となった(表1)。
 
タイトル: p029b
 
 根菜類は、にんじんの価格は、堅調な動きとなり、大幅に高値で推移した前年を2割近く下回り、平年を1割以上上回った(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツの価格は、下旬に底上げとなったものの、前年を1割以上下回り、平年を2割近く下回った(図3)。
 果菜類は、きゅうりの価格は、月間を通して堅調な動きとなり、安値で推移した前年を4割以上上回り、平年を3割近く上回った(図4)。
 土物類は、ばれいしょの価格は、暴騰した前年を5割近く下回り、平年を2割近く下回った
(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2の通り。
 
タイトル: p030
 
タイトル: p031
タイトル: p032a

(3)大阪市中央卸売市場

 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3347トン、前年同月比94.6%、価格は1キログラム当たり257円、同100.4%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。
 
タイトル: p032b
 
タイトル: p033
タイトル: p034

タイトル: p035a
タイトル: p035b
 
タイトル: p036a
タイトル: p036b

※ 図中の文字が見にくい場合は、PDFファイルをご覧ください。