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需給動向 野菜情報 2025年7月号

2 野菜の輸入動向(令和7年4月)

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野菜振興部

【要約】

 4月の輸入量は、国産の出回りが回復した品目で大きく数量を減らした一方、引き続き加工・業務用の需要が高い生鮮のキャベツ、はくさいなどは前年を大幅に上回った。塩蔵等野菜はかなり、トマト加工品は大幅に数量を減らし、冷凍野菜は前年並みの数量となったことから、野菜全体で見ると、前年同月比は3%増となった。

(1)令和7年4月(速報値)

 令和7年4月の野菜輸入量は、26万6705トン(前年同月比3%増)となった。年明け以降、輸入数量が前年を大幅に上回っていたが、国産の生育が回復したことなどから前年をやや上回る程度となった(図1、表1)。

タイトル: p019

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、前年同月比でキャベツが9倍、はくさいが8倍となった。一方で、かぼちゃ、ばれいしょ、ジャンボピーマンなどが前年を下回り、全体では8万6479トン(前年同月比14%増)と前年をかなり大きく上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先は、1位が中国の9315トン、2位が台湾の2534トンであった。年明け以降、3月まで国内の高値が続いていたことから、加工・業務用を中心に輸入品の需要が高まっていたが、国産の出回りが回復したため、前月と比較すると3割程度減少した。
 二番目ははくさいで、輸入先は中国のみで3246トンであった。前月に引き続き、品薄感から加工・業務用で輸入品への需要が高まったが、国産が生育良好なためキャベツ同様、前月よりも3割程度少なかった。
 三番目はねぎで、輸入先は、中国のみで6217トンであった。前年の高温から国産が品薄傾向だったことから、前月に引き続き前年を上回る輸入量となった。
 一方、減少率が最も高かったかぼちゃの輸入先は、1位がニュージーランドの1万1902トン、2位がメキシコの704トンであった。ニュージーランド産は終盤だが前年よりも大幅に少なく、出始めのメキシコ産は前年並みの入荷量だった。
 二番目はばれいしょで、輸入先は米国のみで5211トン、全量がチップス用である。
 三番目はジャンボピーマンで輸入先は、1位が韓国の1259トン、2位がニュージーランドの161トン、3位がカナダの44トンであった。韓国産は大幅に数量を減らした前年並みで、ニュージーランド産は大幅に増量した前年を3割ほど下回った。
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。
 
タイトル: p020a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリー、いちご、混合冷凍野菜などが前年を大幅に上回った一方、さといも、ばれいしょがかなり、えだまめがやや、いずれも前年を下回り、全体では10万9857トン(前年同月比1%増)となった(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったブロッコリーの輸入先は、1位が中国の5391トン、2位がエクアドルの3460トン、第3位がグアテマラの152トンであった。愛知産や九州産の秋冬作において、低温・干ばつにより極端な品薄が続いたことから前月に引き続き輸入が増えた。
 二番目はいちごで、輸入先は、1位が中国の971トン、2位がチリの654トン、3位がエジプトの360トンであった。
 三番目は混合冷凍野菜で、輸入先は、1位が中国の2012トン、2位が米国の241トン、3位がニュージーランドの104トンであった。
 一方、最も減少率が高かったさといもの輸入先は、1位が中国の1970トン、2位が台湾の6トンであった。
 二番目はばれいしょで、輸入先は、1位が米国の2万5073トン、2位が中国の5913トン、3位がオランダの2711トンであった
 三番目はえだまめで、輸入先は、1位が中国の2482トン、2位が台湾の1502トン、3位がタイの1036トンであった。
 
タイトル: p020b

 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、その他調製野菜のしょうが(その他)2100トン(同34%増)およびスイートコーン5077トン(同23%増)、酢調製野菜のしょうが1573トン(同20%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外1万604トン(同21%減)、塩蔵等野菜のしょうが1104トン(同19%減)などであった。
 
タイトル: p021

タイトル: p022
タイトル: p023