野菜 野菜分野の各種業務の情報、情報誌「野菜情報」の記事、統計資料など

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 2 野菜の輸入動向(令和7年3月)

需給動向 野菜情報 2025年6月号

2 野菜の輸入動向(令和7年3月)

印刷ページ
野菜振興部

【要約】

  3月の輸入量は、冬季の低温・干ばつの影響を受け品薄になった生鮮キャベツが、前年同月比48倍となり、前倒し出荷による反動で高騰した生鮮はくさいが同45倍となった。冷凍ではいちご、ブロッコリーが前月に引き続き輸入量が多く、野菜全体で見ると前年同月比15%増となった。

(1)令和7年3月(速報値)

 令和7年3月の野菜輸入量は、26万3942トン(前年同月比15%増)となった。冬季の低温・干ばつにより葉茎菜類を中心に品薄傾向となり、輸入量は前年同月をかなり大きく上回った(図1、表1)。



(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、前年同月比でキャベツが48倍、はくさいが45倍と前年を大幅に上回った一方で、ばれいしょ、たまねぎ、にんにくなどが前年同月を下回ったものの、全体では9万7499トン(前年同月比31%増)と前年同月を大幅に上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先の内訳は、1位が中国の1万6127トン、2位が台湾の1348トン、3位がベトナムの569トンであった。国内の入荷が引き続き不安定だったことから、加工・業務用を中心に需要が高まり、1月以降前年同月を大幅に上回って推移している。
 二番目ははくさいで、輸入先の内訳は、1位が中国の4404トン、2位が台湾の152トン、3位がベトナムの33トンであった。茨城産の前倒し出荷による反動などで品薄が続き、不足感から輸入量が急増した。
 三番目はその他根菜類(だいこんなど)で、輸入先の内訳は、1位が中国の1538トン、2位がメキシコの13トン、3位がオランダの11トンであった。
 一方、減少率が最も高かったばれいしょの輸入先は米国のみで、数量は2983トン、全量チップス用である。
 二番目はたまねぎで、輸入先の内訳は、1位が中国の2万29トン、2位がニュージーランドの1078トン、3位がタイの317トンであった。
 三番目はにんにくで、輸入先の内訳は、1位が中国の1806トン、2位がスペインの109トン、3位がアルゼンチンの66トンであった。
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。



(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、ブロッコリー、えんどうなどが前年同月を大幅に上回った一方、スイートコーンが前年同月をかなりの程度下回り、全体では10万1913トン(前年同月比16%増)と大幅に増加した(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったいちごの輸入先の内訳は、1位が中国の1004トン、2位がエジプトの806トン、第3位がチリの695トンであった。
 二番目はブロッコリーで、輸入先の内訳は、1位が中国の5096トン、2位がエクアドルの3599トン、3位がグアテマラの95トンであった。愛知産や九州産の秋冬作において低温・干ばつにより極端な品薄が続いたことから、前月に引き続き輸入が増えた。
 三番目はえんどうで、輸入先の内訳は、1位が中国の656トン、2位がニュージーランドの198トン、3位が米国の145トンであった。
 一方、最も減少率が高かったスイートコーンの輸入先の内訳は、1位が米国の1557トン、2位がタイの1147トン、3位が中国の631トンであった。前年の輸入量が多かったことから、かなりの程度下回った(表3)。



 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキン1144トン(前年同月比66%増)、しょうが1572トン(同27%増)、その他調製品のたけのこ5006トン(同25%増)、にんじんジュース1531トン(同36%減)などであった。
 
タイトル: p022

タイトル: p023
タイトル: p024