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需給動向 野菜情報 2025年5月号

2 野菜の輸入動向(令和7年2月)

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野菜振興部

【要約】

 2月の輸入量は、前月に引き続き夏秋期の高温・干ばつによる生育不良、10~11月の曇天・降雨や気温低下などの影響により国産の供給が不足したことから、加工・業務用を中心とした需要を補うため生鮮キャベツの輸入が増加し、前年同月比42倍となった。また、冷凍ブロッコリーなど冷凍野菜の輸入が増えたことから、全体では同17%増となった。

(1)令和7年2月(速報値)

 令和7年2月の野菜輸入量は、21万7735トン(前年同月比17%増)となった。夏秋期の高温や干ばつによる生育不良、10~11月の曇天・降雨や気温低下などの影響により多くの品目で国産の入荷量がそろわず、価格が高騰したことから、輸入量は前年同月を大幅に上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p022

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、前年同月比でキャベツが42倍、ばれいしょが5.6倍、にんじんが1.8倍など前年を大きく上回った一方で、ジャンボピーマン、にんにく、たまねぎなどが前年を大幅に下回り、全体では7万5663トン(前年同月比51%増)と前年を大幅に上回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先の内訳は、1位が中国の1万3148トン、2位がベトナムの711トン、3位が韓国の237トンであった。国内の入荷が不安定だったことから、加工・業務用を中心に輸入品にシフトする動きもあり、前月に引き続き大幅な増加となった。
 二番目のばれいしょの輸入先は、全量が米国の4427トンでチップス用であった。九州産の売り込みが1月から始まったものの、高温と雨の影響で平年を大幅に上回る価格となった。
 三番目のにんじんの輸入先の内訳は、1位が中国の8223トン、2位がオーストラリアの237トン、3位が台湾の118トンであった。干ばつの影響により、主産地である千葉産の出荷量が少なく、切り上がりも早く、後続の徳島産が出遅れて高値となったことに加え、国産は細物が多く、太物が必要な加工・業務用が輸入品にシフトした。
 一方、最も減少率が高かったジャンボピーマンの輸入先の内訳は、1位が韓国の667トン、2位がニュージーランドの372トンであった。韓国産は激しい気象変動による生産量の減少や、日本市場の縮小などを背景に販売先を他国に向けており、輸入量が減っている。
 二番目のにんにくの輸入先の内訳は、1位が中国の1357トン、2位がスペインの52トン、3位が米国の11トンであった。
 三番目のたまねぎの輸入先の内訳は、1位が中国の1万9906トン、2位がタイの313トン、3位がオランダの206トンであった。北海道産の不作により輸入量が多かった前年と比べやや減少したものの、今年も北海道産は作柄不良、新たまねぎの産地も夏の高温により不作であったため輸入量は計2万649トンとなった。
 
(注)輸入数量の多い品目を「主な品目」としている。
 
タイトル: p023a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、ブロッコリー、ばれいしょなどが前年を大幅に上回った一方、さといも、えだまめは大幅に、いんげん豆等はかなり大きく前年を下回り、全体では8万5723トン(前年同月比7%増)とかなりの程度増加した(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったいちごの輸入先の内訳は、1位が中国の769トン、2位がペルーの677トン、3位がチリの279トンであった。
 二番目のブロッコリーの輸入先の内訳は、1位がエクアドルの3548トン、2位が中国の3539トン、3位がポルトガルの98トンであった。国産が引き続き低温・干ばつにより生育が遅延し、1月には平年の2倍近くまで価格が上昇したことから輸入量が増えた。
 三番目のばれいしょの輸入先の内訳は、1位が米国の2万68トン、2位がオランダの3347トン、3位が中国の3238トンであった。
 一方、最も減少率が高かったさといもの輸入先の内訳は、1位が中国の1531トン、2位がタイの1トン、3位が台湾の1トンであった。近年、中国において人件費や肥料などのコスト上昇や、需要減退により作付面積が減少する中、輸入価格が上昇し輸入量が減少したとみられる。
 二番目のえだまめの輸入先の内訳は、1位が中国の1498トン、第2位が台湾の1471トン、3位がタイの400トンであった。
 三番目のいんげん豆等の輸入先の内訳は、第1位が中国の888トン、2位がタイの532トン、3位がベルギーの63トンであった。前年の輸入量が多かったため前年同月をかなり大きく下回った。
 
タイトル: p023b

 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトケチャップ1066トン(同74%増)、その他調製品のスイートコーン3278トン(同14%減)、たけのこ3405トン(同14%減)などであった。 
 
タイトル: p024

タイトル: p025
タイトル: p026