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需給動向 野菜情報 2025年4月号

2 野菜の輸入動向(令和7年1月)

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野菜振興部

【要約】

 1月の輸入量は、令和6年夏以降の高温や低温や干ばつの影響により、入荷が不安定となった生鮮キャベツの輸入が急増し、前年比43倍となったほか、生鮮の結球レタスも国産の作柄不良から生鮮野菜の輸入が大幅に増加した。乾燥野菜も大幅に増加したことから、野菜全体では前年同月比18%増となった。

(1)令和7年1月(速報値)

 令和7年1月の野菜輸入量は、24万1848トン(前年同月比18%増)となった。夏秋期の高温や干ばつの影響により、多くの品目で国産の入荷量が(そろ)わず、価格が高騰したことから、輸入量は前年同月を大幅に上回った(図1、表1)。





(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃが前年を大幅に下回ったが、キャベツが前年比約43倍、ばれいしょおよび結球レタスが同約2倍と大幅に前年を上回ったため全体では8万929トン(前年同月比50%増)と前年を大幅に上回った(図2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったキャベツの輸入先の内訳は、第1位が中国の1万6671トン、第2位がベトナムの580トン、第3位が韓国の186トンであった。国内の主産地からの入荷が少ない中、加工・業務用を中心に需要が高まり、中国以外の国からの輸入数量も伸びた結果、大幅に増量した。
 キャベツに次いで増加率が高かったばれいしょの輸入先は、米国の3850トンで全量チップス用となっており、前年同月の数量が少なかったため、増えている。
 ばれいしょに次いで増加率が高かった結球レタスの輸入先の内訳は、第1位が台湾の1964トン、第2位が米国の45トン、第3位が中国の15トンであった。定植期の大雨や秋以降の高温に加え、低温干ばつの影響で西南暖地からの入荷が不安定だったことから不足感が高まり、先月から引き続き、輸入量が増えている。
 一方、主な品目のうち減少率が高かったかぼちゃの輸入先の内訳は、第1位がメキシコの7454トン、第2位がニュージーランドの1218トン、第3位が韓国の1トンであった。ニュージーランド産は出始めで小玉傾向であった。メキシコ産が減っている一方、為替相場の影響が少ないニュージーランド産は前年比4倍と大幅に伸びた(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。





(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、さといも等が前年を下回ったがほうれんそう等、えだまめ、ブロッコリーが前年をかなり上回った結果、全体では9万5950トン(前年同月比6%増)と前年をかなりの程度上回った(図3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったほうれんそう等の輸入先の内訳は、第1位が中国の5048トン、第2位が台湾の97トン、第3位がベトナムの15トンであった。国内産の高値基調が続いている中、中国産も夏場の多雨により減産との報告があったが、上位3カ国とも前年よりも大幅に増加した。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったえだまめの輸入先の内訳は、第1位が台湾の1621トン、第2位が中国の1594トン、第3位がタイの620トンであった。
 えだまめに次いで増加率が高かったブロッコリーの輸入先の内訳は、第1位が中国の3930トン、第2位がエクアドルの2010トン、第3位がインドの80トンであった。国内産が低温により生育が遅れている中、これまで実績のなかったインド産が入荷した。
 主な品目のうち最も減少率が高かったスイートコーンの輸入先の内訳は、第1位が米国の1368トン、第2位がタイの725トン、第3位が中国の612トンであった。
 スイートコーンに次いで減少率が高かったさといもの輸入先の内訳は、第1位が中国の2305トン、第2位が台湾の10トンであった(表3)。





 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要品目は、酢調製野菜のしょうが1590トン(同13%増)、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外8336トン(同9%減)、その他調製野菜のにんじんジュース1739トン(同7%減)などであった。
 
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