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需給動向 野菜情報 2025年1月号

2 野菜の輸入動向(令和6年10月)

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野菜振興部

【要約】

 10月の輸入量は、前年の数量が少なかったしょうが、にんにくが前年同月を上回ったほか、たまねぎは年間を通して前年の数量を上回る輸入が続いている。生鮮のキャベツ、にんじんは主要輸入先である中国の天候不順の影響を受け数量が減った。一方で、冷凍のブロッコリーやばれいしょは数量を伸ばし、全体では前年同月比8%増となった。

(1)令和6年10月(速報値)

 令和6年10月の野菜輸入量は、22万728トン(前年同月比8%増)となった。生鮮野菜、塩蔵等野菜が前年同月を下回ったものの、冷凍野菜、トマト加工品が前年同月を大幅に上回ったことから、全体では前年同月をかなり上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p018

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、にんじん、ねぎなどが前年を大きく下回ったものの、しょうが、たまねぎが前年を大幅に上回ったことなどから、全体では4万9609トン(前年同月比4%減)と前年をやや下回った(図2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったしょうがの輸入先の内訳は、第1位が中国の1035トン、第2位がタイの63トン、第3位がペルーの59トンであった。前年の輸入量が少なかったことから、中国産は前年比1.4倍、タイ産は3倍といずれも大幅に増えた。
 しょうがに次いで増加率が高かったたまねぎの輸入先の内訳は、第1位が中国の2万2343トン、第2位が米国の71トン、第3位がニュージーランドの26トンであった。
 たまねぎに次いで増加率が高かったにんにくの輸入先の内訳は、第1位が中国の1794トン、第2位がスペインの112トン、第3位が米国の4トンであった。
 一方、主な品目のうち減少率が高かったキャベツの輸入先は中国のみで1306トンであった。前年同月は国産キャベツの価格高騰により輸入量が多かったことから、前年に比べ35%減と大幅に下回った。今年も国産キャベツが天候不順や夏場の高温の影響を受け、生育不良で出荷が遅れたことから、前年に引き続き高値となったが、中国産の価格が猛暑の影響により前年の1.5倍となったことから輸入数量は減った。
 キャベツに次いで減少率が高かったにんじんの輸入先の内訳は、第1位が中国の6552トン、第2位が豪州の173トンであった。この時期の中国産は山東省に産地が移行するが、大雨による不足感から中国産の価格は上昇し、北海道産の入荷が順調だったことから輸入数量は減った。
 にんじんに次いで減少率が高かったねぎの輸入先は中国のみの6100トンで、前年同月の輸入量が多かったことから前年を下回った(表2)。
 (注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p019a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちごがかなりの程度前年を下回ったものの、ブロッコリー、ばれいしょ、スイートコーンなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では10万6183トン(前年同月比16%増)と前年を大幅に上回った(図3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったブロッコリーの輸入先の内訳は、第1位が中国の4011トン、第2位がエクアドルの3398トンであった。10月は国内産地が関東や九州に移行したが、高温の影響による生育不良のため不足感が高まったことから、中国産が同31%増、エクアドル産が同51%増と前年を大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったばれいしょの輸入先の内訳は、第1位が米国の2万1123トン、第2位が中国の4621トン、第3位がオランダの3696トンであり、3カ月連続で前年を上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったスイートコーンの輸入先の内訳は、第1位が米国の2410トン、第2位がタイの1416トン、第3位が中国の782トンであった。
 主な品目のうち減少率が高かったいちごの輸入先の内訳は、第1位が中国の817トン、第2位がチリの588トン、第3位がエジプトの408トンであった。いずれも前年の数量が多かったため前年を下回った(表3)。
 
タイトル: p019b
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のその他のトマト加工品が9189トン(同50%増)およびトマトピューレ等関割以外が1万528トン(同27%増)、乾燥野菜のその他の乾燥野菜が2253トン(同23%増)、その他調整野菜のにんじんジュース2364トン(同32%減)などであった。
 
タイトル: p020
タイトル: p021
タイトル: p022