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需給動向 野菜情報 2024年12月号

2 野菜の輸入動向(令和6年9月)

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野菜振興部

【要約】

 9月の輸入量は、北海道産にんじんの生育が順調だったことから生鮮にんじんの輸入が大幅に減ったほか、中国産ねぎは高値による買い控えもあった。高温干ばつの影響で収穫減となったブロッコリーやばれいしょは冷凍が伸び、全体では前年同月比7%増となった。

(1)令和6年9月(速報値)

 令和6年9月の野菜輸入量は、21万5362トン(前年同月比7%増)となった。生鮮野菜、塩蔵等野菜が前年同月を下回ったものの、冷凍野菜、酢調整野菜、トマト加工品が前年同月を大きく上回ったことから、全体では前年同月をかなりの程度上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p019

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、前年同月をにんじんが大幅に、ジャンボピーマンおよびねぎがかなり下回ったものの、しょうがが大幅に、にんにくおよびたまねぎがかなり上回ったことから、全体では4万7723トン(前年同月比3%減)と前年をやや下回った(図2、表2)。
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったしょうがの輸入先の内訳は、第1位が中国の1163トン、第2位がタイの63トンであった。前年の輸入量が少なかった中国産、タイ産ともに大幅に増えた。
 しょうがに次いで増加率が高かったにんにくの輸入先の内訳は、第1位が中国の1922トン、第2位がスペインの123トン、第3位が米国の18トンであった。中国産は2024年産の貯蔵品の出荷で、昨年よりも品質は良好。貯蔵コスト上昇の影響で価格は高止まりしている。
 にんにくに次いで増加率が高かったたまねぎの輸入先は、中国が2万1045トンであった。
 一方、主な品目のうち減少率が最も高かったにんじんの輸入先の内訳は、第1位が中国の7847トン、2位がオーストラリアの280トンであった。オーストラリア産が数量を伸ばしているものの、北海道産の生育が良好で入荷が落ち着いた8月以降、大幅に輸入数量が減っている。
 にんじんに次いで減少率が高かったジャンボピーマンの輸入先の内訳は、第1位が韓国の844トン、第2位がオランダ753トンであった。前年同月の数量が多かったこともあるが、韓国産は国内消費が伸びていることに加え、日本以外への輸出を増やしており、1月以降前年を下回る輸入量が続いている。一方、オランダ産は過去2年と比較して数量が伸びている。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったねぎの輸入先は中国のみで、前年同月の輸入量が多かったことから前年を下回った。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p020a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等がやや前年をやや下回ったものの、いちご、ばれいしょ、ブロッコリーなどが前年を大幅に上回ったため、全体では10万5598トン(前年同月比12%増)と前年をかなり大きく上回った(図3、表3)。
 主な品目のうち最も増加率が高かったいちごの輸入先の内訳は、第1位が中国の983トン、第2位がエジプトの228トンであった。中国産は前年並みだったが、エジプト産が前年を65%上回った。
 いちごに次いで増加率が高かったばれいしょの輸入先の内訳は、第1位が米国の2万7871トン、第2位がオランダの4088トン、第3位がベルギーの3373トンであった。北海道産が干ばつの影響で小玉傾向で高騰したこともあり、米国産、オランダ産ともに前年を大幅に上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったブロッコリーの輸入先の内訳は、第1位が中国の3674トン、第2位がエクアドルの3043トンであった。9月は主産地である北海道産が2年連続で猛暑による収量減と作付減となったほか長引く降雨の影響で品質の不良もみられ、不足感が高まったことから中国産が前年を9%増、エクアドル産が同42%増と上回った。
 主な品目のうち減少率が高かったいんげん豆等の輸入先は、第1位が中国の1042トン、第2位がタイの479トンであった。前年の輸入数量が多かったため前年を下回った。
 
タイトル: p020b
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトピューレ等関割が1024トン(前年同月比1144%増)、その他調製野菜のスイートコーンが5386トン(同35%増)、その他の塩蔵野菜が1868トン(同20%減)などであった。

タイトル: p021

タイトル: p022
タイトル: p023