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需給動向 野菜情報 2024年11月号

2 野菜の輸入動向(令和6年8月)

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野菜振興部

【要約】

 8月の輸入量は、高温障害や降雨・干ばつにより入荷が不安定となった品目で輸入が多く、国内産地で端境期となった品目もあったことから、全体では前年同月比2%増となった。

(1)令和6年8月(速報値)

 令和6年8月の野菜輸入量は、21万2034トン(前年同月比2%増)となった。塩蔵等野菜、その他調製野菜が前年同月を下回ったものの、乾燥野菜、トマト加工品が前年同月を大幅に上回ったことから、全体では前年同月をわずかに上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p022a
 
タイトル: p022b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんにく、ごぼう、にんじんなどが前年を下回ったものの、たまねぎが前年を大幅に上回ったことから、全体では5万1447トン(前年同月比2%増)と前年を上回った(図2)。
 
タイトル: p023
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはたまねぎで、2万2918トン(同20%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2万2546トン、第2位が豪州の182トン、第3位がニュージーランドの181トンであった。春先の降雨により西日本の産地が不作だったことや、昨年から続く絶対量不足から、前年を上回る輸入数量となった。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはねぎで、4903トン(同1%増)となった。輸入先は中国のみであった。国内産地で高温の影響があったものの、前年並みの輸入量となった。
 一方、主な品目のうち減少率が高かったのはにんにくで、2200トン(同23%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2056トン、第2位がスペインの79トン、第3位が米国の58トンであった。中国産の新物が7月頃から入荷しているが、昨年に引き続き不作で小玉傾向である。昨年は現地の降雨の影響などで品質がそろわず、輸入量のピークが8月だったことから前年同月比は大幅に減少した。
 にんにくに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3050トン(同14%減)となった。輸入先は中国のみであった。
 ごぼうに次いで減少率が高かったのはにんじんで、6702トン(同12%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の6584トン、第2位が豪州の112トンであった。北海道産の生育が順調で前進傾向となり、価格も軟調に推移したことから前年同月比でかなり大きく下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p024a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、スイートコーンがかなりの程度前年を下回ったものの、ブロッコリー、ほうれんそう等、いんげん豆等が前年をかなり上回ったことから、全体では9万8147トン(前年同月比1%増)と前年をわずかに上回った(図3)。
 
タイトル: p024b
 
 主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、5967トン(同11%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の3307トン、第2位がエクアドルの2611トンであった。国内主要産地である北海道で作付面積が減少した上、干ばつにより平年の半分程度まで出荷量が減少した影響により、輸入量が前年をかなり大きく上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4224トン(同7%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4082トン、第2位が台湾の63トン、第3位がエクアドルの35トンであった。国産が高温による生育不良により入荷量が不安定となり価格が上昇したことから、前年をかなりの程度上回った。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、1739トン(同5%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1073トン、第2位がタイの440トンであった。8月は国産が端境期となることに加え、中国が同7%増となったことから、前年をやや上回った。
 主な品目の減少率が高かったのはえだまめで、6697トン(同8%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が台湾の2617トン、第2位が中国の2279トン、第3位がタイの1421トンであった。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、4256トン(同6%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2062トン、第2位がタイの1340トン、第3位が中国の508トンであった。中国が前年同月比34%減と大幅に減らしたことから、前年を下回った。
 スイートコーンに次いで減少率が高かったのはいちごで、2351トン(同4%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1076トン、第2位がエジプトの336トン、第3位がモロッコの308トンであった。輸入のピークである5~6月に前年を大幅に上回る輸入数量が続いたモロッコが、8月は前年同月比26%減となったことから、前年をやや下回った(表3)。

タイトル: p025
 
 生鮮野菜及び冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外が1万2161トン(同29%増)、その他調製野菜のにんじんジュースが3562トン(同28%増)となった一方で、同たけのこが3419トン(17%減)となった。

タイトル: p026
タイトル: p027

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タイトル: p029